ゆうちょ銀行の総合口座・振替口座の違い、FPが公式サイトよりわかりやすく解説

ゆうちょ銀行の総合口座と振替口座

ゆうちょ銀行で開設できる口座には、いくつかの種類があります。代表的なのは、総合口座振替口座です。

個人が持つゆうちょ口座は、ほとんどが総合口座です。私は窓口での口座開設時に「総合口座でよいですか」と聞かれました。

振替口座は、法人・団体の決済用に開設する人が多い口座です。屋号で口座開設したい個人事業主も利用できます。

この記事では、総合口座と振替口座の違いを、わかりやすく解説します。振替口座も持つメリットがある人はどんな人かもまとめました。

総合口座と振替口座の違い

比較

総合口座と振替口座の違いは、利用できるサービスにあります。

総合口座は、通帳やキャッシュカードを使って、入出金や振込、預金などができます。個人で利用するサービスは、ほぼ総合口座でカバーできます。

対して振替口座は、お金の受け取りと送金専用です。送金や決済を多く行う法人や個人事業主、寄付金や会費を集める団体などが利用します。

通帳・キャッシュカードを発行しないため、ふだん使いには向いていません。

■ゆうちょ銀行 総合口座と振替口座でできる取引比較

取引や特徴 総合口座 振替口座
通常貯金(普通預金) 利子つき 利子なし
定期・定額貯金 あり なし
ATMでの入出金 可能 不可
他行宛の振込 可能 可能
ゆうちょ銀行宛の振替 可能 可能
現金の送金 不可 可能(小切手払など)
預金保護 1,300万円+利子まで 全額補償

ちなみに、総合口座と振替口座は、口座番号の始まりの数字が異なります。

総合口座は、口座番号の記号が「1」から始まります。振替口座は「0」から始まります。

個人は総合口座のみ開設でOK

通帳を持つ学生

ふだん使い用や貯蓄用にゆうちょ銀行口座を持ちたいなら、総合口座のみで十分です。

貯金や振込、ATMでの入出金など、基本的な銀行取引はすべて利用できます。

ゆうちょ銀行 総合口座で可能な取引

■預金サービス

  • 通常貯金(普通預金)
  • 定期貯金・定額貯金(定期預金)
  • 担保定期貯金・担保定額貯金(自動貸付つき定期預金)
  • 積立定額貯金

■送金サービス

  • 振込・振替
  • 自動送金・自動振込
  • 国際送金
  • 定額料金の引き落とし(公共料金など)
  • 給与・年金受取

■日常使い系サービス

  • ゆうちょPay
  • クレジットカード機能
  • デビット・プリペイド機能
  • Suica機能

他行への現金振込はできませんが、日常生活では不便しません。ゆうちょ銀行口座から振込すればOKです。

振込などの送金は、ネットバンキングサービス「ゆうちょダイレクト」を使うと便利です。平日日中に窓口に行かなくても、スマホやパソコンで送金できます。

ゆうちょダイレクトからの振込は、窓口やATMより振込手数料が低めです。口座開設したら、まず登録しておくのをおすすめします。

ゆうちょPayアプリやクレジットカードなど、キャッシュレス決済も総合口座で利用できます。

お店でゆうちょPay決済すると、総合口座から直接支払えます。後払いのクレジットカードと違い、預金残高以上の決済ができず、使いすぎる心配がありません。

しかし、ゆうちょペイが使えるお店はまだ少なく、不便さが目立ちます。クレジットカードを持ちたくない人は、Visaデビットカード「mijica(ミヂカ)」がおすすめです。

振替口座の特徴とは

悩む男性

ゆうちょ銀行の振替口座は、「決済用預金」という種類の口座です。決済用預金である振替口座の特徴は、以下3点です。

■ゆうちょ銀行 振替口座の特徴

  1. お金の受け取り・送金機能に特化
  2. 利子がつかない
  3. 全額が預金保護対象

ゆうちょ銀行の振替口座では、貯蓄性のある預金はできません。預けているお金に利子は付かず、定期貯金なども利用できません。

利用できるのは、主に資金移動に関するサービスのみです。

ゆうちょ銀行 振替口座で可能な取引
電信振替
ゆうちょ銀行からゆうちょ銀行への送金。
他行宛の振込
多くの人に一斉送金する「総合振込」や、毎月同じ日時・金額で振り込む「自動振込」も利用可。
現金の送金
払い出し証書を使う「通常現金払」や、「小切手払」による送金。
現金の受け取り
相手が現金で送金をする際、「通常払込み」や「電信払込み」で受け取れる。
入出金
預金を引き出すときは、本人払い出し手続きを窓口で行う。
ネットバンキング
総合口座と同じく、ゆうちょダイレクト(法人はゆうちょダイレクトBiz)が使える。総合口座への資金移動も可能。

利用サービスに制限がある振替口座の、最大のメリットは預金全額保護です。預け入れたお金はすべて「預金保険制度(ペイオフ)」の対象となり、保護されます。

万が一ゆうちょ銀行が破綻しても、振替口座のお金は全額、戻ってきます。ゆうちょ銀行の総合口座だと、最大でも元金1,300万円と利子しか保護されません。

利子がつかなくても、安全性重視で貯蓄したい人は、振替口座にお金を預けるのもありです。

ゆうちょ銀行の総合口座は、通常貯金と定期性貯金(定期貯金など)の預入限度額が、それぞれ1,300万円までです。

限度額を超えると、払い戻すか、上限額を引き上げるか選びます。

振替口座のデメリット

振替口座には、デメリットもあります。特に、口座開設時に知っておくべき注意点が3つあります。

振替口座開設は窓口のみ

窓口で相談するイメージ

振替口座を開設するには、ゆうちょ銀行窓口に行く必要があります。個人の振替口座開設には、以下の書類を持参します。

■個人で振替口座を開設するために必要なもの

  • 本人確認書類
  • 銀行印
  • 振替口座加入申込書
  • 振替口座用印鑑票
  • (屋号で開設する場合)開業届のコピーや会社案内など、屋号と所在地がわかる資料

加入申込書と印鑑票は、ゆうちょ銀行の支店で受け取れます。

その場で記入して手続きできますが、自宅で書類を書いてきてもOKです。

▼振替口座加入申込書
振替口座加入申込書

▼振替口座用印鑑票
振替口座印鑑票

屋号での口座開設には、その屋号で事業を行っているとわかる資料が必要です。開業届の控え以外に、会社案内やWebサイトの会社概要ページを印刷したものなど、住所や屋号が入った資料を求められるケースもあります。

複数の資料を持っていけば、その日のうちに手続きしてもらえる可能性が高くなります。

窓口での手続きから約1週間で、振替口座開設の案内が郵送で届きます。

口座開設支店でしか払い出せない

ATMと封筒

振替口座に預け入れたお金は、ATMでは引き出せません。振替口座はキャッシュカードを発行しないからです。

さらに、窓口払い出しができるのは、振替口座を開設した1支店のみです。

自宅や職場の近くなど、立ち寄りやすい支店での口座開設をおすすめします。

私は、口座開設時は「近くにお住まいですか?」と尋ねられました。

着金の郵送通知は有料化

電卓を持つ女性

ゆうちょ銀行の振替口座を開設する際、申込書で「振替受払通知票Webサービスの有無」を選んでチェックします。

振替受払通知票Webサービスとは、振替口座宛に入金があった際に、ゆうちょダイレクト上で通知するサービスです。

このサービスに申し込まない場合は、郵送で通知が届きます。しかし、2020年4月からは、郵送通知が有料化します。

通知を受け取るたびに110円(税込)かかるので、なるべくWeb通知にしておくのがおすすめです。

振替口座を持つメリットがある人

空を見上げる男性

個人でも振替口座を利用するメリットがあるのは、このような人です。

■ゆうちょ銀行の振替口座がおすすめの人(一例)

  • 1,300万円以上のお金をゆうちょ銀行に預けたい人
  • イベントやサークルの代表で、集金する人
  • 仕入先への支払いなど、よく振込する人
  • 仕事用に屋号名義の口座を持ちたい個人事業主や副業中の人

1,300万円以上のお金を、ゆうちょ銀行のみで管理したい人は、振替口座に預けると安心です。

ゆうちょ銀行の預金金利は、総合預金でもほぼゼロです。普通貯金も定期貯金も、長年超低金利のままで、利息には期待できません。割り切って振替口座に預けるのも手です。

少しでも預金で利息を得たい人は、預金金利の高い銀行に分散して預けるのをおすすめします。

預金保険制度では、ゆうちょ銀行以外の銀行は「1行につき1,000万円」までを保護します。2,000万円を預金したいなら、2つの銀行に1,000万円ずつ預ければ、利子も含めて全額保護となります。

特にネット銀行は、ゆうちょ銀行の何倍、何十倍もの預金金利です。大きな金額を預けると、利息差も大きくなります。

なかでもオリックス銀行は、定期預金が高金利なネット銀行として有名です。100万円以上の大口定期預金に特化した、珍しい銀行です。

お金の受け取り・送金を多く行う人や団体にも、振替口座は向いています。銀行口座宛の振込は、総合口座と同じくゆうちょダイレクトから行えます。

お金を受け取る際は、「通常払込み」で集金できるメリットがあります。通常払込みで振り込めるのは、振替口座のみです。

通常払込みとは、ゆうちょ銀行の振替口座に、低い手数料で「現金」を送金できるサービスです。銀行口座を持たない人も、ゆうちょ銀行のATMや窓口から現金を送れます。

総合口座への現金振込より、手数料を抑えられます。相手に手数料を負担してもらう際は親切な印象に、こちらが手数料を負担する際は経費削減になります。

参考記事:ゆうちょ銀行の口座なしで現金振込する方法 通常払込みと電信払込の違いとは

事務所名や店舗名など、屋号名義で口座を持ちたい個人事業主も、ゆうちょ銀行の振替口座がおすすめです。

個人事業主が、大手銀行で屋号の口座を開設できるのは、ゆうちょ銀行の振替口座のみです。ゆうちょ銀行の総合口座は、個人名義でしか開設できません。

安心できるイメージが強いゆうちょ銀行で、屋号の口座があると、ビジネスで信頼感を持ってもらえます。

総合口座も開設する際の注意点

通帳を持つサラリーマン

ゆうちょ銀行の振替口座を開設するなら、総合口座も持っておくのをおすすめします。振替口座の入出金がスムーズになります。

振替口座の残高を入出金する際、本来はゆうちょ銀行の窓口に行く必要があります。多忙な人にとって、平日日中に支店へ行くのは手間です。

総合口座も持っていれば、ネットバンキング「ゆうちょダイレクト」を使い、スマホから振替口座と総合口座への資金移動が可能です。

振替口座からお金を引き出したいときは、ゆうちょダイレクトを利用し、総合口座にお金を移します。そうすれば、ATMからキャッシュカードで出金できます。

2つの口座を管理する際は、総合口座を「無通帳口座」にせず、紙通帳を発行するのをおすすめします。

ゆうちょ銀行の総合口座には、無通帳口座もあります。紙通帳を発行せず、ネットバンキングメインで利用する口座です。

しかし、無通帳口座に切り替えると、ゆうちょダイレクトで振替口座と総合口座を、一括管理できなくなります。

無通帳口座を持つと、ゆうちょダイレクトから「ゆうちょダイレクトプラス」というネットバンキングに切り替わります。「ゆうちょダイレクトプラス」では、振替口座を利用できません。

無通帳口座は、来店不要で口座開設できるなど、メリットも多くあります。しかし、総合口座と振替口座を2つ持ちする際は、おすすめできません。

振替口座の開設時に、総合口座の開設もすれば、一度の来店で両方の手続きを完了できます。総合口座のキャッシュカードは、即日受け取れます。

もし、無通帳口座を開設しても、ゆうちょ銀行の窓口で、紙通帳口座への変更手続きが可能です。

その他、ゆうちょ銀行の記事はこちら

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FP(ファイナンシャルプランナー)のライター。メガバンクとネット銀行の使い分け、投資、スマホ決済でのポイ活などで資産形成中。難しそうな金融の話を、わかりやすく解説します。

より良い情報をお届けするため、一条まつこ がメンテナンスを担当いたしました。(2019年10月11日 更新)

ありがとうございます。

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