【貯金編】初めてのネット銀行の選び方 比較すべきは金利だけではない
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初めてネット銀行を検討する人向けに、貯金用口座としてのネット銀行の選び方をわかりやすく解説します。
貯蓄用口座を選ぶ際は、預金金利の高さを重視する人が多いと思います。しかし、メインバンクと別の口座で貯金する際は、口座間の資金移動のしやすさも重要です。
ネット銀行を使い込み日々研究する管理人が、より自分に合う1行を選ぶ方法をまとめました。
フローチャートを用意し、自分の重視したいポイントに沿って銀行を選べるようにしています。
目次
貯金用口座選びの2つのポイント
貯金用口座を選ぶ基準は、預金金利だけではありません。まずは、以下2点どちらを重視するかを考えます。
■貯金用口座を選ぶポイント
- 預金金利の高さ
- 資金移動のしやすさ
ネット銀行で口座開設する人の多くは、預金金利の高さを重視します。ネット銀行の預金金利は、大手銀行や地方銀行の何十倍、何百倍も高いからです。
しかしネット銀行には、他行から資金移動しやすいというメリットもあります。銀行によっては、メインバンクから貯金用口座へ、毎月自動で資金移動できます。
貯金が苦手な人は、貯金のためのお金の移動を自動化したほうが、結果的にお金が多く貯まるかもしれません。
ネット銀行の選び方を、重視ポイントごとにフローチャートでまとめます。
預金金利重視の場合
とにかく預金金利が高い銀行で貯蓄したい人は、以下の流れで検討することをおすすめします。
大口円定期ならオリックス銀行
円定期預金の金利がもっとも高いネット銀行は、オリックス銀行です。ネット銀行ファンのあいだでは「定期預金のためのネット銀行」とも呼ばれる、有名な一行です。
ただし、オリックス銀行の定期預金は、最低預入金額が大きめです。最低でも50万円からしか預け入れられません。
■オリックス銀行 定期預金の最低預入金額
預入期間 | 最低預入金額 |
---|---|
2週間 | 50万円 |
1年 | 100万円 |
3年 | 100万円 |
5年 | 100万円 |
7年 | 100万円 |
また、オリックス銀行はキャッシュカードを発行しない、特殊な銀行です。入出金は、他行を経由した振り込みを行う必要があります。
たとえば、オリックス銀行で貯金したお金を使いたいときは、まず自分名義の別口座宛に振り込みます。現金として使う際は、別口座の銀行キャッシュカードで引き出します。
例:オリックス銀行から三菱UFJ銀行へ振り込み、三菱UFJ銀行のキャッシュカードで引き出す。
オリックス銀行から他行宛の振り込みは、月2回まで無料です。ただし、他行からオリックス銀行へ振り込む際は、他行所定の振込手数料がかかります。
メガバンクや地方銀行は、他行宛振込手数料が高めです。入金時に手数料がかかることがデメリットだと感じる人には、オリックス銀行は不向きです。
銀行の優遇プログラムで他行宛振込手数料が無料の人など、他行宛振込手数料がかからない人にとっては、非常に使いやすいネット銀行といえます。
キャッシュカードがないため、気軽に残高を引き出せない点は貯蓄向けだと思います。
少額からOKのあおぞら銀行BANK
50万円未満から貯蓄を始める予定で、残高を引き出さないようにしたい人は、あおぞら銀行BANKがおすすめです。
あおぞら銀行BANKとは、全国展開するあおぞら銀行のインターネット専業支店です。オリックス銀行にも迫る預金金利で、ネット銀行と比較されることが多いです。
最大のメリットは、普通預金金利が年0.2%という好金利です。ネット定期の相場を上回る預金金利で、普通預金を利用できます。
少額から少しずつ貯金していきたい人は、あおぞら銀行BANKの貯蓄預金サービス「The Savings」が向いています。
The Savingsでは、貯金目標や貯金ルールを柔軟に決め、積立貯金ができます。あとは貯金ルールにしたがい、普通預金から貯蓄預金へ自動的に積み立てられます。
▼The Savings 貯金ルール設定画面
The Savingsで積立中の残高も、普通預金金利が適用されます。預金額が増えるほど、メガバンクとは比較にならないほど利息が増えます。
注意点は、The Savingsを利用するためには、あおぞら銀行BANKの普通預金に残高が必要な点です。他行の口座から、直接あおぞら銀行BANKへ積み立てることはできません。
あおぞら銀行を給与振込口座にできればベストです。そうでない場合は、給与振込口座からあおぞら銀行へ資金移動する手間がかかります。
積立のための資金移動が手間なら、一度にまとまった金額を預けるほうが楽かもしれません。
「今すぐ使わないお金で、緊急時にいつでも引き出せる貯金をしておきたい」という人に向いています。
日常使いも便利な楽天銀行・イオン銀行
貯金だけではなく、ある程度日常使いもできるネット銀行がよいなら、楽天銀行とイオン銀行がおすすめです。
どちらも、所定の条件を満たすと普通預金金利が高くなり、大手銀行以上に利息を受け取れます。
楽天銀行は、「マネーブリッジ」というサービスを無料登録するだけで、普通預金金利が定期預金以上に引き上がります。
マネーブリッジとは、楽天銀行と楽天証券の口座を連携設定するサービスです。一度連携すれば、ずっと優遇金利が適用されます。
楽天証券の口座開設や、口座維持手数料は完全無料です。マネーブリッジで貯金するために楽天証券で口座開設し、あとは使わなくてもOKです。
楽天銀行で貯金し、楽天証券ではつみたてNISAやiDeCoを始めて老後に備える、という手もありです。
預金残高が増えると、ATM手数料や振込手数料の優遇も受けられるので、ふだん使いにも便利になります。
イオン系列店でよく買い物する人や、電子マネーWAONを使う人は、イオン銀行がおすすめです。普通預金金利を上げやすくなります。
イオン銀行キャッシュカードには、WAON機能やクレジット機能をつけられます。それらで買い物すると、ランク制優遇サービス「イオン銀行Myステージ」のステージが上がり、普通預金金利がアップします。
積立定期預金サービスも、イオン銀行Myステージのランクアップ対象取引です。貯蓄メインでイオン銀行を使う人も、ランクを上げやすいです。
定期預金で貯金し、普通預金は買い物などに利用、という使い分けも可能です。
ただし、イオン銀行Myステージの優遇金利は徐々に下がってきています。預金金利だけで比較すると、現在は楽天銀行のマネーブリッジのほうが有利です。
イオンでの買い物や電子マネーWAONを使う機会が少ない人は、楽天銀行のほうがおすすめです。
外貨預金もするならGMOあおぞらネット銀行
円預金だけでなく、外貨預金も行う予定なら、GMOあおぞらネット銀行がおすすめです。
GMOあおぞらネット銀行とは、あおぞら銀行とGMOインターネットグループが共同で設立したネット銀行です。外貨預金に力を入れているネット銀行として有名です。
GMOあおぞらネット銀行の外貨預金は、金利が高く、為替手数料は業界最低水準です。特に米ドルの為替手数料は低く、大手銀行の100分の1以下です。
円預金は「証券コネクト口座」というサービスを利用すると、高い金利で円預金が利用できます。楽天銀行の「マネーブリッジ」と同じく、証券口座と連携するだけで利用できます。
GMOあおぞらネット銀行の普通預金から、証券コネクト口座にお金を入れておくと、普通預金の100倍以上の金利で運用できます。外貨預金と円預金を、並行して貯金したい人に向いています。
資金移動のしやすさ重視の場合
貯金が苦手な人は、メインバンクから貯金用口座へ、自動で資金移動できるネット銀行がおすすめです。
具体的には、「自動入金サービス」を利用できるネット銀行が向いています。自動入金サービスとは、毎月他行から一定額を取り寄せるサービスです。
ネット銀行の自動入金サービスは、完全無料で利用できます。
他行から資金移動する一般的な方法は、銀行振込です。他行宛の振込みには振込手数料がかかりますが、自動入金サービスでの定額入金は無料です。
メガバンクにも、毎月他行へ振り込む「自動振込サービス」はあります。
しかし、他行宛振込手数料だけでなく、事務手数料もかかります。割高でおすすめできません。
自動入金サービスを利用できる一部のネット銀行には、相性のよい大手銀行があります。
以下のフローチャートに沿って、自分に合うネット銀行を探してみてください。
三菱UFJ銀行ユーザーはauじぶん銀行
auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同設立したネット銀行です。利用者はauユーザーが多いですが、他キャリア利用者も口座開設できます。
自動入金サービスが使えるほか、auじぶん銀行から三菱UFJ銀行への振込が完全無料で、三菱UFJ銀行からauじぶん銀行への振り込みもネットバンキングなら無料です。
auじぶん銀行は、給与振込口座が三菱UFJ銀行の人に向いています。auじぶん銀行で貯金したあと、メインバンクの三菱UFJ銀行へお金を移すのも簡単です。
auじぶん銀行は、1年定期に力を入れているのも特徴です。まとまったお金が貯まったら、定期預金に入れてより利息を増やすのもおすすめです。
また、auじぶん銀行の自動入金サービスを利用すると、手数料優遇サービス「じぶんプラス」の優遇がランクアップしやすくなります。
たとえば定額自動入金サービスを1回利用で、利用金額にかかわらずPontaポイントがたまります。
三井住友銀行ユーザーはPayPay銀行
給与振込口座が三井住友銀行の人は、PayPay銀行がおすすめです。
PayPay銀行は自動入金サービスが利用でき、自分名義の三井住友銀行宛の振り込みがいつでも無料です。
自動入金サービスを利用してPayPay銀行で貯蓄したあと、三井住友銀行に振り込めば、貯めたお金をメインバンクで使えます。
PayPay銀行は、唯一PayPayの出金手数料が無料の銀行です。PayPayユーザーにとってもおすすめです。
ただし、PayPay銀行の預金金利は、ネット銀行のなかではやや低めです。金利重視で選びたい人には、物足りないかもしれません。
金利も重視したいならイオン銀行
自動入金サービスが利用できるネット銀行のうち、預金金利が高いのはイオン銀行です。
イオン銀行を貯蓄のみで利用するなら、メインバンクから毎月定額を自動入金し、同額を積立定期預金に回す方法がおすすめです。
例:みずほ銀行からイオン銀行に毎月5万円を自動入金し、毎月5万円を積立定期預金に振り替える
イオン銀行の積立定期預金は、通常の定期預金より高めです。より効率的に利息を増やせます。
ただし、貯蓄以外の取り引きも多く行う人は、優遇サービス「イオン銀行Myステージ」でステージを上げれば、積立定期預金より高金利で普通預金を利用できる場合もあります。
記事執筆時点(2022年6月23日)で、普通預金金利を積立定期預金を上回るステージ「シルバーステージ」に到達するための取引例を考えてみました。
■シルバーステージに到達する取引例
- インターネットバンキング登録
- イオンカードセレクト(クレジット機能一体型キャッシュカード)を所持
- 積立定期預金を利用
万能な住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、ネット銀行No.1の預金残高を持つ大手ネット銀行です。近年は預金金利が下がりつつありますが、自動入金サービスが使えるので貯金用口座に便利です。
他行宛振込手数料が毎月1回、無条件で無料なので、どの銀行にも資金移動しやすいのがメリットです。メインバンクを問わず、万能に使えるネット銀行です。
さらに住信SBIネット銀行での取り引きが増えると、「スマートプログラム」という手数料優遇サービスのランクが上がります。ATM手数料・他行宛振込を最大で月20回ずつ無料にできます。
住信SBIネット銀行ユーザーには、ネット銀行最大手の「SBI証券」とあわせて利用する人が多いのも特徴です。
SBI証券は、NISAやiDeCoを初めて利用する人に人気です。いちばんの理由は、大手銀行より圧倒的に手数料が低いからです。
老後資金を貯めるために、NISAやiDeCoを利用したい人は、SBI証券とあわせて住信SBIネット銀行の口座も持っておくと便利です。住信SBIネット銀行とSBI証券は、口座間でスムーズに資金移動できます。
→住信SBIネット銀行の詳細、SBI証券との連携についてはこちら
海外旅行用の貯金はソニー銀行
ソニー銀行でも、自動入金サービスが利用できます。特に、海外旅行用の貯金をしたい人におすすめです。
ソニー銀行の外貨普通預金に残高がある状態で、ソニー銀行のVisaデビットを使い海外で決済すると、外貨預金から直接支払えます。両替手数料がかからず、お得にショッピング可能です。
▼ソニー銀行のデビット機能付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」
外貨預金残高をショッピングに使える銀行は珍しいです。ほとんどの銀行は、海外でデビット決済すると、円預金から引き落としとなり、所定の両替手数料がかかります。
ソニー銀行のVisaデビットは、海外で支払える通貨が10種類と多く、さまざまな旅行先で外貨支払いを利用できます。
■ソニー銀行 Visaデビット決済できる通貨
- 米ドル
- ユーロ
- 英ポンド
- 豪ドル
- NZドル
- カナダドル
- スイスフラン
- 香港ドル
- 南アランド
- スウェーデンクローナ
ソニー銀行の外貨預金は、口座残高が300万円以上になると、為替手数料が割安になります。Visaデビット支払時や、日本円で引き出す際のコストを下げられます。
外貨定期預金の金利も引き上がるため、まとまった金額を外貨預金で貯めたい人にも向いています。
口座使い分けテクの解説記事もあります:
銀行口座を使い分けて「自動化」すれば続く 貯金下手さんにおすすめの方法