すまい給付金とは 年収条件や期限、申請書の書き方をわかりやすく解説
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すまい給付金とは、消費増税後も住宅を買いやすくするための、公的な支援金制度です。
給付金の最大額が30万円から50万円へと引き上げられ、マイホーム購入の負担を減らせるようになりました
住宅ローン減税と併用して申請できるため、2022年までに新居を購入するなら、積極的に活用していきたいところです。
年収が一定以下の人しか利用できない、などの条件はありますが、新築・中古の場合ともに利用できるため、対象となる人も多くなります。
ここでは、すまい給付金をもらえる条件や申請方法を、公式サイトよりもわかりやすく解説します。
目次
すまい給付金の利用条件まとめ
すまい給付金には、「名義人」と「購入する住宅」に条件があります。
まず、住宅を購入する名義人の条件は、以下のとおりです。
■すまい給付金 対象者の条件
- 自分で住む家を購入する
- 収入が一定以下(目安:年収775万円以下)
※住宅ローンを利用しないで住宅を購入する場合は、年齢が50歳以上。
すまい給付金は、「住む」ための家を購入する人を対象としています。賃貸用アパートの購入などには、原則利用できません。
収入が一定基準を超えると利用できない制度ですが、年収775万円以下なら利用できる可能性が高いです(くわしくは後述)。
購入する住宅の条件は、3点あります。以下の条件をすべて満たした住宅のみが、すまい給付金に申請できます。
■すまい給付金 住宅の基本条件
- 2022年12月31日までに引き渡され入居が完了すること
- 床面積が50㎡以上(※)
- 所定の検査を受け、品質が確認されている
※契約書類に書かれている面積ではなく、「不動産登記上の床面積」で判断します。
※新築:令和2年10月1日から令和3年9月30日、中古:令和2年12月1日から令和3年11月30日までに契約した場合は40㎡以上。
3点目の「所定の検査」とは、以下いずれかの検査、保険や制度を利用していることを指します。
難しい専門用語が並びますが、一般的な住宅なら問題なくクリアできている条件なので、心配しすぎなくても大丈夫です。
■新築住宅の場合
- 住宅瑕疵担保責任保険に加入
- 建設住宅性能表示を利用
- 第三者機関の検査
■中古住宅の場合
- 既存住宅売買瑕疵保険へ加入
- 既存住宅性能表示制度を利用済み(耐震等級1以上)
- 建設から10年以内で、住宅瑕疵担保責任保険もしくは住宅性能表示を利用
「住宅瑕疵(かし)担保責任保険」とは、住宅の欠陥が見つかったときに補償してもらう保険です。建設から10年間は、加入が義務付けられています。
建設から10年以上経った物件を売るときは、「既存住宅売買瑕疵保険」という中古物件用の保険に、売り主が加入します。
さらに、より質の高い住宅を買うために、住宅性能表示という制度があります。
住宅性能表示が交付されている住宅は、地震保険が割引されたり、住宅の売買などの紛争処理を弁護士会へ申請したりできます。
さらに、住宅の売り主以外の「第三者の調査機関」に、欠陥住宅ではないかを調べてもらうことも可能です。
費用はかかりますが、すまい給付金で受け取ったお金でカバーできる範囲で検査をしてもらえる場合もあります。
注文住宅などで欠陥のトラブルを避けたい人は、依頼しておくと安心です。
年収によって変わる給付額
すまい給付金の金額は、以下の計算式で決まります。
すまい給付金の給付額=「給付基礎額」×「持分割合」
「給付基礎額」とは、収入や住宅を購入する都道府県によって異なります。
地域によって収入の相場に違いがあるので、都道府県によって異なる住民税「都道府県民税の所得割額」を用いて算出します。
所得割額は、引っ越す前に住んでいる市区町村で、個人住民税の課税証明書を発行してもらえば確認できます。
課税証明書は、すまい給付金の申請時に提出する必要があります。当年度の課税証明書は、毎年5月から6月頃に発行できるようになります。
新居の引渡し時期によって、提出しなければならない課税証明書の年度が異なるので、事前に確認が必要です。
給付基礎額は、家族構成や共働きかどうかによっても変わります。共通しているのは、収入が少ないほど、給付基礎額は大きくなることです。
給付基礎額と収入の目安は、下記のとおりです。
■すまい給付金 給付基礎額に対する収入額の目安
給付基礎額 | 年収の目安 |
---|---|
50万円 | 450万円以下 |
40万円 | 450万円超525万円以下 |
30万円 | 525万円超600万円以下 |
20万円 | 600万円超675万円以下 |
10万円 | 675万円超775万円以下 |
すまい給付金の給付額の計算に使う、もう一方の「持分割合」は、不動産の「登記事項証明書(権利部)」で確認します。
登記事項証明書とは、登記簿謄本のデータを印刷した書類です。記載内容は登記簿謄本と同じなので、謄本を提出しても問題ありません。
今は登記簿をデータ化して管理している登記所が多いので、登記簿謄本ではなく登記事項証明書が主流です。
このように、すまい給付金の給付額は、基本的には給付基礎額と持分割合によって決まります。
一方、住宅ローンを利用しているかどうか、住宅が新築か中古かどうかによっても、給付額が変わってきます。
住宅ローンなしでも申請可
本来、すまい給付金は住宅ローン減税の補てんとして生まれた制度なので、住宅ローンを利用することが前提です。
ただし、50歳以上の人が取得する場合に限り、住宅ローンなしでマイホームを購入する際にも、すまい給付金を申請できます。
住宅ローンを利用する場合には、以下3点の条件を満たしている必要があります。
■すまい給付金で「住宅ローン」とみなす条件
- 自分が住む家を買うために借り入れる
- 返済期間が5年以上
- 金融機関からの借入れ(※)
※親族や知人からお金を借りる場合は対象外。
住宅ローンを利用しない場合には、住宅の引き渡しを行う年の「年末」時点で、50歳以上であることが条件です。
たとえば、引き渡しが2022年10月の住宅を購入する場合、50歳を迎える誕生日が2022年11月だったとしても、すまい給付金の対象となります。
さらに、新築物件を購入する場合は、年収目安が650万円以下である必要があります。
新築・中古で要件が変わる
住宅ローンを利用する場合もしない場合も、購入する住宅が新築か中古かによって、すまい給付金の要件は異なります。
住宅ローンで購入する場合は、新築・中古ともに「床面積50平米以上」「所定の検査」の2つの条件を満たしていればOKです。
ただし、住宅ローンを利用しない場合には、以下の要件が追加されます。
■新築住宅の場合
- 住宅取得者の年齢が50歳以上
- 年収目安が650万円以下
- 住宅が「フラット35S」の基準を満たしている
■中古住宅の場合
- 住宅取得者の年齢が50歳以上
新築の家を住宅ローンなしで買う場合は、すまい給付金を申請するにあたって、フラット35Sの基準を満たす必要があります。
フラット35Sとは、国が運営する住宅ローン「フラット35」の中でも、耐震・省エネルギー・バリアフリー・耐久性の条件を満たした家のみに利用できる借入プランです。
住宅ローンを使わずに新築のマイホームを買うなら、より優良な住宅でないといけない、ということを意味します。
さらに、年収目安が650万円以下でなければならないので、利用のハードルは高めです。
フラット35Sに適用するかどうかは、物件の検査で確認してもらう必要があります。
たとえば、住宅金融支援機構(フラット35の運営元)との提携機関に所属している建築士は、検査によって「フラット35S適合証明書」を発行してくれます。
これは、すまい給付金の申請をする際にも必要な書類です。
申請方法は窓口か郵送
すまい給付金の申請は、窓口もしくは郵送で行います。
窓口は全国にあり、建築協会や建築系企業などで申請が可能です(→「すまい給付金」公式サイト 窓口検索はこちら)。
一部の窓口ではサポートセンターの役割も果たしているので、相談も可能です。不安な人は、はじめにサポートセンターに行ってみることをおすすめします。
いずれの申請方法も、住宅の引き渡しから1年3ヶ月以内に申請をする必要があります。
申請書類を提出してから3~4ヶ月ほどで、給付金が振り込まれます。
基本的には、住宅を取得した本人が手続きを行います。
しかし、不動産屋やハウスメーカーが手続きを代行してくれるケースもあります。その場合、すまい給付金の振込先は「業者あて」になります。
すまい給付金を住宅の購入費に充てることになるので、給付金をマイホーム購入費以外に使いたい場合は、自分で申請することをおすすめします。
申請の流れは以下のとおりです。
手続きの手順自体はシンプルですが、提出書類を用意するのに時間がかかるかもしれません。
- すまい給付金申請窓口、もしくは郵送で書類一式を提出
- すまい給付金事務局にて審査
- 審査通過後、給付金を振込
窓口で相談をしなくても、いきなり郵送で申請することも可能です。
提出する書類は、以下8種類の証明書類です。
■すまい給付金の申請で必要な8つの書類
- 専用の給付申請書
- 国土交通省の公式サイトで入手 ※新築と中古など、タイプによって書式が異なるので注意
- 住民票の写し
- 引越し後の市区町村で、原本を取り寄せる
- 個人住民税の課税証明書
- 引っ越し前の市区町村で、原本を取り寄せる
- 登記事項証明書(もしくは謄本)
- 法務局で原本を取り寄せる
- 不動産売買契約書、もしくは工事請負契約書
- 住宅を購入したことを証明する書類として、コピーを提出
- 住宅ローン契約書
- 住宅ローンを利用する場合は、契約内容がわかる「金銭消費貸借契約書」のコピーを提出
- 振込先口座が確認できる書類
- 通帳のコピーなど、給付金の振込先がわかる書類
- 住宅の検査を実施したことがわかる書類
- 住宅瑕疵担保責任保険の証明書(コピー)・建設住宅性能評価書(コピー)・検査実施確認書(原本)のいずれかを提出
※住宅ローンを利用しない場合は、住宅ローン契約書のかわりに、新居がフラット35Sの基準を満たしていることを証明する書類が必要です。
申請書はネット作成がかんたん
すまい給付金の申請書は、国土交通省の公式サイト上で作成できます。
「申請書等作成機能」というページから入力フォームに記入すると、印刷画面のプレビュー画面が自動作成されます。それを印刷するだけで、申請書が完成します。
▼すまい給付金「申請書等作成機能」ページサンプル
私は、上記の入力フォームから作成するほうが、シンプルでわかりやすいと感じました。
公式サイトでは申請書のPDFデータも配布しており、印刷してから手書きで作ることも可能です。しかし、記入内容が多い書類なので、すべて手書きで埋めるのは大変です。
書き損じでやり直しにならないためにも、パソコン上での入力をおすすめします。
申請書には、所得割額や持分割合なども記入するので、申請書類をすべて集め終えてから作り始めるとスムーズです。
自宅にスマホ画面を印刷できるプリンターを持っていれば、スマホですまい給付金の申請書を作ることも可能です。
自宅にパソコンやプリンターがない場合でも、ネットカフェでかんたんに作れます。その際は、申請書類も持っていくことをお忘れなく。
給付金のシミュレーションができる
すまい給付金の公式サイトでは、すまい給付金シミュレーションも公開しています。
自分がいくら給付金をもえらえそうなのかを、1~2分ほどで試算することができます。
あわせて住宅ローン減税の試算もできるので、新しく家を買う前にチェックしておくと安心です。
住宅ローン減税についてはこちら:
住宅ローン減税とは?3分でわかる仕組みと申請に必要な書類リスト