20代から記入すべきエンディングノートの3項目 預貯金やデジタル資産を整理
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最近、若者向けのエンディングノートを書店で見かけるようになりました。「安心ノート」「自分史ノート」のような名称で販売しています。
エンディングノートといえば、高齢者が終活として使うイメージがあります。しかし、20代や30代のうちから財産やSNSアカウントについてまとめておくと、いざというときに役立ちます。
実際に市販のエンディングノートを比較し、早くからエンディングノートに書いておきたい内容をまとめました。
目次
若いうちにエンディングノートを書くメリット
エンディングノートに書く内容といえば、相続やお墓の希望などを想像する人が多いと思います。このような終活の話は、若いうちはイメージしづらいです。
しかし、終活以外にも使えるページもあります。特に「安心ノート」のように、終活を意識させないタイトルの冊子には、今から使える内容が多い印象です。
▼安心ノート例
若者がエンディングノートを書くメリットは、おもに4つあります。
銀行口座や保険の整理になる
早いうちに銀行口座や保険の加入状況をまとめておくと、自分の資産状況を把握できます。これらの整理作業に、エンディングノートが使えます。
自分の財産を把握できていない人は、意外と多いです。私自身、銀行口座とクレジットカードを複数持ち始めたころは、うまく管理できませんでした。
複数の銀行口座残高や、クレジットカードの請求額を把握していない友人もいました。
職場の給与振込用に口座開設したり、ポイント還元率の高いクレジットカードを作ったりするうちに、わからなくなっていったそうです。
結婚や老後のお金について考える際も、まずは現在の財産状況を見返す必要があります。将来のために、早くからまとめておくと安心です。
特に生命保険は、何年も経つと契約内容を忘れがちです。保険証券を見返しても、難しい言葉が多く困る人も多いです。エンディングノートにわかりやすくまとめれば、見返す際に思い出しやすくなります。
あまり使っていない銀行口座の解約や、保険の見直しのきっかけにもなるかもしれません。
SNSアカウントを守れる
市販のエンディングノートには、自分のWebサイトやSNSアカウントを書けるものがあります。
自分のSNSアカウントのID一覧や、もしものときは誰にどう対処してほしいかを書き残せます。
「信頼できる友人に、自分のSNSアカウントから状況報告してほしい」「アカウントを削除してほしい」など、具体的な希望を書いておくとスムーズです。
TwitterやInstagramなどのアカウントを、親に見られたくない人もいると思います。
あらかじめ対処してほしい人を指名しておけば、信頼できる知人・友人に手続きしてもらえる可能性が高くなります。
突然の事故や病気に備えられる
持病がある人は、エンディングノートに治療状況を記しておくと、急な事故や大きな病気の際に役立ちます。
お薬手帳にも、服薬状況や持病を書く欄はあります。薬の飲み合わせの判断は、お薬手帳でも十分です。
市販のエンディングノートに書ける情報はよりくわしく、重大な病気にも備えられる内容です。具体的には、かかりつけ医の連絡先や過去の病気歴、お薬手帳の保管場所などです。
▼お薬手帳(一例)
自分が医師と意思疎通ができないときも、エンディングノートがあれば家族が対処できます。
また、入院時に連絡してほしい知人・友人の連絡先もまとめておくと、家族が代わりに連絡できます。
20代のうちから埋めておきたい項目
一般的なエンディングノートに書く項目は、大きく分けて以下の7種類です。
■おもにエンディングノートに書く内容
- 家族構成
- 財産情報
- デジタル資産
- 医療・介護
- 相続や葬儀
- 知人・友人の連絡先
- 大事な人へのメッセージ
20代や30代の若いうちは、すべて埋めるのが難しいと思います。相続や葬儀などの項目は、いったん空けておいてOKです。
若いうちから書いておくと便利なのは、財産情報・デジタル資産・友人の連絡先の3つです。
エンディングノートはいつでも書き直せるので、まずは鉛筆やシャープペンシルで書き始めてみることをおすすめします。
財産情報
エンディングノートの財産情報ページで書ける内容は、以下のとおりです。どの出版社のエンディングノートも、おおむね同じ内容です。
- 預貯金
- 銀行口座の口座番号やネットバンキングID、口座の利用目的などを書く(例:給与振込口座、貯金用)。
- クレジットカードや電子マネー
- キャッシュレス決済を利用する人は、利用状況をまとめる。
- 口座引き落とし
- 家賃やスマホ代など、銀行口座からの引き落とし(口座振替)一覧を作っておく。カスタマーセンターの連絡先も書いておくと、治療費などで引き落としが難しくなった際にすぐ電話できる。
- 有価証券
- 株式や投資信託を保有している人は、証券口座の情報も記録。つみたてNISAなどもこの欄に記入。
- 不動産
- 親から実家を引き継いでいるなど、土地や建物を持っている場合は記録。
- その他の資産
- 自動車や着物、貴金属など、実物資産もまとめておくと管理しやすくなる。
- 年金
- 公的年金だけでなく、私的年金も利用している場合は書いておく。iDeCoなどの個人年金もここに記入。
- 保険
- 生命保険や火災保険、自動車保険など、加入中の保険をリストアップ。担当者の連絡先や、契約内容もわかりやすく書き記しておくと便利。
- ローン
- 住宅ローンや奨学金など、返済中の借り入れがある場合は記録。
特に、銀行口座やクレジットカードを複数持っている人は、一度書き出して整理することをおすすめします。
口座引き落としの内容もまとめると、各銀行口座の役割が明確になります。
■預貯金の記入例
- 銀行名:三菱UFJ銀行
- 支店名:◯◯支店
- 預貯金の種類:普通預金
- 口座番号:1234567
- 口座名義人:◯田◯太
- ネットバンキングID:abcdefghijk
- 備考:給与振込・公共料金引き落とし用
近年は銀行のネットバンキングを利用する人が増え、ログインIDを書く欄があるエンディングノートも多くあります。
注意点は、ネットバンキングの「パスワード」や、キャッシュカードの「暗証番号」は書かないことです。
ネットバンキングのID・パスワードを両方記入すると、誰でもログインできるようになります。不正利用を防止するために、IDまでに留めるべきです。
同じ理由で、キャッシュカードの暗証番号も、エンディングノートには書かないでおくべきです。自分以外の人がお金を引き出せるようになり、金銭トラブルになりかねません。
エンディングノートによっては、パスワードを書いた部分に貼るスクラッチシールがついている場合があります。
個人的には、未記入のままにしておくことをおすすめします。
どうしても本人以外が口座からお金を引き出したい場合は、銀行窓口で相談します。口座名義人以外の取引はイレギュラー対応のため、個別対応となります。
担当者への事情説明が必要な場合もあります。本人が入院してお金を引き出せない、どうしてもキャッシュカードが見つからないなど、状況を説明して判断を仰ぎます。
ネット銀行には、窓口がありません。どうしても家族にお金を引き出してもらいたいときは、キャッシュカードを渡し、暗証番号を伝える必要があります。
やむをえず、キャッシュカードでの取り引きを依頼したあとは、すぐに暗証番号を変更することをおすすめします。
ほとんどのネット銀行は、ネットバンキングから暗証番号の再設定が可能です。ネット手続き後に郵送が必要な銀行もありますが、1週間ほどで変更手続きは完了します。
イオン銀行やセブン銀行は、ネットバンキングで暗証番号を再設定すると、すぐに使えるようになります。
デジタル資産
スマホやパソコン、アカウント登録したWebサイトやSNSなど、デジタル資産の対処法も書いておきます。
一部のエンディングノートには、デジタル資産のページがないものもあります。購入の際は要注意です。
私も本屋で、デジタル資産のページがあるエンディングノートを探してみました。
■もしものときに困らない これで安心ノート(家の光協会)
スマホやパソコンのデータ、SNSアカウントなどの情報をわかりやすく書き分けられる。備忘録として使うのに向いている。
デジタル資産について書く際も、ログインパスワードは記載しないほうが無難です。エンディングノートにはIDのみ書きます。
パスワードは別管理し、対処を依頼したい人にだけ保管場所を伝えておくのがおすすめです。
例:親友に依頼するなら「二人で行ったライブのパンフレットに挟んである」など。
友人の連絡先リスト
エンディングノートには、身内や知人の連絡先を書き記すページがあります。
おもな使い方は、何かあったときの連絡用です。大切な人へのメッセージを書けるエンディングノートもあります。
若いうちから友人の連絡先リストを整理しておくと、アドレス帳データが消えたときの備えにもなります。
スマホの水没や故障など、何かあったときも大事な友人と連絡を取れます。LINE IDや電話番号をリスト化しておくことをおすすめします。
自分史が充実したエンディングノートもある
なかには、自分史年表のページが充実したエンディングノートもあります。
自分史には、自分の生い立ちや大事な思い出を書きます。懐かしい思い出ノートになるだけでなく、自分の価値観を見つめ直す機会にもなります。
転職のような人生の転換期で、自分を客観的に見たい人は、書いてみる価値があると思います。
自分史は、ふつうの白紙ノートでも書けます。しかし、真っ白なノートだと何を書けばよいかわからない人は、自分史つきのエンディングノートを買ってみるのも手です。
厚めのものでも、2,000円前後で購入できます。
無料ダウンロードより購入がおすすめ
ネット上には、無料でダウンロードできるエンディングノートのデータもあります。Wordファイルなら、手書きではなくパソコン上で編集できます。
しかし、個人的には本屋で1冊購入することをおすすめします。
書店で購入できるエンディングノートには、役立つコラムや書き方のアドバイスなどがあり、わかりやすく作られています。
私が購入した「これで安心ノート」を例にあげると、保険のページには傷病手当金の説明や、生命保険でカバーすべき金額の考え方まで書かれていました。
本人の家族が見たときに役立つ情報もあります。本人の判断力が低下した際、代理人をたてる方法の違いなどがくわしく書かれていました。
無料ダウンロードできるエンディングノートも、最低限の情報は入力できます。しかし、説明などの情報が少なく、筆が進みにくい人もいると思います。
一度、無料のエンディングノートをネットで見てみて、よくわからないと感じたら本屋で見比べてみるとよいと思います。
若者向けのカジュアルなデザインのエンディングノートも多く、見た目の好みでも選べます。エンディングノートは長く使い続けるものなので、好きなデザインを選ぶのも大切です。
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