マイナス金利下での定期預金の選び方とは 長期の定期預金はデメリットだらけ
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マイナス金利の影響で、銀行の預金金利はどんどん下がっています。本来、高い金利でお金を預けられるのが魅力の定期預金も、ゼロに近い水準です。
マイナス金利が拡大しても、今のところ預金金利がマイナスになることはないといわれています。定期預金を組んでも元本を割れることはないものの、なるべく損しない組み方をするべきです。
元本保証の銀行預金で資産を運用したい人向けに、マイナス金利下でやるべき対策をわかりやすく解説します。
目次
おさらい:マイナス金利政策とは
マイナス金利とは、日本銀行が民間の金融機関に対して適用している預金金利です。
日本の中央銀行である日本銀行は、大手銀行や地方銀行のための銀行としての機能があります。マイナス金利は、銀行が日本銀行へお金を預ける際に適用されます。
例:三菱UFJ銀行や三井住友銀行が日本銀行へお金を預けると、お金が減っていく。
個人は日本銀行にお金を預けられません。
民間銀行が普通預金や定期預金をマイナス金利にしない限りは、私たちの預金がマイナス金利になることはありません。
民間の金融機関は、日本銀行に一定の金額を預金する義務があります。つまり、どうしても一部のお金は減っていくため、銀行は融資を積極的に行い、利息で収益を増やす必要があります。
しかし、マイナス金利の影響で、住宅ローンなどの借入金利も低い水準が続いています。
収益となるローンの金利が低いと、預金金利も上げられません。そのため、預金金利もゼロに近いところまで下がっている状況です。ローン金利より預金金利が高いと、利息による収入が赤字になってしまいます。
■銀行手数料もじわじわ値上がりしている
メガバンクや地方銀行は、ATM手数料や振込手数料も少しずつ値上げしています。これもマイナス金利の影響があると考えられます。
銀行の収益の二本柱は、ローンの利息と手数料です。ローン金利が低く利息による利益を上げにくいぶん、手数料ビジネスで売上を底上げする必要があります。
金利が低いときは長期定期を組むな
預金金利が低くても、一定の貯蓄を銀行に預けておくことは大事です。銀行預金のメリットは、いつでも入出金できることです。病気やケガなど、突然の出費が必要なときの備えになります。
少しでも高い預金金利で預けるなら、定期預金がおすすめです。ただし、低金利のあいだは長期定期預金はおすすめできません。銀行の定期預金の多くは、固定金利だからです。
■定期預金の金利タイプ
- 固定金利:預入時の金利が満期まで継続
- 変動金利:預入後は半年ごとに金利を見直し
たとえば、低金利なタイミングで10年定期を組むとします。10年のあいだに景気が回復し、預金金利の相場が上がったとしても、すでに預け入れた10年定期の金利は低いまま固定されます。
中途解約してより高金利な定期預金に乗り換える手もあります。しかし、中途解約すると中途解約利率という低い金利が適用され、それまで預けた分の利息が減ってしまいます。
変動金利の定期預金は少数派です。みずほ銀行の「みずほ変動金利定期預金」や、地方銀行独自の定期預金などは、変動金利を採用しています。
しかし、大手銀行や地方銀行の定期預金は金利が低く、そもそも貯蓄には不向きです。
短期でも有利な金利で定期預金を組むなら、ネット銀行が最適です。ネット銀行は、1年前後の短期定期預金も、高い預金金利で利用できます。
ネット銀行は実店舗を持たず、店舗の維持コストや人件費を抑えているため、大手銀行より高い預金金利を提供できます。
1年定期の比較はこちら:
1年定期預金の金利ランキングTOP10 業界トップのネット銀行を比較
また、ネット銀行のなかには、1週間定期や2週間定期といった超短期定期を扱う銀行もあります。長くとも1週間もしくは2週間待てば満期がくるので、満期解約しやすいのがメリットです。
満期が来ても自動継続する「元利金継続型」で預け入れれば、お金が必要になるときまで運用し続けられます。複利効果が働き、自動継続するほど利息が増えていくのでおすすめです。
次の満期でお金を引き出したいと思ったら、満期時の取扱方法を「自動解約」に変更すればOKです。すべてネット完結で手続きできます。
中途解約しても元本割れはしない
定期預金は、満期を待たずに途中で解約しても元本割れはしません。ただし、中途解約利率が適用され、普通預金に近い水準まで金利が下がります。
預け入れて短期間のうちの解約であれば、利息差はそこまで大きくなりません。しかし、まとまった金額を何年も預けたあとに中途解約すると、受取利息も大きく減ってしまいます。
そのまま預け続けた場合と、中途解約した場合の利息を比較し、解約を検討することをおすすめします。
ただし、仕組預金(しくみよきん)という特殊な定期預金は、中途解約すると元本割れするリスクがあります。中途解約はおすすめできません。
仕組預金は、ネット銀行での取り扱いが多い傾向にあります。以下の預金はすべて仕組預金です。
■主要ネット銀行が扱う仕組預金
- 楽天銀行:楽天エクステ預金
- 住信SBIネット銀行:円仕組預金・外貨仕組預金
- ソニー銀行:円定期plus+
- auじぶん銀行:スイッチ円定期預金、ステップアップ定期預金、プレミアム金利円定期預金
金利が下がりそうなら長期定期預金
しばらく預金金利が下がらないと予想できる(下がりようがないくらい低い)ときは、短期定期預金が向いています。対して、これから金利が下がる可能性があるときは、長期定期預金がおすすめです。
金利が高いうちに固定金利の長期定期預金に預けておけば、預金金利の相場が下がっても高い金利で預け続けられます。
マイナス金利が適用された2016年頃は、預金金利の高いネット銀行に定期預金の申し込みが集中しました。
その後、ネット銀行もマイナス金利の影響で金利を引き下げます。その直前に長期定期預金に預けた人は、今の何倍も高い金利で預け続けているかもしれません。
長期の定期預金には、5年定期や10年定期などがあります。経済情勢を見ながら、計画的に利用したいところです。
高い金利で預金する3つのコツ
マイナス金利の影響で預金金利が低いなかでも、なるべく高い金利で預金する方法は3つあります。
銀行の選び方をひと工夫するだけで、生活防衛資金や老後預金を安全に増やせます。
定期預金に強いネット銀行を使う
預金金利を重視するなら、ネット銀行が不可欠です。特に定期預金の金利が高い、2大ネットバンクはこちらです。
■定期預金の金利が高いネット銀行
この2行は、特に定期預金に力を入れています。多くの人が貯蓄用口座として利用しています。
定期預金の最小預入金額が50万円とやや高めなので、普通預金である程度貯金してから定期預金に移す使い方になります。
ボーナス時期に定期預金キャンペーンを探す
夏と冬のボーナス時期は、ネット銀行の多くが定期預金の金利優遇キャンペーンを行います。特に、夏のボーナス時期にあたる6~7月は狙い目です。
なかには、メガバンクの数十倍ものキャンペーン金利を打ち出す銀行もあります。気になっていたネット銀行の金利をチェックし、キャンペーンを機に口座開設してもよいと思います。
大手銀行は、定期預金キャンペーンをほとんど行いません。すでに多くの預金があるため、マイナス金利下ではむしろ「預金を減らしたい」のが本音です。
ネット銀行は顧客を積極的に増やしたいと考えています。ボーナス時期の定期預金キャンペーンで、口座開設を促しているといえます。
定期預金より高金利な「普通預金」も検討する
実は、定期預金より普通預金のほうが金利が高いネット銀行もあります。普通預金であれば、満期を気にせずいつでも入出金できます。
普通預金なら、より高金利な定期預金を見つけてもすぐに乗り換えられます。いつ引き出しても同じ金利が適用されるので、中途解約利率によって利息が減りません。
また、普通預金は不定期に金利が見直される「変動金利」です。長期定期預金を組むのに適さない、低金利なタイミングの預金先としても最適です。
■普通預金金利が定期預金より高いネット銀行
あおぞらネット銀行BNAK支店は、口座を開設すれば誰でも高金利な普通預金金利を利用できます。
GMOあおぞらネット銀行と楽天銀行は、銀行口座と証券口座を連携設定すると、普通預金金利が大幅アップします。口座開設や連携サービスは完全無料です。
GMOあおぞらネット銀行は、GMOクリック証券と連携する「証券コネクト口座」、楽天銀行は楽天証券と口座連携する「マネーブリッジ」というサービスを使います。
老後資金など長期の資産形成をしたい人は、マネーブリッジがおすすめです。楽天証券は、老後資金の形成に向いているiDeCoやNISAを利用できます。手数料が低い投資信託が多いので、投資初心者も安心です。
GMOクリック証券は、iDeCoの取り扱いがありません。どちらかというと、FXなどに向いているネット証券です。
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