Bank Payは銀行系スマホ決済を制するか?銀行PayとJ-Coin Payとの違いとは

Bank Pay

2019年秋から、銀行系スマホ決済「Bank Pay」がサービスを開始します。

Bank Payとは、1,000以上の銀行口座を登録できるQRコード決済アプリです。大手スマホ決済に未対応だった地方銀行や、信用金庫でも導入予定です。

Bank PayでQRコード決済をすると、銀行口座の残高から直接支払えます。カードなしでデビット決済ができるイメージです。

銀行系スマホ決済には、すでに銀行Payのシステムを使うアプリと、J-Coin Payがあります。これらの違いと、連携予定などについてまとめました。

Bank Payの特徴

Bank Payと他社スマホ決済との共通点は、QRコード決済ができる点です。

Bank Payにはさらに、他社アプリにないメリットがあります。

■Bank Pay 他社にはないメリット

  1. メガバンクから地方銀行、信用金庫など、1,000以上の銀行が参加予定
  2. 銀行Payと提携予定
  3. 店舗の会員証機能も搭載予定

メガバンクや地銀、信金も参加

企業

Bank Pay最大のメリットは、1,000以上の金融機関の口座を登録できる点です。「オールバンクのスマホ決済サービス」とPRしています。

PayPayやLINE Payは、大手銀行と一部の地方銀行には対応済みです。しかし、信用金庫や労働金庫などは登録できません。

Bank Payなら、信用金庫や労働金庫などの口座も登録可能です。給与受取口座を変更できない人も、メインバンクから直接支払えるキャッシュレス決済です。

Bank Payが幅広い金融機関に対応できる理由は、「J-Debit」運営団体がBank Payを提供するからです。

J-Debitとは、加盟銀行のキャッシュカードでデビット決済できるサービスです。

J-Debit

デビットカードというと、VisaデビットやJCBデビットなど、クレジットカードと同じ国際ブランドが有名です。

J-Debitは、日本電子決済推進機構(JEPPO)という組織が運営する、日本独自のデビット規格です。

JEPPO会員金融機関のキャッシュカードをJ-Debit加盟店で提示すると、デビット決済できます。

■日本電子決済推進機構に所属する金融機関

  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • みずほ銀行
  • ゆうちょ銀行
  • 全国地方銀行協会
  • 第二地方銀行協会
  • 全国信用金庫協会
  • 全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫連合会
  • 農協系統金融機関

J-Debit運営組織には、三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行などの大手銀行から、地方銀行や信用金庫まで、幅広い金融機関が所属しています。

これらの金融機関すべてでBank Payが使えると、銀行のカバー率No.1のスマホ決済サービスになります。

銀行Payと提携予定

銀行Pay

Bank Payは、同じく銀行系スマホ決済「銀行Pay」と、加盟店を相互開放する方針です。

Bank Payと銀行Payの加盟店は、お互いどちらのスマホ決済でも支払えるようになる予定です。

銀行Payとは、GMOペイメントゲートウェイという民間企業がシステムを提供する、銀行系スマホ決済サービスです。

ゆうちょ銀行の「ゆうちょPay」と、地方銀行が参画しています。

■銀行Pay 参加金融機関

  • ゆうちょ銀行
  • 三井住友銀行
  • りそなグループ
  • 北海道銀行
  • 横浜銀行
  • 親和銀行
  • 福岡銀行
  • 広島銀行
  • 熊本銀行
  • 沖縄銀行

銀行Payが使えるお店はまだ少なめですが、全国チェーンをもつ東急ハンズやミニストップなどで利用できます。

■銀行Pay参加金融機関のアプリが使えるお店(一部)

  • ミニストップ
  • 東急ハンズ
  • エディオン
  • ウエルシアグループ
  • サーティーワンアイスクリーム

お店の会員カード機能も搭載予定

ポイント

Bank Payは、加盟店の会員証ポイントサービスも使えるようになる予定です。

類似のサービスはLINE Payや楽天ペイにもあります。たとえばLINE Payは、アプリからバーチャルPontaカードを発行できます。Ponta用バーコードをLINE Payから提示すれば、買い物でポイントが貯まります。

Bank Payも同じように、アプリから会員証バーコードなどを提示できるようになると考えられます。

Bank Payの会員証・ポイントサービス機能が普及すると、現金だけでなく、会員証などのカードも持ち歩く必要がなくなります。

Bank Payの使い方

スマホ決済イメージ

Bank Payは、PayPayやLINE Payと同じ「QRコード決済」で支払うアプリです。

PayPayやLINE Payとの違いは、銀行口座から直接支払う点です。アプリにチャージする手間なく、口座残高分まで支払えます。

銀行系スマホ決済のなかでは、「銀行Pay」も銀行口座から支払うタイプです。

店舗での使い方は、2種類あります。

QRコード決済の方法
店舗の専用QRコードをアプリで読み取る
会計時にQRコードを提示されたら、アプリのカメラ機能を使ってスキャン
アプリから支払い用バーコードを提示
「バーコードの提示をお願いします」と言われたら、アプリから支払い用バーコードを表示して見せる

上記どちらの方法で支払うかは、お店によって異なります。「Bank Pay決済でお願いします」といえば、店員さんから指示をもらえます。

大手の店舗では、こちらが支払い用バーコードを提示するケースが多めです。チェーン店などでは、コード読み取り端末を全店導入済みの場合が多いからです。

中小店舗では、こちらがQRコードを読み取る場合がほとんどです。

QRコード決済は、店舗用QRコードをタブレットやポスターで提示すれば決済できます。多くの小規模店は、はじめは読み取り端末を購入せず、導入コストゼロでスマホ決済を始めます。

Bank Payの予想

スマホ決済のなかでも、Bank Payはかなり後発です。オールバンクというメリットは大きいものの、どこまで普及するかは未知数です。

日ごろ、銀行やスマホ決済関連の動向を追っている私が、Bank Payの今後を予想してみました。

キャッシュバックやポイント還元はなさそう

財布を持つ女性

Bank Payは、おそらくPayPayのような自社独自のポイント還元は行わないと考えられます。同じく銀行系スマホ決済の「銀行Pay」系アプリと「J-Coin Pay」も、キャッシュバックがないからです。

ポイント還元を目的にスマホ決済を使う人には、メリットが薄くなります。すでに高還元のスマホ決済を利用中なら、わざわざBank Payを使わなくてもよいと思います。

特に増税後は、ポイント還元重視の人が増えた印象です。

政府が行うキャッシュレス決済のポイント還元は、Bank Payも対象です。

「ポイント還元より、メインバンクの信用金庫から直接使えるほうが便利」と感じる人は、Bank Payが向いています。

加盟店数が伸び悩む可能性大

家電量販店イメージ

Bank Payの課題は、加盟店数をいかに増やすか、です。

J-Debitは、Visaなどの国際ブランドのデビットカードに比べて、支払いで使える店舗が圧倒的に少ないのが欠点です。

全世界で使えるVisa・JCBと違い、J-Debitは国内2万店舗ほどしか使えません。セブン‐イレブンやローソン、ファミリーマートといった主要コンビニは未加盟です。

Bank Payがリリース直後からすべてのJ-Debit加盟店で使えたとしても、現在の店舗数ではけっして便利とはいえません。加盟店の拡大が急務です。

加盟店が増えないと、ユーザーも増えないと思います。

最近は、PayPayやLINE Pay、メルペイなど、高還元のスマホ決済が浸透しつつあります。キャッシュバックなしの後発スマホ決済がこれらを抑えて普及するには、相当のメリットが必要です。

銀行への信頼度が高い中高年の方には、Bank Payは安心感があるかもしれません。

しかし、私自身は中高年のあいだでも、大手スマホ決済の普及を感じています。

家の近所のスーパーは、一部のレジがPayPayやメルペイに対応した「スマホ決済レジ」です。PayPayの還元率アップ日には、若い人からシニア世代まで列を作ります。

個人間送金できれば便利

若い親子

もしBank Payで個人間送金ができれば、非常に便利です。

スマホ決済の個人間送金とは、同じアプリを使う人同士で、手数料無料で送金できる仕組みです。

現在、主要なスマホ決済アプリは、積極的に個人間送金に対応しています。PayPay、LINE Pay、楽天ペイではすでに導入済みです。

Bank Payも手数料無料で個人間送金ができれば、実質無料で他行宛振込ができるようになります。

特に地方銀行や信用金庫の他行宛振込手数料は、かなり高めです。仕送りなど、頻繁に振込みをする人には相当負担です。この手数料部分をカットできると、Bank Payアプリの利用価値は非常に大きくなります。

もしBank Payで個人間送金できるなら、私は親への仕送りに活用したいと思います。

親がふだん年金を受け取っている信用金庫の口座は、個人間送金できるPayPayやLINE Payに登録できません。そのため、銀行振込するしかありません。

現在は、他行宛振込手数料が無料になるネット銀行から、信用金庫の口座に振り込んでいます。

ただし、Bank Payに個人間送金機能がつくのは、難しいかもしれません。

Bank Payは、銀行Pay系アプリと同じく、銀行口座から直接支払える仕組みです。銀行Payは、個人間送金に未対応です。

現在、個人間送金できるスマホ決済は、大半が残高チャージ方式です。

J-Coin Payはどうなる

J-Coin Payロゴ

銀行系スマホ決済には、Bank Pay、銀行Pay系アプリだけでなく、J-Coin Payもあります。

J-Coin Payは、みずほ銀行が運営するスマホ決済アプリです。全国の主要地方銀行が加盟しています。

J-Coin Pay導入銀行一覧

J-Coin Payには、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は参加していません。口座開設数が多いメガバンク2行が不参加なのは、J-Coin Payのユーザー数が伸び悩む要因のひとつです。

J-Coin PayとBank Pay、銀行Pay系アプリとの一番の違いは、銀行口座からスマホアプリにチャージして使う点です。

Bank Pay・銀行Pay系アプリのように、銀行口座から直接支払いするタイプではありません。

スマホ決済へチャージしたお金を銀行口座へ出金すると、通常は手数料がかかります。PayPayは100円、LINE Payは220円の手数料が発生します(税込)。

しかし、J-Coin Payには、チャージ残高を銀行口座へ無料で払い戻せるという、他社にはないメリットがあります。

J-Coin Payは個人間送金もでき、お金の移動がスムーズなアプリです。

銀行Pay参加金融機関のアプリは、チャージ不要で銀行口座から直接支払いですが、個人間送金はできません。Bank Payも同じ仕様だとすると、J-Coin Payは「資金移動に強いスマホ決済」といえます。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、一条まつこ がメンテナンスを担当いたしました。(2019年11月14日 更新)

ありがとうございます。

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