すまい給付金とは 年収条件や期限、申請書の書き方をわかりやすく解説

すまい給付金

すまい給付金とは、消費増税後も住宅を買いやすくするための、公的な支援金制度です。

給付金の最大額が30万円から50万円へと引き上げられ、マイホーム購入の負担を減らせるようになりました

住宅ローン減税と併用して申請できるため、2021年までに新居を購入するなら、積極的に活用していきたいところです。

年収が一定以下の人しか利用できない、などの条件はありますが、新築・中古の場合ともに利用できるため、対象となる人も多くなります。

ここでは、すまい給付金をもらえる条件や申請方法を、公式サイトよりもわかりやすく解説します。

すまい給付金の利用条件まとめ

チェックリスト

すまい給付金には、「名義人」と「購入する住宅」に条件があります。

まず、住宅を購入する名義人の条件は、以下のとおりです。

■すまい給付金 対象者の条件

  1. 自分で住む家を購入する
  2. 収入が一定以下(目安:年収775万円以下)

※住宅ローンを利用しないで住宅を購入する場合は、年齢が50歳以上

すまい給付金は、「住む」ための家を購入する人を対象としています。賃貸用アパートの購入などには、原則利用できません。

収入が一定基準を超えると利用できない制度ですが、年収775万円以下なら利用できる可能性が高いです(詳しくは後述)。

購入する住宅の条件は、3点あります。以下の条件をすべて満たした住宅のみが、すまい給付金に申請できます。

■すまい給付金 住宅の基本条件

  1. 引き渡し時期が2019年10月~2021年12月末
  2. 床面積が50㎡以上(※)
  3. 所定の検査を受け、品質が確認されている

※契約書類に書かれている面積ではなく、「不動産登記上の床面積」

3点目の「所定の検査」とは、以下いずれかの検査、保険や制度を利用していることを指します。

難しい専門用語が並びますが、一般的な住宅なら問題なくクリアできている条件なので、心配しすぎなくても大丈夫です。

すまい給付金を利用するための「検査」(いずれか1つ)

■新築住宅の場合

  • 住宅瑕疵担保責任保険に加入
  • 建設住宅性能表示を利用
  • 第三者機関の検査

■中古住宅の場合

  • 既存住宅瑕疵担保責任保険に加入
  • 既存建設住宅性能表示を利用済み(耐震等級1以上)
  • 建設から10年以内で、住宅瑕疵担保責任保険もしくは住宅性能表示を利用

住宅瑕疵(かし)担保責任保険」とは、住宅の欠陥が見つかった時に補償してもらう保険です。建設から10年間は、加入が義務付けられています。

建設から10年以上経った物件を売る時は、「既存住宅瑕疵担保責任保険」という中古物件用の保険に、売り主が加入します。

さらに、より質の高い住宅を買うために、住宅性能表示という制度があります。

住宅性能表示が交付されている住宅は、地震保険が割引されたり、住宅の売買などの紛争処理を弁護士会へ申請したりできます。

さらに、住宅の売り主以外の「第三者の調査機関」に、欠陥住宅ではないかを調べてもらうことも可能です。

費用はかかりますが、すまい給付金で受け取ったお金でカバーできる範囲で検査をしてもらえる場合もあります。

注文住宅などで欠陥のトラブルを避けたい人は、依頼しておくと安心です。

年収によって変わる給付額

給与明細

すまい給付金の金額は、以下の計算式で決まります。

すまい給付金の給付額=「給付基礎額」×「持分割合」

「給付基礎額」とは、収入住宅を購入する都道府県によって異なります。

地域によって収入の相場に違いがあるので、都道府県によって異なる住民税「都道府県民税の所得割額」を用いて算出します。

所得割額は、引っ越す前に住んでいる市区町村で、個人住民税の課税証明書を発行してもらえば確認できます。

課税証明書は、すまい給付金の申請時に提出する必要があります。当年度の課税証明書は、毎年5月から6月頃に発行できるようになります。

新居の引渡し時期によって、提出しなければならない課税証明書の年度が異なるので、事前に確認が必要です。

給付基礎額は、家族構成や共働きかどうかによっても変わります。共通しているのは、収入が少ないほど、給付基礎額は大きくなることです。

給付基礎額と収入の目安は、下記のとおりです。

■すまい給付金 給付基礎額に対する収入額の目安

給付基礎額 年収の目安
50万円 450万円以下
40万円 450万円超525万円以下
30万円 525万円超600万円以下
20万円 600万円超675万円以下
10万円 675万円超775万円以下

すまい給付金の給付額の計算に使う、もう一方の「持分割合」は、不動産の「登記事項証明書(権利部)」で確認します。

登記事項証明書とは、登記簿謄本のデータを印刷した書類です。記載内容は登記簿謄本と同じなので、謄本を提出しても問題ありません。

今は登記簿をデータ化して管理している登記所が多いので、登記簿謄本ではなく登記事項証明書が主流です。

このように、すまい給付金の給付額は、基本的には給付基礎額と持分割合によって決まります。

一方、住宅ローンを利用しているかどうか、住宅が新築か中古かどうかによっても、給付額が変わってきます。

住宅ローンなしでも申請可

家

本来、すまい給付金は住宅ローン減税の補てんとして生まれた制度なので、住宅ローンを利用することが前提です。

ただし、50歳以上の人が取得する場合に限り、住宅ローンなしでマイホームを購入する際にも、すまい給付金を申請できます。

住宅ローンを利用する場合には、以下3点の条件を満たしている必要があります。

■すまい給付金で「住宅ローン」とみなす条件

  1. 自分が住む家を買うために借り入れる
  2. 返済期間が5年以上
  3. 金融機関からの借入れ(※)

※親族や知人からお金を借りる場合は対象外

住宅ローンを利用しない場合には、住宅の引き渡しを行う年の「年末」時点で、50歳以上であることが条件です。

たとえば、引き渡しが2020年10月の住宅を購入する場合、50歳を迎える誕生日が2020年11月だったとしても、すまい給付金の対象となります。

さらに、新築物件を購入する場合は、年収目安が650万円以下である必要があります。

新築・中古で要件が変わる

2つの家

住宅ローンを利用する場合もしない場合も、購入する住宅が新築か中古かによって、すまい給付金の要件は異なります。

住宅ローンで購入する場合は、新築・中古ともに「床面積50平米以上」「所定の検査」の2つの条件を満たしていればOKです。

ただし、住宅ローンを利用しない場合には、以下の要件が追加されます。

すまい給付金を「住宅ローンなし」で利用するための要件

■新築住宅の場合

  • 住宅取得者の年齢が50歳以上
  • 年収目安が650万円以下
  • 住宅が「フラット35S」の基準を満たしている

■中古住宅の場合

  • 住宅取得者の年齢が50歳以上

新築の家を住宅ローンなしで買う場合は、すまい給付金を申請するにあたって、フラット35Sの基準を満たす必要があります。

フラット35Sとは、国が運営する住宅ローン「フラット35」の中でも、耐震・省エネルギー・バリアフリー・耐久性の条件を満たした家のみに利用できる借入プランです。

住宅ローンを使わずに新築のマイホームを買うなら、より優良な住宅でないといけない、ということを意味します。

さらに、年収目安が650万円以下でなければならないので、利用のハードルは高めです。

フラット35Sに適用するかどうかは、物件の検査で確認してもらう必要があります。

たとえば、住宅金融支援機構(フラット35の運営元)との提携機関に所属している建築士は、検査によって「フラット35S適合証明書」を発行してくれます。

これは、すまい給付金の申請をする際にも必要な書類です。

申請方法は窓口か郵送

銀行の窓口

すまい給付金の申請は、窓口もしくは郵送で行います。

窓口は全国にあり、建築協会や建築系企業などで申請が可能です(→「すまい給付金」公式サイト 窓口検索はこちら)。

一部の窓口ではサポートセンターの役割も果たしているので、相談も可能です。不安な人は、はじめにサポートセンターに行ってみることをおすすめします。

いずれの申請方法も、住宅の引き渡しから1年以内に申請をする必要があります。

申請書類を提出してから1ヶ月半から2ヶ月ほどで、給付金が振り込まれます。

基本的には、住宅を取得した本人が手続きを行います。

しかし、不動産屋やハウスメーカーが手続きを代行してくれるケースもあります。その場合、すまい給付金の振込先は「業者あて」になります。

すまい給付金を住宅の購入費に充てることになるので、給付金をマイホーム購入費以外に使いたい場合は、自分で申請することをおすすめします。

申請の流れは以下のとおりです。

手続きの手順自体はシンプルですが、提出書類を用意するのに時間がかかるかもしれません。

すまい給付金の申請の流れ
  1. すまい給付金申請窓口、もしくは郵送で書類一式を提出
  2. すまい給付金事務局にて審査
  3. 審査通過後、給付金を振込

窓口で相談をしなくても、いきなり郵送で申請することも可能です。

提出する書類は、以下8種類の証明書類です。

■すまい給付金の申請で必要な8つの書類

専用の給付申請書
国土交通省の公式サイトで入手 ※新築と中古など、タイプによって書式が異なるので注意
住民票の写し
引越し後の市区町村で、原本を取り寄せる
個人住民税の課税証明書
引っ越し前の市区町村で、原本を取り寄せる
登記事項証明書(もしくは謄本)
法務局で原本を取り寄せる
不動産売買契約書、もしくは工事請負契約書
住宅を購入したことを証明する書類として、コピーを提出
住宅ローン契約書
住宅ローンを利用する場合は、契約内容がわかる「金銭消費貸借契約書」のコピーを提出
振込先口座が確認できる書類
通帳のコピーなど、給付金の振込先がわかる書類
住宅の検査を実施したことがわかる書類
住宅瑕疵担保責任保険の証明書(コピー)・建設住宅性能評価書(コピー)・検査実施確認書(原本)のいずれかを提出

※住宅ローンを利用しない場合は、住宅ローン契約書のかわりに、新居がフラット35Sの基準を満たしていることを証明する書類が必要です。

申請書はネット作成がかんたん

シニア男性

すまい給付金の申請書は、国土交通省の公式サイト上で作成できます。

申請書等作成機能」というページから入力フォームに記入すると、印刷画面のプレビュー画面が自動作成されます。それを印刷するだけで、申請書が完成します。

▼すまい給付金「申請書等作成機能」ページサンプル
すまい給付金の申請書ページ

私は、上記の入力フォームから作成するほうが、シンプルでわかりやすいと感じました。

公式サイトでは申請書のPDFデータも配布しており、印刷してから手書きで作ることも可能です。しかし、記入内容が多い書類なので、すべて手書きで埋めるのは大変です。

書き損じでやり直しにならないためにも、パソコン上での入力をおすすめします。

申請書には、所得割額や持分割合なども記入するので、申請書類をすべて集め終えてから作り始めるとスムーズです。

自宅にスマホ画面を印刷できるプリンターを持っていれば、スマホですまい給付金の申請書を作ることも可能です。

自宅にパソコンやプリンターがない場合でも、ネットカフェでかんたんに作れます。その際は、申請書類も持っていくことをお忘れなく。

給付金のシミュレーションができる

電卓

すまい給付金の公式サイトでは、すまい給付金シミュレーションも公開しています。

自分がいくら給付金をもえらえそうなのかを、1~2分ほどで試算することができます。

あわせて住宅ローン減税の試算もできるので、新しく家を買う前にチェックしておくと安心です。

すまい給付金 公式サイト(国土交通省)はこちら

住宅購入の豆知識コラム

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FP(ファイナンシャルプランナー)のライター。メガバンクとネット銀行の使い分け、投資、スマホ決済でのポイ活などで資産形成中。難しそうな金融の話を、わかりやすく解説します。

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