年金受取口座におすすめの銀行と損する銀行 優遇や特典をフル活用すべし

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年金受取口座

一部の銀行では、年金受取口座に指定すると特典を受けられます。ATM手数料や振込手数料が無料になったり、預金金利が上がったり、日常生活が便利でお得になります。

ATM入出金や振込みの手数料は、1回につき100円から600円ほどかかります。手数料が高い銀行で支払い続けると、年間で数千円がムダになってしまいます。

今回は、年金受け取りの銀行口座はどこがいいか、わかりやすく解説します。銀行の優遇サービスをフル活用する方法もまとめています。

これから年金を受給する予定の人だけでなく、すでに受給中の人にも、参考にしていただければと思います。

記事の最後には、年金受取口座の変更方法も説明しています。

※金利やキャンペーンの内容等は、記事執筆時点(2022年5月18日)の情報です。

年金受け取りの優遇がある銀行

比較

年金受け取りによる優遇がある銀行は、大手銀行から地方銀行、ネット銀行までさまざまです。

主要銀行のなかで、年金受け取りの優遇がある銀行と、特典がない銀行を分けてみました。

■年金受け取りの特典がある銀行

  • 三井住友銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • ゆうちょ銀行
  • イオン銀行
  • 楽天銀行
  • 住信SBIネット銀行

■年金受け取りの特典がない銀行

  • みずほ銀行
  • ソニー銀行

メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)のなかで、年金受け取りの優遇があるのは、三井住友銀行と三菱UFJ銀行です。

三井住友銀行を年金振込口座に指定するだけで、三井住友銀行と三菱UFJ銀行のATMの手数料が無料になります。コンビニATMも月2回まで無料で利用でき、手数料の節約になります。

ゆうちょ銀行は、「年金新規お受取りキャンペーン」を毎年行っています。しかし、確実に特典をもらえるのは初回のみで、ほかの銀行に比べてお得度は低めです。

ゆうちょ銀行の年金受取口座指定の初回特典は、約1,000円相当の粗品や割引券です。

2022年は、台所用洗剤やルーペなどから選べるようでした。わざわざ特典目的で申し込む必要はないと思います。

1,000円くらいなら、ATM手数料が数回無料になるだけで回収できます。

ネット銀行のイオン銀行は、ATM・振込手数料だけでなく、預金金利の優遇があります。メガバンクの数十倍から数百倍の金利になる場合もあります。

特にシニアの方におすすめなのは、イオン銀行です。優遇内容を簡単にグレードアップでき、イオングループでの買い物割引も使えます。

信用金庫や労働金庫はおすすめできない

信用金庫

信用金庫や労働金庫など、銀行以外の金融機関で年金を受け取る人もいます。

個人的には、銀行以外での年金受け取りはおすすめできません。信用金庫や労働金庫は、利用できるキャッシュレス決済の幅が狭まるからです。

消費増税を受け、今まで現金派だった人も、キャッシュレス決済にシフトしてきています。信用金庫や労働金庫は、ほとんどのスマホ決済アプリに登録できません。

2019年秋からサービスが開始された「Bank Pay」というスマホ決済アプリは、信用金庫や労働金庫にも対応しています。

しかし、スマホ決済アプリとしてはかなり後発になるため、使えるお店がまだ少ない可能性があります。

クレジットカード派の人なら、信用金庫や労働金庫でもOKです。信用金庫や労働金庫を引き落とし口座にできます。

クレジットカードを使いたくない人向けのキャッシュレス決済は、以下の記事で解説しています。

参考記事:カード嫌いシニアが時代遅れになる前に、60歳以上におすすめのキャッシュレス支払いとは

年金受け取りできるネット銀行は少ない

スマホを持ち悩む男性

大手銀行や地方銀行の大半は、年金受け取りに対応しています。しかし、ネット銀行は、未対応の銀行のほうが多い状況です。

記事執筆時点で、年金を受け取れるネット銀行は下記5行です。

■年金受取可能なネット銀行

  • イオン銀行
  • 楽天銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • ソニー銀行
  • PayPay銀行

ソニー銀行、PayPay銀行は、年金受取口座にしても特に優遇はありません。海外旅行によく行く人以外は、ほかの銀行で検討してよいと思います。

ソニー銀行は、海外によく行く人にとって便利なネット銀行です。ソニー銀行のデビットカードを海外で使うと、両替手数料や為替手数料を大幅節約できます。

→ソニー銀行のデビットカードを海外で活用する方法はこちら

年金受け取りにおすすめの厳選2行を解説

年金受取口座に指定すると優遇がある銀行のうち、個人的におすすめなのは三井住友銀行イオン銀行です。

どちらの銀行も、年金受取口座に指定するだけで受けられる優遇が多めです。イオン銀行は、少しの工夫で優遇内容をグレードアップできます。

三井住友銀行とイオン銀行の年金受取特典を、それぞれ解説します。

三井住友銀行:ATM手数料がお得

ミドすけキャッシュカード

年金受け取りだけでATM手数料・振込手数料がお得に

三井住友銀行で年金を受け取るだけで、「SMBCポイントパック」という優遇サービスの条件をクリアできます。

SMBCポイントパックでは、ATM手数料と振込手数料が一部無料になり、三井住友銀行のポイントも貯まりやすくなります。

SMBCポイントパックの優遇内容
ATM手数料が一部無料
三井住友銀行ATMと三菱UFJ銀行ATMはいつでも無料、コンビニATM(セブン銀行、ローソン銀行、E-net)は月2回まで無料
同行宛振込手数料が無料
ネットバンキングからの三井住友銀行宛振込がいつでも無料
三井住友銀行のポイントが貯まりやすくなる
デビット決済やATM利用など、一定の取引でポイントが貯まる。貯まったポイントは、三井住友カードのポイントに交換すれば、景品やポイントにも交換できる

三井住友銀行の優遇は、年金受け取りを開始した翌々月から受けられます。年金受取口座を続ける限り、ずっと特典を利用できます。

イオン銀行:預金金利も大幅アップ

イオンモール

イオン銀行で年金を受け取ると、普通預金金利が引き上がり、他行ATM手数料が月1回無料になります。

コンビニATMや、イオン銀行以外の銀行ATMなど、どの提携ATMも1回無料です。近くにイオン銀行ATMがなくても大丈夫です。

取引を増やせば、他行ATM手数料と他行宛振込手数料の無料回数は月5回まで増えます。普通預金金利もメガバンクの100倍まで引き上がります。

この優遇システムを、「イオン銀行Myステージ」といいます。

▼イオン銀行Myステージ ランクごとの優遇内容
イオン銀行Myステージ2019

特に、普通預金の高さは、業界トップクラスです。

記事執筆時点で、メガバンクやゆうちょ銀行の普通預金金利は年0.001%です。ほぼゼロといってよい低金利です。

イオン銀行は、年金受け取りだけで年0.01%まで上がります(イオン銀行Myステージのブロンズステージ到達)。この時点で、大手銀行の定期預金の金利を上回っています。

さらに、ネットバンキングに無料登録するだけで、普通預金金利は年0.03%まで上がります(イオン銀行Myステージのシルバーステージ到達)。

ネットバンキングとは、パソコンやスマホから残高照会などができるサービスです。足が悪くなり、銀行に行くのが大変になっても、自宅で口座状況をチェックできます。

もしネットバンキングを使わなくても、年金受け取りだけでブロンズステージをキープできます。

ネットで銀行取引するのが怖い人もいるかも知れません。しかし、ネット銀行は業界のなかでも、特にセキュリティ対策に力を入れています。

イオン銀行は、セキュリティソフトの無償配布など、個人のセキュリティ対策もサポートしています。

シルバーステージに上がると、ATM手数料が月2回、他行宛振込手数料が月1回無料になります。

他行宛振込手数料が無料になると、習い事の月謝支払いなど、さまざまな送金が無料になります。

わからないことがあれば、イオンモールにあるイオン銀行店舗で直接相談できます。

イオン銀行は、ネット銀行のなかではめずらしく、全国に実店鋪があります。大きめのイオンモール館内にあることが多いです。

→イオン銀行Myステージでさらに優遇を増やす方法はこちら

地方銀行の優遇もあなどれない

京都銀行

地域によっては、年金受取サービスに力を入れる地方銀行もあります。

地方銀行には、大手銀行にはない独自の優待が多い印象です。旅行やみまもりサービスの割引など、リタイア後に便利な特典も目立ちます。

近所の地方銀行の年金受取特典を調べ、比較してみるのもおすすめです。

年金受け取りの優遇が大きい地方銀行(一部)
京都銀行
定期預金の金利アップ、時間外ATM手数料無料
愛知銀行
定期預金の金利アップ、ALSOKみまもりサポートが2ヶ月分無料、セコムみまもりホン加入料金割引、名鉄観光サービス3割引、フィットネスクラブアクトスの割引百貨店飲食代金割引、粗品プレゼントなど
静岡銀行
人間ドック料金の割引、提携レジャー施設の優待
福岡銀行
JTBトラベルポイントの還元率3倍、提携レジャー施設の優待、健康相談ダイヤルを年中無休で利用できる

地方銀行は、営業エリア内に住んでいる人しか口座開設できないのが基本です。

ネット申し込みなら、全国から開設できる銀行もあります。インターネットから開設した口座でも、年金受取口座の優遇を受けられるか、事前確認しておくと安心です。

年金受取口座の変更方法

年金手帳

すでに年金受給中で、年金受取口座を変更したい人は、以下の流れで手続きします。

■年金受取口座の変更方法

  1. 日本年金機構の公式サイトから「年金受給権者 受取機関変更届」をダウンロード
  2. 変更届に名前やマイナンバー、年金コードなどを記入
  3. 変更届を年金事務所、もしくは年金相談センターに提出
  4. 約1ヶ月で変更完了

「年金受給権者 受取機関変更届」には、金融機関の証明印を捺す欄があります。銀行窓口に書類を持参し、捺印を依頼すれば対応してもらえます。

しかし、通帳がある人は、通帳持参やコピーでも代用可能です。年金事務所での書類提出時に、通帳を見せるだけでよいので楽です。

通帳のコピーを提出する場合は、口座番号や氏名が印字された面を印刷します。封筒に入れた状態で、届出書と一緒に渡せばOKです。

▼年金受給権者 受取機関変更届
年金受取の変更届

ネット銀行は紙通帳を発行しないため、キャッシュカードの持参ネットバンキング画面の印刷で代用します。

銀行によって、提出する証明書類は異なります。

ネット銀行 年金受取時の銀行証明方法
イオン銀行
イオン銀行窓口で口座の証明印の捺印、もしくはキャッシュカードを年金事務所へ持参
楽天銀行
マイページの入金メニューから、「預貯金通帳の写し」画面を印刷
住信SBIネット銀行
マイページの「お客さま情報照会・変更」画面を印刷
ソニー銀行
マイページの「お客さま情報」画面を印刷

年金受取口座の変更には、1ヶ月前後かかります。タイミングによっては、変更手続き中に、変更前の口座で年金を受給する場合もあります。

変更前の口座を解約したい人は、新しい口座で年金受取ができたのを確認するまで、念のため待つことをおすすめします。

老後のお金の話

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2022年5月18日 更新)

ありがとうございます。

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