残高不足でも使えるデビットカード3選 支払い遅延が信用情報に残るケースに要注意
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デビットカードはクレジットカードと異なり、決済時点で銀行口座が残高不足だと支払えません。しかし例外的に、残高が足りない場合でも支払える特殊なデビットカードがあります。
代表例は、金融機関が利用代金を立て替えるデビットカードや、自動融資となるデビットカードです。
いずれも便利な機能ですが、クレジットカードと同じく審査が必要です。利用可能年齢も18歳以上や20歳以上と、やや高めです。
また、残高不足を補うサービスを使うと、信用情報に残る場合がある点も要注意です。一般的なデビットカードは残高不足が発生しても、信用情報には残りません。
目次
残高不足でも使えるデビットカードとは
残高不足でも使えるデビットカードを発行する銀行は、かなり少数です。
残高不足の補い方は、銀行によって異なります。大きく分けると、以下2パターンです。
■残高不足でも支払えるデビットカードの仕組み
- 不足した代金を金融機関が一時立て替え
- 自動融資(キャッシング)
いずれも後払いの性質があるため、クレジットカードと同じく18~20歳以上の人しか利用できません。審査も必要です。
残高不足に対応できるデビットカードのうち、主要銀行が発行している3枚の違いを解説します。
イオンデビットカード
■イオンデビットカードの特徴
- 10万円までの立て替えバックアップサービス
- 利息は発生しない
- キャッシュカード一体型カードはない
※イオン銀行で申し込める「イオン銀行キャッシュ+デビット(JCB)」はバックアップサービスなし。
イオンクレジットサービスで申し込める「イオンデビットカード(Visa)」には、バックアップサービスという立替機能がついています。
デビット決済時に口座残高が足りない場合、10万円までイオン銀行が立て替えてくれます。
立て替えた分の代金は、毎月10日(締日)までは毎日1回ずつ引き落とし処理が行われます。イオン銀行の普通預金口座に、立替金を入金しておくだけでOKです。
締め日までに引き落とせなかった場合は、翌月2日に引き落としとなります。
イオンデビットカードのバックアップサービスは、キャッシングではありません。あくまで立て替えるだけなので、利息が発生しないメリットがあります。
注意点は、支払代金の全額が立て替えとなる点です。不足した差額のみの立て替えではありません。
例:4月1日に3万円の買い物をし、口座残高が1万円しかなかった場合
■4月1日の会計時
決済は完了し、支払代金の3万円を立て替え(不足した差額の2万円ではなく、支払全額の3万円を立て替え)。
■4月2日に口座へ入金
締日の10日までに3万円以上を口座に預け入れると、入金日もしくはその翌日に自動引落(締め日までは毎日引き落とし実行)。
↓
4月10日までに預金残高が3万円以上にならなければ、5月2日(翌月2日)の引き落とし。
イオンデビットカードは審査必須で、18歳以上から申し込めます。また、キャッシュカード一体型ではなく、デビットカード機能単体カードという点も特徴です。
発行元のイオンクレジットサービスは、おもにクレジットカードの「イオンカード」を発行する会社です。イオンデビットカードも、イオンカードに近い位置付けです。
対して、イオン銀行が発行する「イオン銀行キャッシュ+デビット」というデビットカードは、15歳以上から審査不要で発行できます。
▼イオン銀行キャッシュ+デビット
PayPay銀行 Visaデビットカード
■PayPay銀行デビットカードの特徴
- 不足分の自動融資が可能
- デビットカード申込は15歳以上、自動融資は20歳以上
- キャッシュカードにデビット機能が標準装備
PayPay銀行のデビットカードは、残高不足時に自動融資で決済できます。
自動融資を利用するには、PayPay銀行のネットキャッシングに契約する必要があります。口座開設の際に同時申込みすることもも可能です。
ネットキャッシングのマイページから「Visaデビット自動融資」の設定をすると、残高不足でも自動キャッシングによる支払いができるようになります。
キャッシングなので、返済時に利息はかかります。ただし、PayPay銀行の自動融資は不足した差額のみが適用されるので、少額の不足なら大きな利息にはなりません。
PayPay銀行のデビットカードは、キャッシュカード一体型です。PayPay銀行の口座を開設するだけで、デビット機能付きキャッシュカードを持てます。
三井住友銀行 SMBCデビット
■三井住友銀行デビットカードの特徴
- 一部の取り引きで不足額を立て替え
- 残高不足のまま60日以上経つと会員資格がなくなる場合あり
三井住友銀行のデビットカードは、取引状況や加盟店によっては、預金残高を超える支払いができます。三井住友カードが60日間まで、一時的に立て替える仕組みです。
普通預金口座へ不足額を入金すれば、立て替えた分を支払えます。キャッシングではないので、金利は発生しません。
ただし、残高不足のまま60日以上経過すると、デビットカードの会員資格を剥奪される可能性があります。三井住友銀行で給与受取している人は問題ないと思いますが、サブバンクとして使う人は要注意です。
SMBCデビットは、取引の状況(※)により預金残高を超えて取引が成立する場合があります。この場合、お客さまのショッピング取引は完了していますが、SMBCデビットのお支払い口座の預金残高が不足していたため、三井住友カード(株)が立替払いをしております。一定期日後もお支払い口座に入金がない場合にお取引通知メールをお送りしております。速やかにSMBCデビットのお支払い口座へのご入金をお願いいたします。
三井住友銀行 公式サイト「『口座残高不足に伴うご入金のお願い』というメールが届きました。なぜですか?」より引用
立て替え対象となる取り引きは非公開ですが、公式サイトでは海外でのデビット決済と店舗都合の商品交換による金額変更の例があげられています。
海外でデビット決済すると、為替レートによって円普通預金から引き落とされる金額が異なります。為替レートの変動で残高不足になる場合は、立て替えられるかもしれません。
商品交換を行い、支払い金額が変わることで残高不足になる場合もあります。三井住友カードが「店舗都合の商品交換」と判断すると、立て替えてもらえる可能性があります。
残高不足でも確実に支払えるわけではないので、「立て替えてもらえることもあるかも」くらいで使うのが無難です。
三井住友銀行には、口座引落時の残高不足にそなえる自動融資機能がありますが、デビット利用の残高不足には適用できません。
自動融資や立替金の支払遅延は信用情報に残る
通常のデビットカードは残高不足で決済できなくても、信用情報機関には記録は残りません。銀行口座の残高が足りなかっただけで、カード会社への支払い遅延などは発生していないからです。
ただし、デビットカードの自動融資機能を使い、返済が遅れると「信用情報」に残るので要注意です。自動融資機能はカードローンやキャッシングと同じ扱いだからです。
■信用情報とは
クレジットカードやローンの利用歴は、信用情報機関に記録され、金融機関の審査に使われます。
たとえば、クレジットカードの延滞が重なると、新たなカード発行やローンの審査に落ちる可能性が高くなります。
イオンデビットカードも、立替金の支払いが遅れ、カード停止などになった場合は信用情報に残ります。立て替えが発生したら、なるべく早く預金口座へ入金するのが理想です。
イオンクレジットサービスは、CIC・JICC(日本信用情報機構)という2つの信用情報機関と提携しています。どちらも、メガバンクなどの主要金融機関が提携している信用情報機関です。
審査を受けて利用するカード機能は、信用情報機関に情報が残ると思っておくべきです。
残高が足りてもデビット決済できないケース
デビットカードで支払えない理由の大半は、口座の残高不足です。しかし、デビットカードが使えない決済を行おうとした可能性もあります。
クレジットカードが使えるお店は、基本的にはデビットカードも利用可能です。ただし、ごくまれにデビットカードが使えない場面があります。
デビット決済できないサービスで支払おうとした
以下の決済は、クレジットカード決済はできても、デビット決済できない銀行が多いです。
- 高速道路(ETC)
- 飛行機の機内販売
- 一部の継続課金サービス
クレジットカードには、高速道路料金を自動で支払うETC機能を付けて支払うことができます。しかし、デビットカードはETC機能を付けられないうえに、一般レーンでも支払いができないケースが多いです。
なぜなら、残高不足の際にETCの料金所を通過できなくなり、渋滞が起こってしまうリスクがあるからです。
一方、機内販売やガソリンスタンドはオフライン決済を採用していることが多いため、利用できないケースが多いです。
オフライン決済だとカードが利用できることを確認(オーソリ)した後に先に支払処理を行い、実際の引き落としと時間差ができてしまうため、残高不足のトラブルが起こりやすいからです。
※デビットカードによっては、ガソリンスタンドなどの支払のみ後払い処理を行うことで、利用可能な銀行もあります(スルガ銀行など)。
ほかにもインターネットプロバイダーや通信費(WiMAXなど)や一部の公共料金といった月額の支払にも、デビットカードが利用できないケースもあります。
デビットカードのブランドに対応していない店舗だった
クレジットカードやデビットカードが使えるお店のなかには、「VISAもしくはMastercardのみ対応」「JCB決済のみ」など、一部のカードブランドしか使えない場合があります。
所有するデビットカードがJCBブランドで、VISAとMasterCardしか扱っていない店舗で支払おうとしても、決済できません。
普及率が高いカードブランドは、世界シェアNo.1のVISAや、VISAが使えるほとんどのお店に対応しているMastercardです。加盟店の多さで選ぶなら、VISAデビットかMastercardデビットがおすすめです。
JCBデビットも加盟店が増えてはいますが、VISAやMastercardにはまだ届きません。
分割払いやリボ払いを選んだ
デビットカードで利用できる支払方法は、一括払いのみです。分割払いやリボ払いはできません。
カード決済を行う店舗側は、デビットカードも「クレジットカード決済」として処理します。「デビットカードなので一括払いのみです」のように気づいてもらえることはほとんどありません。
おそらく「カードが使えないようです」と返されると思います。
利用限度額を超えていた
デビットカードの利用限度額は、初期設定が平均1日30~50万円ほどになっています。
利用限度額はユーザーの方で変更できるので、ライフスタイルに合わせて設定しておくと良いと思います。
使いすぎが心配な人は、少なめに設定しておくことをおすすめします。
万が一、デビットカードを紛失してしまった際も、銀行に利用停止してもらうまでの間に大金を不正利用されるリスクを抑えることができます。
※デビットカードには不正利用の補償もついているので、不正利用に気付いた際は早めに銀行へ相談すれば大丈夫です。
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