未成年がクレジットカード代わりに作れるデビットカード 学生向けの安全な使い方とは

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高校生

クレジットカードを作れない未成年や学生でも、デビットカードなら15~16歳から審査なしで発行できます。海外留学や旅行、現金よりも安全におこづかい管理をしたい人におすすめです。

デビットカードとは、決済すると銀行口座から即時引き落としされるカードです。口座残高以上の支払いができないため、安心して利用できます。

盗難や不正利用の補償もあるため、財布を盗まれたら戻ってこない可能性が高い現金より安全です。

子どももより安心してデビットカードを使う方法を解説し、未成年におすすめのデビットカードを5つに絞って解説します。

学生がデビットカードを安全に使える理由

この記事を読んでいるのが親御さんなら、「子どもにデビットカードを持たせて本当に大丈夫?」と不安かもしれません。

デビットカードの使い方は、クレジットカードとほぼ同じです。実店舗だけでなくネットショッピングにも利用できます。

しかし、クレジットカード以上に安全に、使いすぎることなく支払える仕組みなので、未成年も安心して使えます。

口座残高を超えた支払いはできない

デビットカードは即時払い

デビットカードは口座残高からの即時引き落としで支払うため、残高を超える決済はできません。クレジットカード破産のようなリスクはありません。

クレジットカードは1ヶ月分の利用総額を翌月に後払いするため、決済時点で口座残高が0円でも支払えてしまいます。そのため、お金を使いすぎてしまう可能性があります。

デビットカードなら所持金以上のお金を使えないため、常に口座残高を確認しながら支払うクセがつきます。財布の所持金を確認しながら、現金払いするのに近い感覚で使えます。

クレジットカードを持つ前にキャッシュレス決済教育をするのにも、デビットカードは最適です。

毎月のおこづかいを銀行口座に入金して渡せば、その範囲内でやりくりする力が身につきます。

分割払い・リボ払い・キャッシング機能はなし

デビットカードには、クレジットカードにあるような分割払いやリボ払い、キャッシング機能はありません。常に一括払いで、そのときの所持金の範囲内で支払います。

クレジットカードの分割払いやリボ払いは、1ヶ月のカード利用代金を少なく抑えられるぶん、お金を使いすぎる原因になりやすいです。

クレジットカードをリボ払いで利用していることに気づかず、知らないあいだに利息が膨れ上がるトラブルもよくあります。

リボ払い非対応のデビットカードなら、そのような事態にはなりません。

キャッシングは、クレジットカードで行う借金です。融資サービスのなかでも非常に金利が高いため、計画的に利用する必要があります。

デビットカードの機能は「口座残高から一括払い」のみなので安心です。

利用限度額設定でより安全

デビットカードの使いすぎ防止に便利なのが、利用限度額の設定です。

デビットカードを発行すると、買い物1回の利用限度額や、1日もしくは1ヶ月の利用限度額を自由に設定できます。発行元の銀行のネットバンキングサービスを使えば、スマホからいつでも変更できます。

利用限度額を低めに設定し、使いすぎないようにしておけば、計画的にデビット決済を利用できます。

▼三井住友ダイレクトアプリ デビットカード利用限度額を少なく設定した例
三井住友ダイレクト デビットカード利用限度額設定

利用限度額を下げておくと、デビット決済の使いすぎ防止だけでなく、万が一の不正利用被害を少なく抑えることもできます。

たとえば、1日のデビット利用限度額を1万円に設定していれば、デビットカードを落としたり財布を盗まれたりしても、1日1万円までしか被害に遭いません。

デビットカードの不正利用補償を受けるまでのあいだ、お金がなくて困る事態を避けられます。

不正利用補償あり

デビットカードには、不正利用の補償がついています。カードの紛失や盗難で他人にカードを使われても、損害額は返金されます。

子どもに持たせるカードとして人気のプリペイドカードは、不正利用補償がありません。紛失したり盗まれたりすると、お金は戻ってきません。デビットカードなら、万が一に備えながら毎日使えます。

デビットカードの不正利用補償の範囲は年間100万円程度、補償が手厚いデビットカードなら年間500万円ほどです。学生には十分な補償額だと思います。

ただし、以下の場合は補償の対象外となる可能性があります。事前に子どもと共有しておくと安心です。

■デビットカードの不正利用補償を受けられないケース例

  • 不正利用から1~2ヶ月以上経っている
  • カード裏面にサインしていなかった
  • 他人にカードを貸したり暗証番号を教えたりした

デビットカードの不正利用補償は、対象期間が決まっています。これはクレジットカードと同じ特徴です。

期間は金融機関によりますが、「銀行が不正利用被害の届け出を受理した日から60日前まで」という条件が一般的です。つまり、被害から2ヶ月以上経っていると、返金されない可能性が出てきます。

身に覚えのない支払履歴がある場合は、すぐにカスタマーセンターへ連絡することをおすすめします。

また、「利用者に過失がある」と判断された場合も、補償対象外となります。カード裏面に署名がなかったり、他人にカードを貸したりすると、自己責任になってしまいます。

デビットカードを自分でしっかり管理し、被害に気づいたらすぐ銀行へ連絡することが重要です。

決済直後に利用通知メールが届く

デビットカードは、決済完了後すぐに利用通知メールが届きます。身に覚えのない利用通知メールが届いたら、すぐに不正利用に気づけます。

▼例:楽天銀行 デビットカード利用通知メール
楽天銀行 デビットカード利用通知メール

デビットカードによって、メール通知内容は異なります。楽天銀行のように金額のみ通知する場合もあれば、利用店舗名も記載される場合もあります。「デビット利用があった」という旨しか通知しない銀行もあります。

銀行によっては、利用通知メールを複数登録できます。親と子どものメールアドレスを両方登録しておけば、家族で利用状況を共有できます。

ショッピング保険つきの場合も

一部のデビットカードには、ショッピング保険も付帯しています。年会費有料のデビットカードに多い保険ですが、年会費無料で付帯するカードもあります。

ショッピング保険とは、カード決済で購入した商品が壊れたり、盗難に遭ったりした際に、購入代金の一部を返金してもらえる補償です。

補償期間や金額は、銀行によって異なります。たとえば「イオン銀行キャッシュ+デビット」というデビットカードでは、購入日から180日間、年間50万円(税込)までの補償がつきます。

対象となるのは、購入金額が5,000円から50万円です。レシートが残っていないと補償を受けられない場合があるので、ショッピング保険ありのデビットカードを使う際は保管しておくことをおすすめします。

使い方はクレジットカードと同じ

VISAで払います

デビットカードの支払方法は、クレジットカードと同じです。コンビニやファーストフードなどの実店舗でも、Amazonや楽天市場などのネット通販でも利用できます。

デビットカードの使い方
実店舗での支払い
クレジットカードが使えるお店か確認し、店員さんに「カード払いで」「VISAで」と伝えてカードを渡す。タッチ決済できる店舗なら、端末にカードをかざすだけで支払える。
ネットショッピングでの支払い
支払方法で「クレジットカード決済」を選び、デビットカードに記載されている16桁のカード番号・有効期限などを入力。残高が足りていれば、すぐに決済完了。

カードが使えるお店の多くは、レジにVISAやJCBなどのロゴマークを掲示しています。自分が持っているデビットカードのブランドロゴがあれば支払えます。

よくわからなければ「カードは使えますか」と尋ねればOKです。「VISA・Mastercard・JCBが使えます」など教えてもらえます。

決済を実行するお店は、クレジットカードとデビットカードを区別せず「VISA決済」「JCB決済」のように処理します。お店で支払う際に「デビットカードで」とわざわざ伝える必要はありません。

また、デビットカードは海外でも利用できます。子どもの海外留学や旅行などに、デビットカードを用意するのもおすすめです。

エンタメ系サービスは継続課金できないことも

少数ながら、クレジットカード決済はできるもののデビットカード不可のサービスがあります。

未成年も利用するサービスのなかでは、音楽・動画配信サイトマンガ読み放題サイトといった継続課金サービスは、デビット決済できない場合があります。

利用したい継続課金サービスがある場合は、事前に銀行の公式サイトでチェックしたり、問い合わせたりしておくと安心です。

特に、大手銀行のデビットカードは、利用できない継続課金が多い傾向にあります。ネット銀行のデビットカードは、業界のなかでも継続課金サービスへの対応に積極的です。

未成年のデビットカードの作り方

デビットカードは銀行が発行するため、カード発行申し込みには口座開設が必要です。

キャッシュカード機能がついたデビットカードを扱う銀行なら、口座開設するだけでデビットカードも発行できます。

ネットから口座開設する際は、キャッシュカードの種類を選ぶ画面で「デビット機能付きキャッシュカード」を選択すればOKです。

▼例:住信SBIネット銀行の口座開設画面
住信SBIネット銀行キャッシュカード選択画面

デビットカードを持てるのは、15歳もしくは16歳以上からです。この年齢なら、親の同意なしで口座を作れる銀行が大半です。

子ども向けにも使えるデビットカード5選

子ども用デビットカードを選ぶ際は、以下の比較ポイントを確認することをおすすめします。

■未成年のデビットカードの選び方

  1. 年会費無料
  2. ATMが使いやすい
  3. 不正利用補償がしっかりある

近年は年会費無料のデビットカードが主流ですが、年会費がかかるデビットカードもあります。学生が初めて持つデビットカードなら、まずは年会費無料のものから始めるのがよいと思います。

また、デビットカード発行元の銀行で利用できるATMのチェックもしておくと安心です。自宅や学校の近くにあるATMが無料で使える銀行だと、手軽に現金をおろすことができます。

安全なデビットカードを使いたいなら、不正利用補償の限度額が高い銀行を選ぶのもおすすめです。

これらのポイントをおさえ、未成年におすすめのデビットカードを5つに絞ってみました。おもに国内利用を想定して選んでいます(→海外利用向けデビットカードの比較はこちら)。

PayPay銀行 Visaデビット

PayPay銀行 Visaデビットカード

とにかく安全性重視の人向け

  • 不正利用補償額は年間500万円
  • 安全にネットショッピングできるカードレスVisaデビットも利用可能
  • PayPayと好相性

PayPay銀行は国内初のネット銀行で、セキュリティ対策や補償の手厚さに定評がある銀行です。デビットカードの不正利用補償は、業界トップクラスの年間500万円です。

利用できるATMも多く、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートのATMがすべて使える点も便利です。

PayPay銀行では、プラスチックカードのデビットカードだけでなく、ネットショッピングに使える「カードレスVisaデビット」も発行できます。

カードレスVisaデビットとは、カード番号を使い捨てられるバーチャルデビットカードです。ネット通販で決済したあとにカード番号を無効にすれば、万が一カード番号が流出しても口座まで辿り着けません。

→PayPay銀行のカードレスVisaデビットの使い方はこちら

また、PayPay銀行は「PayPay」ともっとも相性のよい銀行です。口座残高からPayPayにチャージできるだけでなく、PayPay残高を銀行口座に無料で払い戻せます。

PayPay銀行以外の銀行だと、PayPay残高を銀行口座に払い戻す際に出金手数料がかかります。

デビットカードだけでなく、スマホ決済も使いこなしたい人におすすめです。

PayPay銀行の使い方はこちら

セブン銀行デビット付きキャッシュカード

セブン銀行トラディショナルカード

セブンイレブンユーザーのマストカード

  • 不正利用補償額は年間500万円
  • 電子マネーnanaco機能も付帯
  • ATM手数料に注意

セブンイレブンでよく買い物するなら、セブン銀行のデビットカードがおすすめです。不正利用補償が手厚いデビットカードのひとつです。

セブン銀行デビットカードには、電子マネーnanaco機能もついています。nanacoカードは単体で発行すると手数料が300円かかりますが、セブン銀行のデビット付きキャッシュカードなら無料で申し込めます。

セブン銀行のデビットカードは、利用代金に応じてnanacoポイントが還元されます。通常還元率は0.5%ですが、セブンイレブンで利用すると還元率が2倍になり、1.0%還元で利用できます。

また、セブンイレブンでは「nanaco決済で20ポイントプレゼント」のような、nanaco決済のキャンペーンをよく行っています。キャンペーン時はnanaco決済、ふだんはデビット決済と使い分けるのもおすすめです。

セブン銀行のデビット付きキャッシュカードは、もちろんセブン銀行ATMも使えます。7時から19時は無料ですが、それ以外の時間帯はATM手数料がかかります。

早朝や夜間にATMを使う機会が多い人は、少し注意が必要です。そのかわり、土日祝日も7時から19時のあいだならATM手数料はかかりません。

イオン銀行キャッシュ+デビット

イオン銀行キャッシュ+デビット

イオン系列店をよく使う人向け

  • 年間50万円のショッピング保険つき
  • 電子マネーWAON機能も付帯
  • 無料で使えるATMが多い

イオンモールやマックスバリュをよく使う人は、イオン銀行キャッシュ+デビットがおすすめです。デビットカード機能・キャッシュカード機能にくわえ、電子マネーWAON機能も付帯しています。

イオン系列店では、「WAON決済でポイント2倍」「対象商品を買うとボーナスポイント獲得」など、WAONポイントのキャンペーンをよく行います。デビットカードとWAONカードを1枚で持ち歩いておくと便利です。

また、イオン銀行キャッシュ+デビットは、年会費無料のデビットカードのなかではめずらしくショッピング保険が付帯しています。安全に買い物をしたい人にも向いています。

イオン銀行キャッシュ+デビットは、イオン銀行ATMが24時間いつでも無料で使えます。三菱UFJ銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行も平日日中は無料で、他行ATMの手数料優遇も充実です。

イオン銀行の提携ATM

イオン銀行の使いこなし方はこちら

あおぞら銀行BANK Visaデビット機能付きキャッシュカード

あおぞら銀行BANKキャッシュカード

自動の積立貯金サービスでお金も貯まる

  • 自分でルールを設定する積立貯金が便利
  • 月1回でもデビット決済すると振込手数料の優遇あり
  • ゆうちょ銀行ATMを無料で使える

全国に店舗を持つあおぞら銀行には、「BANK」というインターネット専用支店があります。近くに支店がなくてもネットから口座開設できるため、多くの人がBANKで口座開設しています。

キャッシュカードにはVISAデビット機能が標準付帯しているため、口座開設すると自動的にデビットカードに申し込めます。

BANKで口座を開設すると、「The Savings」という貯蓄預金サービスを無料で利用できるメリットもあります。自分で貯金目標や積立ルールを設定し、コツコツと積立貯金ができるサービスです。

貯金ルールを設定すると、普通預金口座から貯蓄預金にお金を自動振替します。貯金が苦手な人も、自然とお金が貯まる仕組みです。卒業旅行のための貯金などに便利です。

▼あおぞら銀行BANK「The Savings」積立ルール設定画面
The Savings設定画面

あおぞら銀行BANKのデビットカードを月に1回でも使うと、翌々月は他行宛振込手数料が1回無料になります。ネット通販で銀行振込みも手軽に利用できるようになります。

また、あおぞら銀行のキャッシュカードは、全国のゆうちょ銀行ATMをいつでも無料で使えます。近所にゆうちょ銀行がある人は、手軽に入出金できます。

あおぞら銀行BANKの口座開設・使い方はこちら

三井住友銀行 SMBCデビット

SMBCデビット

メガバンク唯一の年会費無料デビットカード

  • 海外限定のショッピング保険あり
  • キャッシュカードとデビットカードを別々に発行できる

大手銀行でデビットカードを発行したい人は、三井住友銀行の「SMBCデビット」がおすすめです。みずほ銀行のデビットカードは年会費有料ですが、三井住友銀行は完全無料です。

SMBCデビットには、海外専用のショッピング保険「お買物安心保険」が付帯します。海外でデビット決済した商品が、破損したり盗まれたりした際、購入日翌日から90日まで補償されます(1事故につき自己負担3,000円)。

デビット機能付きキャッシュカード(一体型)と、デビットカード単体の発行を選べるので、キャッシュカードとデビットカードを別々に管理したい人にも向いています。

■ゆうちょ銀行のデビットカードに注意

大手銀行のなかでは、ゆうちょ銀行もデビットカードを発行しています。しかし、あまりおすすめできません。

通常のキャッシュカードには「J-debit」という日本規格のデビット機能がついています。使えるお店が極端に少なく、ネット通販や海外でもいっさい利用できません。

デビットカードが審査なしで発行できる理由

デビットカードが未成年でも審査なしで発行できる理由は、銀行口座の範囲内でしか支払えないからです。

クレジットカードはつけ払い(後払い)の仕組みなので、「翌月に利用総額を支払う能力・信用力があるかどうか」を審査する必要があります。そのため、年齢制限も18歳以上と高めです。

審査によって一定の信用力を認められば、後払いのショッピング利用にくわえ、分割払いやキャッシングといったサービスの利用枠も与えられる、という仕組みです。

信用力の低い人にクレジットカードを発行し、破産されるとカード会社の損失となります。

そのため、カード会社は「破産リスクの少ない人にのみカードを持ってほしい」と考えています。

デビットカードは銀行口座の残高から直接支払うため、クレジットカードのように発行元の損失となることがありません。利用者としても、いわゆるカード破産や支払い地獄といった危険性がありません。

デビットカードの発行可能年齢がクレジットカードより若いのも、安全な支払い方法だからです。

デビットカードの疑問あれこれ

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
ネット銀行100の活用術の初代管理人です。低コストで便利なネット銀行を、多くの人に知ってもらうため、2012年にサイトを立ち上げました。貯金の方法やお金に関する知識をわかりやすく解説します。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年7月20日 更新)

ありがとうございます。

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