モバイルSuicaにKyashを登録する時の3つ注意点・デメリット
スマホ決済「モバイルSuica」に、高還元プリペイドカードKyash(キャッシュ)を使うと還元率が高くなると話題です。
モバイルSuicaとは、スマホをかざすだけで電車に乗れるようになったり、電子マネースイカ支払いができるようになるサービスです。
Apple PayとGoogle Pay両方で使えるので、iPhoneユーザーもAndroidユーザーも活用できるスマホ決済のひとつです。
一方Kyashとは、利用額の2.0%がキャッシュバックされる、クレジットカードをも上回る還元率のプリペイドカードです。
入会金・年会費はもちろん無料、仕送りや割り勘に使える個人間送金も手数料なしで行えるので、新しい金融サービスとして急速に広まっています。
このKyashをモバイルSuicaのチャージ方法として登録すると、還元率4%以上も実現可能です。
しかし、この組み合わせにはデメリットもあります。
今回は、モバイルスイカとKyashを使うメリットとデメリット、記事の最後にはもっとお得なサービスの組み合わせ方もまとめました。
目次
モバイルSuica+Kyashのメリットは還元率の高さ
モバイルSuicaとKyashのダブル使いが評判になっているのは、Kyashのキャッシュバック率の高さが大きな理由です。
Kyashは、利用金額の2.0%をキャッシュバックするという、クレジットカードの還元率を上回るサービスを提供しています。
電車に乗る時だけでなく買い物にも使える電子マネー「Suica」でKyashを使えば、日常的に節約ができると注目されました。
また、Kyashはチャージ方法にクレジットカードやデビットカードを登録するとポイント二重取りができるので、実質還元率をさらに上げることもできます。
たとえば、還元率1.0%のクレジットカードをKyashのチャージ用カードとして登録すると、合計3.0%の還元を受けられます。
この状態のKyashをモバイルSuicaに登録しておけば、「還元率3.0%のモバイルSuica」になるという仕組みです。
さらに、JR東日本のポイント「JRE POINT」のサイトでSuicaを登録すると、JR東日本系のお店でSuica決済した時にJREポイントが0.5~1.0%還元されるようになります。
駅ナカ自販機acureやコンビニNewDaysなどが対象なので、東日本でJRをよく使う人にとってはポイントが貯めやすいと思います。
JREポイントも含めると、モバイルSuica+Kyash(還元率1.0%のクレカ登録)の組み合わせで、最大還元率が4.0%以上にもなるので、非常にお得です。
ビッグカメラSuicaカード・ビューカードと比較
ちなみに、Kyashが登場するまで「モバイルSuicaと組み合わせて使うと最強の還元率」と言われていたのは、ビックカメラSuicaカードとビューカードです。
ビューカードとは、JR東日本系列のクレジットカードです。
ビックカメラSuicaカードは、家電量販店大手のビックカメラとビューカードが提携して生まれたカードなので、ビューカードの一種です。
JR東日本だけでなく、ビックカメラで使うことでも高いポイント還元を受けられると口コミでも高評価のカードです。
どちらもJREポイントの還元率が0.5%と高いだけではなく、モバイルSuicaへのチャージや定期券購入をする際は還元率1.5%まで引き上がる点がメリットです。
- ビックカメラSuicaカード
通常の還元率:1.0%(ビックポイント0.5%+JREポイント0.5%)
チャージや定期券購入時の還元率:1.5%
ビックカメラでの買い物の還元率:10%- ビューカード
通常の還元率:0.5%
チャージや定期券購入時の還元率:1.5%
どちらも年会費が有料のカードですが、実質年会費を無料にすることが可能です。
ビックカメラSuicaカードは、初年度年会費無料、次年度以降は1年間で1度でもカード決済をすれば年会費無料になります。
ビューカードは、Web明細に登録すると毎月ポイント付与を受けることができ、年会費をペイできます。Web明細に登録するだけで年会費が実質0円になると言えます。
しかし、Kyashは通常の還元率がつねに2.0%な上に、年会費が完全無料なので、メリットが多いです。
さらにポイント二重取りができることも考えると、還元率だけでいうと倍近くの差が開きます。
Kyashの3つのデメリット
これだけ見ると、すぐにKyashを発行してモバイルSuicaに登録したくなると思います。
しかし、Kyashにもデメリットはあります。
特に、現在ビューカードを使っている人にとっては、Kyashよりビューカードの方が向いている場合もあるので、自分にとってどちらが便利かを見極めなければなりません。
結論から言うと、オートチャージを活用している人や、Suicaヘビーユーザーはビューカードの方が向いています。
具体的な注意点は、下記3点です。
オートチャージは使えない
今までモバイルSuicaのオートチャージを利用していた人は、登録クレジットカードをKyashに変更すると、オートチャージ機能は使えなくなるので要注意です。
なぜなら、モバイルSuicaでオートチャージが使えるのは、ビューカードを利用している場合のみだからです。
ビューカード登録のSuica残高が一定以下になると、自動的にクレジットカードからチャージされ、手動でチャージする必要がありません。
しかし、ビューカードではないKyashを登録するとオートチャージは使えなくなり、残高が少なくなるたびにクレジットカードからチャージを行うことになります。
クレジットカードチャージはスマホで簡単にできるので、乗車頻度が少なければそこまで手間ではないと思いますが、わずらわしいと感じる人はビューカードのままでも良いかもしれません。
還元は6,000円以上のチャージから
KyashからモバイルSuicaにチャージする時、1回のチャージが6,000円以上でないと2.0%のKyashキャッシュバックが受けられません。
キャッシュバックを受けられないとKyashでチャージするメリットが無くなるので、チャージ金額は6,000円から行うことをおすすめします。
※モバイルSuicaへのチャージ、購入について
チャージやモバイルSuicaアプリ内での決済は、6,000円以上(1回のチャージ金額または1回の決済金額)がキャッシュバック対象となります例:6月に1回のチャージで6,000円チャージした場合は6,000円の2%(120円)が7月末までにKyash残高にキャッシュバックされます。
例:1回5,000円のチャージを2回した場合は、1回のチャージ金額が6,000円未満のため累計額に関わらずキャッシュバック対象外となります。
-Kyash公式サイト「Kyash FAQ」より抜粋
上記の通り、あくまで「1回のチャージが6,000円以上」である必要があります。
Kyashのキャッシュバックは1ヶ月ごとの利用額に応じて行われますが、モバイルSuicaへのチャージは1回ごとにキャッシュバック判定があります。
1ヶ月の間に3,000円以上のチャージを2回行い、合計チャージ金額が6,000円を超えたとしても還元されないので要注意です。
Kyashの利用限度額は低い
Kyashはクレジットカードに比べて利用限度額が低いので、モバイルSuicaに頻繁にチャージするとあっという間に限度額に達してしまう可能性があります。
特に、新幹線や特急券、定期券などをモバイルSuicaで購入する人は要注意です。
■Kyashの利用限度額
- 24時間の上限:5万円
- 1回の上限:5万円
- 1ヶ月の上限:12万円
- 5年間の上限:100万円
「5年間で100万円」というと、1年間に20万円しか使えない計算です。
たとえば、6ヶ月定期券を買うと5万円前後、移動距離が長いと10万円近くになることもあるので、これで年2回の定期購入をすると限度額ギリギリに達します。
定期券購入に加えて、日常的な移動にもモバイルSuicaを利用していると、Kyashの利用上限に達してしまう可能性が十分あります。
新幹線をよく利用する人は、「エクスプレス予約」を別で利用した方が、料金もお得な上にKyashの利用限度額を圧迫しなくて済むのでおすすめです。
エクスプレス予約で使える代表的なクレジットカードはJ-WESTカードですが、ビューカードも利用できます。
1円だけ引き落とされる理由
ちなみに、モバイルSuicaにKyashを登録すると、1円や50円など少額の引き落としが発生することがあります。
これは、一部のVisa加盟店が行っている「カードがちゃんと使えるかどうか」を確認するための引き落としです。
カードが利用停止になっているなど、有効ではない場合はSuicaの自動チャージができなくなるので、この確認作業を行っているのかもしれません。
早ければ即時、遅くとも60日以内には返金されるので、問題ありません。
万が一、2ヶ月以上経っても返金がされない場合は、お問い合わせをしてみることをおすすめします。
その際、「取引番号」がわかるようにしておくとスムーズです。
PayPayや楽天ペイで還元率をもっと上げる方法
ちなみに、店舗での買い物においては、還元率をもっと上げる方法もあります。
それは、モバイルSuicaではなくキャッシュバックがあるスマホ決済アプリにKyashを登録するという方法です。
大手のスマホ決済アプリでいうと、ソフトバンク系列のPayPay、楽天グループの楽天ペイがおすすめです。
PayPayと楽天ペイは、アプリから決済すると支払額の0.5%がキャッシュバックされます。
モバイルSuicaは、JR東日本系の特定店舗でスイカ決済をするとJREポイントが還元されますが、それ以外のお店ではSuica決済によるポイントバックはありません。
よって、駅ナカであまり買い物をしない人やJR以外の電車も使う人は、思ったよりポイントバックが受けられないというケースもあります。
一方、PayPayや楽天ペイは、利用できる店舗すべてで0.5%キャッシュバックがあるので、日常使いではメリットが多いです。
PayPayと楽天ペイは、ローソンやファミリーマードなど全国展開のコンビニ、居酒屋など、幅広い店舗にエリアを拡大しているので、キャッシュバックを受けられるシーンは多いです。
「たった0.5%の差なら、今までどおりモバイルSuicaでもいいや」と思う人もいるかもしれませんが、スマホ決済アプリではキャッシュバック率アップのキャンペーンも積極的に行っています。
たとえばPayPayは、還元率20%という大規模なキャッシュバックも行うことがあるので、ここまで還元率の差が開くと無視できません。
モバイルSuicaはオートチャージが使えるビューカード、買い物はPayPayや楽天ペイにKyashを登録する、という使い分けをするのもおすすめです。
あわせて読みたい:
Kyashでポイント二重・三重取りをする使い方 クレジットカードなしでもOK
