ソニーフィナンシャルグループの経営方針から読み解くソニー銀行の未来
ソニー銀行が2014年6月に発表した「ソニーフィナンシャルグループ 2014 年度経営方針説明会資料」を見ると、今後ソニー銀行が一体どのような取り組みをしていこうと考えているのかが見えてきます。
個人的にも興味があったので、わかったことをまとめます。
目次
ソニーフィナンシャルグループとは?
ソニーフィナンシャルグループ(ソニーフィナンシャルホールディングス)(通称:ソニーFH)とは、その名の通り、家電製品でお馴染みのソニーの金融部門です。
現在ソニーは家電製品の赤字が続いて苦戦していることがニュース等で報道されていますが、ソニーの金融部門は大変優秀で、ネットでは「ソニーはもはや金融会社だな。」とまで言われるほど。。。
そのような優秀なソニーFHなのですが、どんな事業をやっているのかというと、
- ソニー生命
- ソニー損保
- ソニー銀行
の3つの事業を展開しています。誰もが一度は聞いたことのある名前だと思います。これら3つの事業はいずれも好調で、国内屈指の金融会社に成長しています。
ネット銀行部門の特徴をまとめてみます
当サイトはネット銀行のサイトなので、今回注目するのはもちろん、ネット銀行部門となる「ソニー銀行」です。
私自身もソニー銀行を普段使いしているユーザーですが、ソニー銀行はこれまでに数多くの実績を残しています。
主な金融商品は4つ
ソニー銀行で取り扱っている主な金融商品は、「円預金」、「外貨預金」、「住宅ローン」、「投資信託」の4つです。
円預金の預金残高は1兆5,000億円を越えており、これはネット専業銀行では業界3位の規模となります。
また、ソニー銀行は住宅ローンに強みを持っているほか、後述しますが外貨預金でも相当なシェアを獲得しています。
一方、あまり目立たないのが投資信託です。一応取扱いはありますが、「ソニー銀行の投資信託」ってあまりイメージが湧きません。また、「その他個人ローン」に含まれるであろうカードローンも、あまり力を入れているような印象は受けません。
顧客満足度がマジで高い
個人的に大変素晴らしいと思っているのが、ソニー銀行の顧客満足度の高さです。サポートのていねいさやサイトの見やすさなど、ソニー銀行が名だたる賞を受賞していることは、以前から当サイトでも取り上げていました。
特に、「日経金融機関ランキング」では7年連続で1位を獲得しています。
サポート対応に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
外貨預金に力を入れる方針
ソニー銀行は最近、外貨預金に相当力を入れています。
「外貨預金ワールド」と題して、外貨預金の用途を「貯める、増やす」といった領域から「使う」領域に進化させようとしています。
例えば、ソニー銀行で外貨預金したお金を、そのまま外貨送金したり、海外旅行で使うといった取り組みができます。また、500円からの外貨積み立てや、外貨仕組み預金など、商品の拡充も狙っているようです。
現時点でも邦銀としてはトップクラスの7%のシェアを獲得していますが、外貨ビジネスの強化によって今後さらなるシェア拡大を目指す方針です。
2014年3月で預金全体に占める外貨預金の割合は、2014年3月時点で21%となっていますが、これを3年後の2017年3月までに27%にする目標を掲げています。
上記の図の「円定期預金の比率が下がっている」ことから読み取れることは、
- 円定期預金の強化はしない(期待できない)
- 外貨預金の魅力がより高まる(期待できる)
ということです。
あくまでも予想ですが、今後は「定期預金なら他社を選べ」、「外貨預金ならソニーを選べ」という図式ができあがってくると予想します。
ローン事業にも期待
資料の「Key Message」の部分には、外貨預金に加えて「個人向けローンビジネスの強化」も掲げています。
ソニー銀行は現在、事業者向けローンは提供していませんが、これは今後も変わらず、あくまでも個人向けのローンに力を入れていく方針です。
ローンと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、目立ち度の低い「ソニー銀行カードローン」です。カードローンはネット銀行各社が力を入れている事業の一つですが、ソニー銀行のカードローンは今ひとつピンと来ません。(CMとか広告とか見たことないです)
これが今後どう変わるのか、楽しみです。
先ほどのリテールバランスの資料を見てもわかりますが、
このグラフから、住宅ローンの構成比率を飛躍的に伸ばしていく方針だとわかります。ソニー銀行住宅ローンは、業界最低水準の低金利で、主に借り換え顧客が82%を占めているという状況。
金利だけでなく、事務手数料の低さや繰上返済手数料0円というサービスは大変魅力的で、私も住宅購入を検討した時に、真っ先に候補に入ったのがソニー銀行住宅ローンでした。(結局家は買いませんでしたが・・・)
現状でも大変競争力のあるソニーの住宅ローンですが、これを今後さらに強化していく方針から、かなり期待が持てそうです。
まとめ
最近の外国為替動向を見ていると、空前の円高から円安になってきていることがわかります。今後さらに円安が進めば、外貨預金の魅力は一層増すので、外貨預金ビジネスに注力するソニー銀行の方針は、理にかなった判断だと感じました。
また、景気が良くなれば住宅ローンや個人向けローンの需要も増すでしょうし、やはりちゃんとした企業はしっかりとした見通しを立てているなぁと思いました。