ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けとは 利用状況の確認と融資停止の申込み方法

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付け

ゆうちょ銀行で特定の定期預金を利用すると、貯金担保自動貸付けというサービスを利用できます。

預金残高が足りなくても、不足額は自動融資という形で出金できます。利息はつきますが、カードローンと比べ物にならないほど低金利です。急にお金が必要になったときに便利です。

しかし、貯金担保自動貸付けには、デメリットもあります。まず、担保として定期貯金・定額貯金に預金の必要があり、預金ゼロだと利用できません。

期限内に返済できないと、定期貯金や定額貯金は強制的に解約となります。急な出費に備えるなら、融資を受けずにすむよう貯金するほうがおすすめです。

今回は、貯金担保自動貸付けの使い方と、お得な代替案を解説します。

前提:定期貯金・定額貯金の解約のほうが望ましい

中年男性

貯金担保自動貸付けを利用すると、カードローンより低金利とはいえ、利息がかかります。

預入時と返済時の貯金金利が同じだと、損です。「約定金利+0.250%」のように、従来の金利に上乗せする形で利息がつくからです。

基本的には、まず定期貯金の解約を検討するのをおすすめします。

定期貯金を途中解約すると、当初予定利率より利息は減ります。けれども、元本割れはしません。

それを知ったうえで「残高不足でも、お金を引き出す必要があるときに備えたい」という人に、貯金担保自動貸付けは向いています。

貯金担保自動貸付けの仕組み

電卓

貯金担保自動貸付けとは、その名のとおり「貯金を担保に、自動的にお金を借りる」サービスです。具体的には、残高不足時に、不足分の金額を自動的に融資します。

ゆうちょ銀行の普通貯金残高を超える金額を、ATMから引き出せば、自動的に融資を実行します。通帳では「-1,500円」のように、不足分の金額がマイナス表記となります。

以下いずれかの貯金にお金を預けると、貯金担保自動貸付けを利用できます。

■貯金担保自動貸付の担保にできる貯金

  • 担保定期貯金
  • 担保定額貯金

※一般的な銀行の「預金(よきん)」サービスを、ゆうちょ銀行では「貯金(ちょきん)」と呼びます。

担保「定期」貯金は、満期を3ヶ月以上5年以下から選んで申し込みます。満期後は、そのまま預け入れ続けるか、解約して通常貯金(普通預金)に振り替えるか選べます。

もう一方の、担保「定額」貯金は、6ヶ月以上経ったらいつでも引き出せます。最長10年間まで預けられます。

→担保定期貯金と担保定額貯金の違いはこちら

かつては、財産形成貯金担保貸付け(担保が財形貯蓄)や、国債等担保自動貸付け(担保が国債)という、似たサービスもありました。どちらも、2019年3月に新規受け付けを終了しました。

メリットは圧倒的な低金利

貯金担保自動貸付けのメリットは、非常に低金利でお金を借りられる点です。

貯金担保自動貸付けの金利
担保定額貯金
返済時の約定金利+0.250%
担保定期貯金
預入時の約定金利+0.500%

記事執筆時点では、定期貯金・定額貯金の約定金利は年0.01%です。担保定期貯金で借り入れた金額に対し、年0.51%の利息が発生する計算です。担保定額貯金の利息は年0.26%と、さらに低金利です。

一般的なカードローンやクレジットカードキャッシングは、年率18.0%のものも多くあります。それに比べると、貯金担保自動貸付けは、利息を少なく抑えられます。

貯金担保自動貸付けが低金利な理由は、預け入れたお金を担保にするからです。

貯金担保自動貸付けで借りられるお金は、担保定期貯金もしくは担保定額貯金の、預入金額の90%(最大300万円)までです。預けているお金の9割以上は、融資を受けられない仕組みです。

ゆうちょ銀行にとっては、貸し倒れリスクが非常に低いため、低金利での融資ができます。

カードローンやクレジットカードキャッシングが高金利なのは、無担保ローンだからです。

担保がないぶん、貸し倒れリスクに備えるために、利息を多くしています。

返済期限は最長2年

貯金担保自動貸付けの返済期限は、最長2年です。ただし、満期が2年未満の担保定期貯金に預け入れると、満期までに返済しなければなりません。

例:担保定期貯金に満期6ヶ月で預け入れていたら、返済期限は6ヶ月以内

もし、返済期限を過ぎても返済しないと、定期貯金や定額貯金は自動解約となり、返済資金にあてることになります。

預入金額から、返済額と利息を差し引いた金額が、通常貯金に戻ります。

■例:50万円を担保定期貯金に預けていた場合

預入金額の9割にあたる45万円まで、貯金担保自動貸付けで借りられます。

45万円を借り、返済しないまま2年を過ぎると、ゆうちょ銀行が担保定期貯金を解約し、返済資金にあてます。

記事執筆時点の金利だと、利息は1,159円になります。通常貯金には、借りたお金45万と利息1,159円を差し引いた、48,841円が戻ってきます。

貯金担保自動貸付けの返済方法は、ゆうちょ銀行の通常貯金(普通預金)に入金するだけです。いつもどおり、ATMにキャッシュカードを入れて預け入ればOKです。

返済回数や月々の返済額などは、決まっていません。一度で完済しても、毎月少しずつ返済してもOKです。

利息は、日割り計算で増えていきます。1日でも早く完済すると、返済額を少なく抑えられます。

ゆうちょダイレクトで可能な手続き

ゆうちょ銀行のネットバンキングサービス「ゆうちょダイレクト」や「ゆうちょダイレクトプラス」でも、貯金担保自動貸付けは利用できます。

ゆうちょ銀行の基本のネットバンキングは、ゆうちょダイレクトです。

ゆうちょダイレクト入会済みの人が、紙通帳からWeb通帳に切り替えると、ゆうちょダイレクトプラスに移行します。ゆうちょダイレクトプラスは、通帳を持たず、ネット銀行のように利用します。

→ゆうちょダイレクトプラスの詳しい解説はこちら

ただし、どちらのネットバンキングを使うかによって、ネットから利用できる取引は違います。少しややこしいです。

■ゆうちょダイレクトとゆうちょダイレクトプラス 貯金担保自動貸付けで利用できるサービスの違い

取引内容 ゆうちょダイレクト ゆうちょダイレクトプラス
定期貯金の預け入れ 可能 可能
定期貯金の払い戻し 不可 可能
定額貯金の預け入れ 可能 不可
定期貯金の払い戻し 不可 可能

ゆうちょダイレクトは、担保定期貯金・担保定額貯金どちらにも預け入れられます。ゆうちょダイレクトプラスは、担保定額貯金しか申し込めません。

そのかわり、ゆうちょダイレクトプラスは、ゆうちょダイレクトではできない「払い戻し」が可能です。

定期貯金・定額貯金をどちらも使う人は、ゆうちょダイレクトがおすすめです。スマホから払い戻し手続きをしたい人は、ゆうちょダイレクトプラスが合っています。

知っておくべきデメリット

低金利で返済しやすい貯金担保自動貸付けには、デメリットもあります。

そもそも自動貸付は「借金」という点も考えると、積極的に使うのはおすすめできません。

担保の貯金がないと利用できない

貯金担保自動貸付けは、担保定期貯金か担保定額貯金に預金しないと、利用できません。当たり前ですが、預金ゼロの人は使えないサービスです。

カードローンのように、貯金で足りない分を借りるような使い方には、不向きです。

貯金の習慣がある人が、残高不足に備えて担保定期貯金・担保定額貯金を選ぶ、くらいの使い方がおすすめです。

窓口でしかできない手続きあり

ゆうちょ銀行

貯金担保自動貸付けの種類によっては、ネットバンキングサービスで利用できない手続きがあります。

以下の場合は、ゆうちょ銀行の窓口に行く必要があります。

貯金担保自動貸付け 窓口でしかできない手続き

■ゆうちょダイレクト利用中

  • 通常口座への払い戻し(定期貯金・定額貯金どちらも)

■ゆうちょダイレクトプラス利用中

  • 担保定額貯金への預け入れ

ゆうちょ銀行の貯金窓口は、原則平日の日中しか開いていません。多くの支店では、9:00~16:00で営業終了です。

平日に働く社会人や、育児でなかなか外出できない人は、足を運びづらいと思います。

窓口での手続きでは、通帳・銀行印・本人確認書類が必要です。

貸付期間が短い

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けは、貸付期間が最長2年です。カードローンやキャッシングと比べると、返済期間が短めです。

少額の借り入れなら問題ありません。しかし、大きな金額を借りると、短期間でどんどん返済せねばならず、負担が大きくなります。

■返済期間の月々の返済金額の比較

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けと、三菱UFJフィナンシャル・グループのアコムカードローンで、100万円を借りるとします。

ゆうちょ銀行では、2年間で完済するために、1ヶ月あたり8万円以上を返済する必要があります。

一方、アコムの返済期間は、最長9年7ヶ月です。100万円を5年間で完済すれば、毎月約2万円の返済で済みます。

上記のように、貯金担保自動貸付けで大きな金額を借りると、返済で家計を圧迫します。ボーナス払いなどで、一括完済できる見込みがない限りは、おすすめできません。

貯金担保自動貸付けは、早めに完済できる少額の借り入れに向いています。

ゆうちょダイレクトから定期・定額貯金に申し込むと「担保あり」になる

驚く男性

ゆうちょ銀行には、貯金担保自動貸付けにならない、ふつうの「定期貯金」「定額貯金」もあります。

しかし、ゆうちょダイレクトから申し込めるのは、担保定額貯金・担保定期貯金のみです。

ゆうちょダイレクトのメニューには「定額貯金・定期貯金」と書いてありますが、正確には「担保定額貯金・担保定期貯金」です。

スマホやパソコンから定期貯金・定額貯金を利用中の人は、通常貯金の残高が足りなくても、貯金担保自動貸付けで出金できてしまいます。

知らずに残高不足の状態が続くと、担保定期・定額貯金の満期時に、融資金・利息を差し引かれます。本来受け取れる預金が、大きく減る可能性もあります。

自動貸付かどうか確認する方法

利用中の定期・定額貯金が担保付きかどうか確認するには、通常貯金の残高をチェックします。

通常貯金の残高がマイナスになっていたら、貯金担保自動貸付けでお金を借りている状態です。

心配な人は、記帳やゆうちょダイレクトへのログインで、残高確認をおすすめします。

前述のとおり、ゆうちょダイレクトから預けた定期貯金・定額貯金は、例外なく担保つきです。

貯金担保自動貸付けの停止方法

貯金担保自動貸付け機能は、窓口で停止手続きが可能です。

窓口で「定期貯金の貸付機能を停止したい」と伝えると、停止申請書類を受け取れます。そこに記入し、手続き依頼します。

▼担保定額・定期貯金自動貸付取扱変更依頼書
担保定額・定期貯金自動貸付取扱変更依頼書

当日、必要なものは通帳と銀行印です。口座が古いと、本人確認書類が必要な場合もあります。

通常の定期貯金は窓口でしか申し込めない

銀行の窓口

ゆうちょ銀行には、担保機能がついていない定期貯金・定額貯金もあります。しかし、預け入れや解約が窓口でしかできません。

ゆうちょ銀行の定期・定額貯金は、通常貯金とは別に通帳を発行し、異なる口座番号で管理するからです。金利も非常に低く、利用するメリットは低いです。

関連記事:ゆうちょ銀行の定期預金金利は本当にお得?他の銀行と比べてみた

ゆうちょ銀行以外のほとんどの銀行は、ネットバンキングから定期預金に申し込めます。メガバンクだけでなく、最近は地方銀行でもネットバンキングが広まっています。

特にネット銀行の定期預金は、ゆうちょ銀行の数十倍も高い預金金利です。長期で貯蓄すると、利子の差が大きくなります。

貯金用口座を持つなら、ネット銀行がおすすめです。

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FP(ファイナンシャルプランナー)のライター。メガバンクとネット銀行の使い分け、投資、スマホ決済でのポイ活などで資産形成中。難しそうな金融の話を、わかりやすく解説します。

より良い情報をお届けするため、一条まつこ がメンテナンスを担当いたしました。(2019年10月9日 更新)

ありがとうございます。

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