定期預金よりもお得?MRFとMMFの違いと金利を比較した結果
定期預金、MRF、MMFはどれが一番お得?
高金利・低リスクな運用方法として最も代表的なのが定期預金です。定期預金を組んだ経験がある人ない人いると思いますが、その存在は多くの方が知っていると思います。
定期預金と似た種類の高金利・低リスクな運用方法として「MRF」や「MMF」があります。しかし、こられは主に証券会社が販売しているものなので、存在自体を知らない人も多いです。
目次
MRFとMMFについて学ぶ
MRFは「マネーリザーブファンド」、MMFは「マネーマーケットファンド」の略称です。若干の違いはあるものの、どちらもほとんど同じ運用方法で、取り扱っているのは証券会社です。
MRF・MMFともに毎月分配型の投資信託の一種なので、預けると毎月分配金が支払われます。イメージ的には、普通預金利息が毎月振り込まれる感覚と同じです。
運用対象となるのは、国債や地方自治体の発行する地方債など、極めて安全性の高い債券が中心です。MRF・MMFは運用によって得られた利益を分配金として支払う仕組みなので、元本保証はありません。
しかし、過去の歴史を振り返ってみても、MRFで元本割れが起こった事例は一度もありません。(海外事例ですが、MMFでは一度だけ元本割れの歴史があります)
過去に元本割れを起こした商品は「外貨建てMMF」です。円建てのMMFは過去に一度も元本割れをお越していません。
また、外貨建てMMFが元本割れを起こした時にも、「野村の外貨建てMMF」については元本割れを起こしませんでした。
MRFとMMFの違い
商品名 | MRF マネー・リザーブ・ファンド |
MMF マネー・マーケット・ファンド |
---|---|---|
申込 | 自動買付・解約 証券会社版の普通預金 |
買付・解約の手続きが必要 証券会社版の定期預金 |
ペナルティ | なし(いつでも解約自由) | 30日以内の解約に限り0.1%程度の信託財産留保額(解約手数料)が発生 |
利回り | 普通預金よりもやや高い | MRFよりも若干高い |
銀行に預金を入れておくと利息が付きます。これと同じで、証券会社の口座にお金を入れている場合も、前述の「分配金」という形で支払いが受けられます。
この仕組みを自然に実現するために、証券会社では私たちが預けたお金を自動的に「MRF(マネーリザーブファンド)」に回すようにしています。
投資信託といっても、都度の申し込みや解約の必要はなく、すべて自動的に行われるのがMRFのポイントです。
証券口座に預けたお金は株式などを購入する資金に使われますが、その前段階の「待機資金」の状態では、自動的にMRFの買い付けに回され、毎月の分配金が受けられます。
私たちが株式を購入すると同時に、その買い付け代金と同じ金額のMRFが自動的に解約され、株の購入資金に使われる仕組み。
つまり、MRFは証券会社版の普通預金という扱いです。
MRFが自動的に買付・解約が行われるのに対して、MMFは私たちが自ら申し込み・解約の手続きを取るという点で異なります。
MMFも買付・解約手数料は無料なのですが、30日以内に解約した場合に限り「0.1%の信託財産留保額(解約手数料のようなもの)」がかかります。
どちらも極めて安全な資産で運用する商品ですが、MMFの方が若干利回りは高いです。
- 待機資金で自動的に買付・解約される「証券会社版の普通預金」がMRF
- 自らの意思で買付・解約を行う「証券会社版の定期預金」がMMF
という位置づけです。
定期預金と比較してどちらがお得なのか
では、定期預金と比較してMRFやMMFはお得なのかというと。。。
実は現在は、MRFやMMFにはほとんどメリットがありません。
下記は2016年1月のMRF・MMFの利回りです。
(定期預金と違って運用による結果なので、MRF・MMFの利回りは常に変動します)
追記:2016年9月1日
マイナス金利の影響で野村MMFは2016年8月末をもって運用を終了しました。
大和MMFも10月末で運用を終了しています。
おそらく、金利が上昇するまでMMFの販売は停止されるものと思われます。
現在おすすめの高金利の運用方法は「5パーセント超の利回りが確保できる安全な資産運用先まとめ」にて解説していますので、合わせてご覧ください。
商品名 | 金利・利回り |
---|---|
野村MRF | 年0.016% |
野村MMF | 年0.040% |
大和MRF | 年0.014% |
大和MMF | 年0.037% |
ジャパンネット銀行(普通預金) | 年0.03% |
ジャパンネット銀行(1年定期) | 年0.11% |
セブン銀行(普通預金) | 年0.05% |
SBIハイブリッド預金 | 年0.06% |
楽天マネーブリッジ | 年0.10% |
※SBIハイブリッド預金は住信SBIネット銀行が提供、マネーブリッジは楽天銀行が提供。
それぞれ、無料の証券口座を開設した人に対して行われる優遇金利です。元本保証で普通預金扱いです。
このように見てみると、MMF・MRFと銀行預金の差は歴然としていますよね、、、MMF・MRFは元本保証ではないのに、利回りでまったく旨味がないです。。。
銀行と証券の口座連携メリットは大きい
最近は、銀行口座と証券口座の連携によって普通預金金利をアップさせる、SBIハイブリッド預金やマネーブリッジなどが登場しています。
あえてMRFやMMFを使うよりも、元本保証のついたマネーブリッジなどを活用するほうが低リスク・高金利での運用が可能です。
特に最近はネット証券を中心にMRFの取扱を廃止するところも増えています。
昔はMRFやMMFの方が利回りは高かったのですが、最近はそこまでメリットがあるとは言い切れません。
楽天銀行が提供している「銀行・証券」の連携によって「普通預金金利を優遇する」サービスであるマネーブリッジ。
上記を見てもわかるとおり、マネーブリッジは定期預金やMMFよりも金利が高いのが特徴です。
さらに驚くべきなのが、マネーブリッジは普通預金扱いのため、
- ペイオフにより1,000万円までは政府が補償
- いつでも自由に入金・出金できる(ペナルティなし)
- 楽天銀行に入金するだけで自動的にマネーブリッジで運用できる
というメリットがあります。
マネーブリッジの詳細は下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
あわせて読みたい:
マネーブリッジのメリット・デメリット!楽天証券と楽天銀行の連携で金利倍増
外貨建てMMFというものもある
しかし、すべてのMRFやMMFがダメというわけではないです。MMFの中には「外貨建てMMF」というものがあり、安全資産で運用するMMFの仕組みを米ドルや豪ドルといった外貨で実現した商品があります。
これらの商品は、外貨預金に近いですがまだまだ利用価値はあります。私は米国株への投資も行っているので、その待機資金を米ドル建てMMFで運用していました。
円建てのMMFとは違い「外貨建てMMF」はいつでも解約自由です。(ペナルティなし)
また、米国国債などの安全な短期債券で運用するため、アメリカの金利が上がるタイミングでは非常にメリットの大きい投資先です。
ペナルティなしで、外貨定期預金と同等の金利で運用できるのが、外貨建てMMFの強みです。
外貨建てMMFについてはこちらの記事で解説しています。
外貨建てMMFと外貨預金の違い!サルでもわかるMMF入門
よくわからなければやはり定期預金
MRFやMMFは安全な商品ですが、一般的な認知度は低いです。また、元本保証もないので、よくわからなければやはり定期預金を選ぶのが一番よいと思います。
最近はネット銀行を中心に、高金利な定期預金や1ヶ月未満など短期の定期預金も登場しています。
参考記事:
10年定期預金の利率ランキングTOP10
2週間定期預金金利ランキング
あえて証券口座を解説してMRFやMMFでの運用に乗り出さなくても、定期預金で十分に安定した運用を行うことは可能です。
