ソニー銀行の円定期plus+とは?仕組み預金で効率的な運用を実現
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豊富な金融商品を取り扱っていることで知られるソニー銀行が、新しく「円定期plus+」という商品の販売を開始しました。
円定期plus+は、一言でいうと「仕組み預金」です。縛りとなる一定の条件が加わる代わりに、通常の定期預金よりもお得な金利で運用ができるメリットがあります。
この記事では、仕組預金「円定期plus+」のくわしい解説と、注意すべきデメリットについても説明します。
これまで仕組預金を利用したことがない方は、このタイプの預金商品の特性をきちんと理解しておいてください。
円定期plus+の特徴を1分で理解する
円定期plus+は大きく分けて2種類あります。
- ステップアップ型
- フラット型
「ステップアップ型」は、毎年、段階的に金利が上がっていく仕組みの預金商品です。
10年定期なら、1年目より2年目、2年目より3年目の金利が上がっていくため、もらえる利息も少しずつ増えていきます。
最終年(たとえば10年目)の金利は驚くような高さになっていることも珍しくありません。
また、1年目から通常の円定期よりも高金利になっているケースがほとんどなので、かなりお得です。
「フラット型」は、1年目から満期までずっと、金利が変わりません。
預金金利は、通常の円定期預金と比較して、かなり高めに設定されています。
しかし、満期まで運用した場合、前述の「ステップアップ型」よりももらえる利息が少ないため、仕組預金のなかでもフラット型は人気がやや劣ります。
以上が、ステップアップ型とフラット型の大きな違いです。
いずれも、通常の定期預金とは比べ物にならないほど高金利となっているのが特徴です。
預金金利が高いのは、仕組み預金の大きなメリットと言えます。
もちろん、仕組預金「円定期plus+」も、通常の円定期預金と同様に、満期まで保有すれば元本保証です。
また、円定期plus+は「ペイオフ(預金保護制度)」の対象なので、万が一ソニー銀行が破綻した場合でも、預金額1,000万円までは預金保険機構によって保護されます。
円定期plus+のデメリット
上記の説明だけを聞くと、「金利の高い定期預金で、良い商品」のように思えます。しかし、円定期plus+にもデメリットがあります。
- 満期が繰り上げられる可能性がある
- 中途解約はできない
満期まで保有しておくつもりなら、円定期plus+はメリットが大きい商品となります(通常の円定期預金は解約しても大きなペナルティはありません)。
しかし、「満期」はソニー銀行の意思で繰り上げられることがあります。
たとえば、満期10年のステップアップ型の円定期plus+に申し込んだ場合。段階的に金利が上がるため、あなたはきっと10年目の高金利が楽しみで待ち遠しいはずです。
しかし、ソニー銀行の意向により、この円定期plus+は3年目で終了してしまう。と言ったことが起こりえます。
もちろん、満期が繰り上がった場合は中途解約にはあたらないのでペナルティなどはありません。
もし、満期が繰り上がって1年目で円定期plus+が終了したとしても、通常の円定期と比較して圧倒的に金利が高いので、トータルで得られる利息は、円定期plus+の方がお得になります。
また、原則として中途解約はできません。もし解約すると解約手数料が発生してしまうため、多くの場合、元本を割り込む損失が発生します。
つまり、中途解約さえしなければ元本割れにはならないものの、自分の意思で中途解約してしまうと元本割れが起こるのが、円定期plus+のデメリットです。
仕組預金のカラクリ
なぜこのような商品(ルール)が存在するのでしょう。高金利な仕組み預金には、このようなカラクリがあります。
- 市場金利の変動によって満期の継続・繰り上げが決定する
銀行というのは、「顧客から低い金利でお金を集めて、中小企業や住宅ローンに高い金利で貸し出しを行う」のが基本的なビジネスです。
円定期plus+はこのルールが強く意識された内容となっています。
極端な例を出してわかりやすく説明します。
たとえば、「ステップアップ型、満期は10年、1年目は年0.4%の金利で、段階的に金利が上がり10年目に1.0%の金利」の円定期plus+に申し込んだとします。
現在の普通預金・定期預金の金利と比較しても、かなりの好条件であることは間違いありません。
しかし、市場の金利は常に変動しています。現在から3年後に市場金利が急激に上昇して、10%になったとします。(極端な例ですが)
普通預金金利は市場金利に連動しますから、現在は年0.02%程度の普通預金金利が、一気に年5%とかになるわけです。住宅ローン金利などは年12%とかになっています。
この場合、当然0.4%の仕組み預金を解約して普通預金に乗り換えた方がお得ですよね。
しかし、円定期plus+は中途解約ができないため、私たちは年5%の普通預金金利を見ながら、引き続き年0.4%という不利な金利で10年間運用しなければならないのです。
このケースの場合、実損は出ていませんが、「機会損失(本来得られていたであろう利益が得られないこと)」が出ていることになります。
一方で、ソニー銀行側は、私たちから年0.4%で集めたお金を、住宅ローンとして年12%で貸し出せるので、より多くの利益を確保できます。
逆パターンとして、現在から3年後に市場金利が急激に下がって0.0001%になった場合。普通預金は0.000001%とかになっているでしょうし、住宅ローン金利も0.001%とかになっているでしょう。
そのような中で、あなたは年0.4%、10年後には年1.0%の高金利で定期預金が組めているわけですから、非常にお得です。
普通預金が0.000001%のような水準であれば、どれだけ高金利な定期預金でも、年0.4%にはならないでしょう。
このような場合、あなたにとっては非常にメリットがありますが、ソニー銀行は損失を被ってしまいます。
なぜなら、あなたから0.4%で集めたお金を、さらに低い0.001%で住宅ローンとして貸し出さなければならないからです。これでは銀行側のビジネスが成り立ちません。
この時にソニー銀行は「満期を繰り上げにして強制終了させる」という行動を取ります。ソニー銀行には満期を繰り上げる権利があるので、損失を回避できます。
上記はわかりやすくするために、かなり極端な例を出しましたが、仕組み預金のカラクリはこういったものです。
このように説明すると、「銀行側にいいように作られた商品」と感じるかもしれませんが、銀行の商品は普通預金にしても定期預金にしてもすべて「銀行側が利益が出せるように作られている」ので仕方ありません。
ただ、「使い道のないお金」であれば、少なくとも通常の定期預金に預けておくよりは圧倒的にお得な預金方法であることは間違いありません。
1年目で満期繰り上げとなっても、3年目で満期繰り上げとなっても、基本的には通常の円定期より利息がたくさんもらえる可能性が高いです。
仕組預金を正しく理解しよう
ソニー銀行の新しい商品「円定期plus+」の仕組みは理解できましたか?
一見すると、金利が高くでお得な預金商品に見えますが、仕組預金には、上記で説明したようなカラクリがあるのも事実です。
金利の高さだけで選ぶことなく、内容をきちんと理解した上で円定期plus+の利用を検討してください。
こちらに、ソニー銀行担当者のインタビューが記載されているので合わせてご覧ください。
「仕組み預金」ってなに?担当者インタビュー ~前編:円定期plus+
また、こちらのページでも仕組み預金について解説しています。
▼ソニー銀行の詳細記事はこちら
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