高金利な旅行積立に意外な落とし穴?申し込み前に知りたかったデメリットと解決策

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海外旅行に行く女性

「旅行積立」とは、旅行会社で旅行費用を貯めるサービスです。満期時には、積立額より多めの金額を、旅行券として受け取れます。

旅行積立の最大のメリットは、年率1~3%でお金を増やせることです。銀行の預金金利は、年率0.001~0.01%と、長年ほぼゼロです。銀行の利子よりお得です。

しかし、旅行積立にはデメリットもあります。人によっては、銀行預金でお金を積み立てるほうがおすすめです。

旅行積立の特徴を知ったうえで、旅行資金の積み立て方を選ぶと、後悔なくお金を貯められます。

旅行積立の仕組み

積み木とカレンダー

旅行積立は、申し込み時点で満期受け取り金額を決めます。

実際の積立金額は、受け取り金額より少なめです。受け取り金額と積立金額の差額は、「サービス額」としてプレゼントされます。

ANAの旅行積立で、毎月15,766円を5年間積み立てるとします。積立額は約95万円ですが、受け取れる旅行券の金額は100万円になります。サービス額として5万円がプラスされます。

ゆうちょ銀行で同じ条件の積立をしても、利子は210円までしか増えません。さらに、銀行預金の利子には約20%が課税となり、受け取れる額は167円まで下がります。

同じ金額を積み立てても、増えるお金に4万9,833円の差がつきます。少しよい食事などができる金額だと思います。

旅行積立のサービス額は、税金がかかりません。はじめに100万円コースで申し込めば、必ず100万円がもらえます。

利回りが高いだけでなく、非課税で元本保証という安心感は、旅行積立の大きなメリットです。

旅行積立と同じくらいの利回りでお金を増やす方法には、投資信託などもあります。しかし、投資信託は元本割れのリスクがあります。

大手旅行会社のサービス額率を比較

JTB

大手旅行会社の旅行積立の、サービス額の利率を比較します。

旅行積立の貯め方には、毎月払い一括払いがあります。ほとんどの旅行会社は、一括払いのほうが、サービス額を高めに設定してあります。

旅行積立の「毎月払い」と「一括払い」

毎月払いは、毎月決まった金額を積み立てます。少額をコツコツ貯めて、目標金額までお金を貯めたい人に向いています。

一括払いは、まとまった資金を一度で預けます。数年後に旅行予定で、それまでお金を預けておきたい人におすすめです。

また、預入期間が長いほど、利率が高くなるコースが大半です。

■旅行積立 サービス額率(年率換算)の比較
調査日:2022年5月16日

旅行会社 毎月積立 一括払い 満期
H.I.S「貯めチャオ」 0.94~1.06% 1.78~2.18% 半年~5年
日本旅行「ドリームプラン」 1.50~1.75% 1.75~2.00% 半年~5年
JAL旅行積立 2.50~3.00% 2.50~3.00% 1~5年
ANA旅行積立プラン 2.25~3.00% 2.25~5.00% 1~5年
JTB「たびたびバンク」 1.75% 1.75% 1~5年(※)
近畿日本ツーリスト「旅したく」 1.50~1.75% 1.75%~2.00% 半年~3年
JCBトラベル旅行積立 2.00~3.00% 2.00~3.00% 1~2年

※JTB「たびたびバンク」には、いつでも引き出せるフリープラン(年率0.8%)もあり。

H.I.Sの「貯めチャオ」で、毎月払いと一括払いのサービス額を比較してみます。5年間の旅行積立で、100万円を受け取るとします。

毎月積み立てなら、毎月15,784円を積み立て、100万円の旅行券がもらえます。実際の積立額は約95万円で、5万円ほどお得です。

一括払いの場合は、支払額は約89万円です。サービス額は10万円以上になります。旅行資金が10万円以上増えれば、ホテルの部屋のグレードも上げられそうです。

■JAL・ANA・JCBはクレジットカードでも積み立てOK

積み立て方法は、銀行口座からの引き落としが基本です。

JAL・ANA・JCBの旅行積立なら、支払いに自社クレジットカードも使えます。旅行積立で資金を増やすだけでなく、クレジットカードのポイントも貯められます。

銀行預金のほうががおすすめの人

旅行積立より、銀行預金のほうがおすすめの人もいます。旅行予定が確定していない人余裕資金がない人です。

旅行積立は利回りが高いですが、満期時や中途解約時に、お金を自由に使えないのがデメリットです。

もし旅行に行く予定がなくなっても、積み立てたお金は旅行関連にしか使えません。

旅行会社が未定

旅行会社のパンフレット

旅行積立で満期を迎えたら、旅行会社の旅行券を受け取ります。当然、積立を行った旅行会社でしか使えません。

日本旅行で旅行積立をしたあと、JTBに安いプランが出ても、旅行券は日本旅行でしか使えません。

旅行積立は、いつも同じ旅行会社を利用する人などに向いています。旅行のたびに一番安い旅行会社を探す人には、不向きです。

ただし、JCBトラベルでもらえる旅行券は、複数の提携旅行会社で使えます。大手旅行会社のなかから比較検討するなら、JCBトラベル旅行積立もありです。

■JCBトラベルの提携旅行会社(一部)

  • JTB
  • JAL
  • ANA
  • 日本旅行
  • 阪急交通社
  • 朝日旅行
  • 西鉄旅行
  • クラブツーリズム
  • びゅうトラベルサービス

地元の旅行会社も検討したい人や、旅行会社を使わない可能性もある人は、銀行預金のほうが安心です。

旅行時期を決めていない

カレンダーとペン

旅行会社によっては、旅行積立後に渡す旅行券に有効期限があります。

旅行券の有効期限は、5~10年と長めです。しかし、旅行に行く時期を決めずに積み立て始めると、満期後に放置してしまうかもしれません。

もしくは、満期のタイミングで都合が悪くなり、旅行が中止になる可能性もあると思います。

旅行積立は、計画的に旅行の予定を立てられる人や、定期的に遠方に帰省する人に向いているといえます。

旅行の予定がまだ明確でないうちは、銀行預金のほうが無難です。別の目的でお金が必要になっても、貯めておいたお金を柔軟に使えます。

電車代に使える旅行積立

日本旅行・近畿日本ツーリストの旅行積立は、JRや私鉄などの乗車券にも使えます。旅行に行く予定がなくなっても、日常的な外出で少しずつ旅行券を使えます。

ただし、きっぷを窓口で買う必要があります。Suicaなどの交通系ICカードを使っている人は、面倒に感じるかもしれません。

途中で引き出すかもしれない

財布を持つ男性

旅行積立は、中途解約も可能です。しかし、解約時点で積み立てたお金は、旅行券でしか戻ってきません。個人的には、大きなデメリットだと思います。

利用中の旅行積立を解約するときは、旅行以外の目的でお金が必要だと思います。なのに、旅行券でしか払い戻せないと、不便です。

5年などの中期的な貯金だと、途中で収入や家計状況が変わることも考えられます。急な病気や事故で働けなくなり、積み立てが難しくなるかもしれません。旅行積立は、そのような不測の事態に弱いです。

旅行積立をするなら、突然の出費に備えられるだけの貯金をしてからが理想です。

個人的には、自由にお金が使えない積み立てをするなら、3ヶ月~半年分の生活費は貯金しておくべきだと思います。

旅行積立はペイオフ対象外

破産イメージシルエット

旅行積立には、預金保険制度(ペイオフ)の対象外というデメリットもあります。

ペイオフとは、お金を預けている銀行が破産しても、預金額1,000万円と利子は保障される制度です。メガバンクから地方銀行、ネット銀行まで、すべての銀行に適用されています。

しかし、旅行積立中の旅行会社が倒産すると、積立金が戻ってこない可能性があります。大金を預けるのは、個人的にはおすすめできません。

リーマンショック後、JALは経営破綻しました。その際は、旅行積立の積立金は戻ってきたようです。

しかし、今後も必ず積立金が守られるとは限りません。

旅行会社によっては、数千万円の大金を積み立てることも可能です。JALの旅行積立は、最大5,000万円まで積み立てられます。

大きなお金で旅行積立するときは、ペイオフ対象外という注意点も知っておくべきです。不安な人は、銀行預金のほうがおすすめです。

ちなみにペイオフは、「銀行1行につき」預金1,000万円と利子を保護します。1,000万円を超えるお金は、複数の銀行に分散して預ければ、実質全額が保護となります。

高金利なネット銀行での貯金もあり

スマホとタブレットを持つ女性

旅行積立と同じ利回りで、銀行預金をするのは難しいです。しかし、預金金利が高いネット銀行なら、メガバンクやゆうちょ銀行の数十倍から、数百倍の利子がつきます。

ネット銀行は、実店舗を持たないことで、運営コストを削減しています。そのぶん、高い預金金利を提供できます。

■ネット銀行のメリット

  • 預金金利が高い
  • いつでもお金を引き出せる
  • ペイオフの対象

メガバンクやゆうちょ銀行の預金金利は、年0.001%や年0.01%程度です。ネット銀行では、年0.1~0.5%、キャンペーン期間はそれ以上の金利になる銀行もあります。

■メガバンクとネット銀行 50万円を5年定期に預ける場合の比較
調査日:2022年5月16日

銀行 定期預金金利(年) 5年後の利子(税引前)
三菱UFJ銀行 0.002% 50円
ゆうちょ銀行 0.002% 50円
SBJ銀行 0.2% 5,020円
あおぞら銀行BANK 0.15% 3,761円

→SBJ銀行の詳細はこちら

貯金する銀行をネット銀行にするだけで、これだけの利子の差がつきます。

銀行の定期預金は、いつでも中途解約できます。利率は普通預金くらいまで下がりますが、解約したお金は普通預金に戻ってきます。

旅行予定がなくなったり、どうしてもお金が必要になったりしても、いつでも現金を引き出せます。旅行積立にはないメリットです。

旅行資金以外の貯金がない人は、いつでも引き出せる銀行預金がおすすめです。

ネット銀行も、大手銀行と同じくペイオフの対象です。預金額1,000万円と利子は保護となるので、安心してお金を貯められます。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2022年5月16日 更新)

ありがとうございます。

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