【いつ改善?】ネット銀行には5つのデメリットがあるが解決するのは難しい
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ネット銀行の情報サイトを運営している私自身も、個人的にもネットバンクは愛用しています。
実際に日常的に使っていてもデメリットはほとんど感じませんし、もう窓口の銀行を使う機会も少なくなってきました。私は自営業者なのですが、会社のメインバンクですらネット銀行です。
しかし、ネット銀行にも5つほどデメリットがあります。
そしていずれも今後も改善は難しいデメリットなので、「ネット銀行ってどうなの?」と思う方は知っておくと安心です。
※金額・手数料表記はすべて税込です。
目次
ネット銀行の5つのデメリット
ネット銀行のデメリットは「ネット専業」という性質上、改善の見込みが薄いものばかりです。
なかには、裏を返せばメリットとも言えるものもあり、それらの特徴を評価している人がネット銀行を使っているとも言えます。
ここでまとめている5つのデメリットに納得できるのであれば、ネット銀行が向いていると思います。
窓口がない
ネット銀行は無店舗で営業している場合がほとんどです。
店舗を持たず、窓口で働く人をなくすことでコストを下げ、その分を金利や手数料で顧客に還元するというのが、ネット銀行のおもなコンセプトです。
つまり、従来の銀行では、わからないことがあれば窓口に相談しに行くことができましたが、ネット銀行は店舗での直接相談が基本できません。
対面で話をしながら住宅ローンや投資信託を考えたり、取引をしたい方にとっては、窓口がないことは、改善が見込めないデメリットになると思います。
しかし、平日の日中に仕事をしていて、銀行が開いている時間に立ち寄れない人からすると、大きな違いにはなりません。
また、ネット銀行は、店舗相談ができないというデメリットをカバーするために、メールや電話によるサポート、またサイト内でのQ&Aページの充実を図っています。
紙の通帳がない
紙の通帳がないことも、ネット銀行のデメリットです。
最近は携帯電話料金やクレジットカードの明細書も電子化の流れになっていますが、ネット銀行は最初から紙の通帳は発行されません。
紙通帳の残高を眺めて、貯金のモチベーションを上げるタイプの人にとっては、使いづらいと感じるかもしれません。
しかし、最近は「スマホでいつでも最新の明細をチェックできる」ということがメリットと感じる人が増え、メガバンクでも紙通帳なしの口座を扱い始めています。
また、紙通帳のように紛失してしまうことがないという安全面も、メリットと言えます。
しかし、取引明細は15ヶ月程度までしか遡れないネット銀行がほとんどなので、過去の明細を保管したい人は定期的に自分でプリントアウトする必要があります。
※【素朴な疑問】ネット銀行の入金・出金・振込はどこで行う?通帳の発行は?に書きましたが、住信SBIネット銀行、SBI新生銀行、PayPay銀行など、一部の銀行では明細の閲覧が無期限となりました。
その他のネット銀行では、明細の閲覧期間がすぎると、有料で取引明細を送付してもらう方法があります。
おそらく将来的には、ほとんどの銀行が明細閲覧期限の無期限化を行うと思います。
公共料金の引き落としに対応していない場合も
一部のネット銀行は、公共料金の引き落としに対応していない点もデメリットの一つです。
私はこれが一番のデメリットだと思っています。
現在、公共料金や国庫金に対応しているネット銀行は4行です。
これらの銀行は、公共料金の引き落としや、年金の受け取り、税金の還付金の受取口座として使うことができます。
しかし、税金(国税)の支払口座としてはネット銀行は使えません。
私は自営業なので、毎年確定申告をした後に自分で税金を払うことになるのですが、その引落口座に対応しているネット銀行が一つもないのです。
税金の還付金の受け取りには使えるようになったものの、税金の支払い口座に使えないので、現状ではネット銀行のみに一本化することができません。
この点はWikipediaの新たな形態の銀行に簡単な記載があります。
この問題は、将来的に改善される可能性は十分あると思います。
現時点で公共料金の引き落としに対応する方法としては、クレジットカードを使う方法があります。
公共料金の支払いをクレジットカード払いにして、クレジットカード利用代金の引き落とし口座にネット銀行を指定するという方法です。
クレジットカードの引き落としにはほぼすべてのネット銀行が対応しているので、この方法ならネット銀行の口座が使えます。
ATMが限られている
ネット銀行は、利用できるATMの数が限られています。
たとえば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行のような大手銀行の場合、自社ATM以外でもほとんどのATMが使えます。
これは、基本的にほとんどのATMが、都市銀行やMICS提携金融機関のキャッシュカードを受け入れているからです(ただし、手数料は高くつきます)。
しかし、自社ATMを持たないネット銀行は、提携ATM以外の場所ではキャッシュカードが使えません。
一方、ネット銀行のATM利用については、メリットもあります。
それは、ネット銀行はコンビニATMに強いという特徴です。
ネット銀行はほとんどが自社ATMを持っていないので、提携ATMで入金・出金を行う必要があります。
そのぶん、利便性の高いコンビニATMには優先的に対応しています。
主要なネット銀行はセブンイレブンATM、ローソンATM、イーネットATM(ファミリーマート系列)をほぼ網羅している上に、ATM手数料が無料のケースも多いです。
銀行ATMがなかなかない地域でも、コンビニはある場合が多いので、手軽にお金を引き出したり預け入れたりできます。
使えるATMが限られている点はデメリットですが、コンビニATMが使えれば使い勝手に大きな問題はありません。
銀行ATMよりコンビニATの方がよく使う人にとっては、ネット銀行の方がアクセスが良く、手数料も安く抑えられます。
たとえば、住信SBIネット銀行のATM手数料は、下記のような料金体系です。
■住信SBIネット銀行 ATM手数料
- 入金:金額に関わらず無料
- 出金:ランクにより月15回まで無料、6回目以降は110円
- セブン銀行ATMなら何度使っても完全無料
毎月よほど入出金を繰り返す人でなければ、ATM手数料を支払うことは一切なくなります。
社会的な信用が低い
私が友人に、「なぜネット銀行を使わないの?」と聞いたところ、「社会的な信用が低いから使う気になれない」との回答をもらいました。
やはり、まだまだネット銀行やネット通販のように、インターネットを使った電子取引に抵抗感がある人は一定数います。
実際は、ネット銀行はセキュリティ対策については非常に厳重で、むしろネットバンキング被害に遭っているのはほとんどが都市銀行ですが、「ネット取引」そのものに不安を感じる人がまだまだ多いのだと思います。
また、なかにはネット銀行はメガバンクより知名度が低く、企業としての安全性が不安という声もあります。
その点に関しても、「自己資本比率でネット銀行の安全性を比較する」で書いた通り、ネット銀行の多くは財務健全性が非常に高いので安心です。
ネット銀行によっては、一部の地方銀行よりも預金残高が高い、つまり多くのお金を預かっている銀行もあります。
また、社会的信用についても、基本的にネット銀行は大手企業がバックに付いていることがほとんどです。
例:
- auじぶん銀行…三菱UFJ銀行とKDDIが共同設立
- PayPay銀行…三井住友銀行とヤフーが共同設立
健全性の面では問題がないのですが、社会的な信用やブランド力が低いのは否めません。
たとえば、「メインバンクはPayPay銀行です!」という会社と、「メインバンクは三菱UFJ銀行◯◯支店です!」という会社では、後者の方が信頼できそうな印象になってしまいます。
この問題は、ネット銀行の認知度がまだまだ低いことを示しており、改善には時間がかかると思います。
それでもネット銀行のメリットは大きい
以上が、私が考えるネット銀行のデメリットです。
まったく気にならない部分もあれば、むしろメリットだと感じるところもあったと思います。
ネット銀行を使うと、便利、金利が高い、手数料が安いといったメリットが豊富で、日常生活の家計の改善にも繋がるほどだと思います。
たとえば、ATMをよく使う人や、銀行振込をよく行う人にとっては、毎月かかっているATM手数料・振込手数料が節約できます。
ネット銀行の口座開設や維持費用は完全無料なので、興味がある方は聞いたことがあるネット銀行を始めてみてもいいと思います。
多くの人が小額の預金からネット銀行を始めており、使い勝手が気に入ったら使う頻度を上げていっています。