ローソン銀行
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ローソンが三菱UFJ銀行と立ち上げたネット銀行「ローソン銀行」の公式サイトが、2018年10月15日からサービスを開始しました。「支店名がかわいい」など話題になりました。
すでに全国展開しているローソンATM事業の強みを活かし、キャッシュレス決済に力を入れていくと発表しています。
ATM事業のライバルであるセブン銀行や、同じく流通系ネット銀行のイオン銀行とどう対抗していくかが注目されます。
しかし、現時点のローソン銀行は、ネット銀行としてはややデメリットが目立ちます。
※金額・手数料表記はすべて税込です。
目次
キャッシュレス決済に注力
ローソン銀行が今後、強化していくと発表していくのはキャッシュレス決済の拡大です。
すでに90以上の金融機関と取引をしているATM事業をベースに、新たな決済システムも開発していきたいと明言しています(2020年9月末時点で126社以上に拡大)。
また、すでに一部店舗で導入されているローソンスマホレジも、さらに拡大する可能性があると思います(2021年12月現在、101店で導入されています)。
■ローソンスマホレジとは
ローソンスマホレジ(旧ローソンスマホペイ)とは、ローソン店内の買い物をローソンアプリで完結し、レジに並ばずに会計ができる決済システムです。
ローソンアプリで、ローソンの店内商品のバーコードを読み取るだけで決済ができます。スマホで完結するスーパーのセルフレジ、のようなイメージです。
クレジットカードは最大6%還元
ローソン銀行では、クレジット機能付きキャッシュカード「ローソンPontaプラス」を発行しています。
ローソンで買い物をすると、Pontaポイントが最大6%還元されるのが最大のメリットです。
ローソンPontaプラスは、同じお店でも利用時間によってポイント還元率が変わります。
0時~15時59分までと、16時~23時59分まででは付与ポイントに2倍の差があります。
利用時間帯さえ注意すれば、コンビニ系クレジットカードのなかでは、突出した高還元です。
入会費・年会費無料なので、ローソンヘビーユーザーは発行しておいて損はないです。
ちなみに、ローソン以外の買い物でローソンPontaプラスを使うと、還元率は1%に下がります。
クレジットカードのポイント還元率としては、やや低めです。
毎月10日、20日はPontaカードの4倍、ローソンアプリでエントリーすればPontaカードの6倍のポイントが付きます。
ローソンで月に3万円使う人なら、1,800円がポイントバックされる計算です。
ローソンPontaプラスは、ローソンを日常的に使う人は作っておくことをおすすめします。
個人向けサービスの内容
現在、公開されているローソン銀行の個人向けサービスは円預金・ネットバンキングサービス、ネット入金サービスです。
ローソン銀行のサービスの特徴やメリット・デメリットを見ていきます。
預金金利は平均的
ローソン銀行は円の普通預金・定期預金を利用できます。
預金金利はネット銀行のなかでは平均~やや低めですが、定期預金に関してはメガバンクより高金利です。
また、定期預金はスーパー定期という一般的な定期預金と、期日指定定期預金という独自のプランの2種類があります。
スーパー定期は、1ヶ月の短期定期から10年の長期定期まで、預入期間を選べるスタンダードな定期預金です。
期日指定定期預金は、1年以上預け入れればいつでも好きな期日を満期にできる定期預金です。
たとえば「来年の旅行のため、3月1日まで貯金しておく」というような、期日をしっかり決めておきたい貯蓄に向いています。
最長預入期間は3年ですが、満期後もそのまま預け入れておく「元利継続型」タイプで設定しておけば、さらに同じ期間預けておくことも可能です。
預金金利が高いネット銀行が増えていることを考えると、ローソン銀行はそこまで預金には力を入れていない印象です。
おそらく、ATM事業やキャッシュレス決済など、ほかの事業に力を入れていくからかと思います。
ローソン銀行は、貯金用口座より普段使い用のネット銀行として使うのが便利そうです。
ATM・振込手数料はやや高め
ローソン銀行のATM手数料や振込手数料は、メガバンクも含む銀行のなかでは平均的です。
メガバンクより手数料が安いネット銀行のなかでは、やや高めです。
特に、ローソン銀行以外の「他行あて」にATM取引や振込みを行うときの手数料は、メガバンクと同じくらいの高さです。
今後、手数料優遇のサービスなどを展開するかもしれませんが、ネットオークションなどで他行との取引が多い人はやや不便かもしれません。
■ローソン銀行 ATM手数料
取引内容 | ATM手数料(0~7時) | ATM手数料(7~19時) | ATM手数料(19~24時) |
---|---|---|---|
入出金 | 110円 | 無料 | 110円 |
同行あて振込 | 165円 | 55円 | 165円 |
他行あて振込 | 330円 | 220円 | 330円 |
※残高照会や暗証番号の変更は、いつでも無料。
■ローソン銀行 振込手数料
振込先 | 振込手数料 |
---|---|
同行あて | 55円 |
他行あて | 220円 |
特に注意したいのは、ATMから振込みをする場合です。
ローソン銀行のキャッシュカードでATMから振込みをすると、ATM手数料+振込手数料の合計が手数料として必要になります。
たとえば、他行口座あてにATMから振込みをすると、220~330円の手数料がかかってしまうので、ネット銀行のなかでは割高感があります。
参考:他行への振込手数料が無料の銀行リスト!お金のムダ遣いをなくそう
よって、ローソン銀行から振込みを行う場合は、ネットバンキングサービス「ローソン銀行ダイレクト」で、スマホから取引を行うことをおすすめします。
「ローソン銀行ダイレクト」から振込みをすればATM手数料がかからないので、振込手数料だけで送金ができます。
ローソン銀行ダイレクトでスマホ取引
インターネットバンキングサービス「ローソン銀行ダイレクト」を使えば、スマホ完結でローソン銀行の各種取引ができます。
口座開設後に無料登録するだけで利用できるようになり、ATM手数料の節約にもなるので、キャッシュカードが届いたらまず登録しておくことをおすすめします。
ローソン銀行ダイレクトアプリもあるので、スマホから簡単にネット取引ができます。
iPhoneとアンドロイド両方に対応しているので、多くの人が利用できます。
ネット入金サービスで簡単に資金移動
ローソン銀行には「ネット入金サービス」という、証券やFXの管理口座にネット上から無料で入金できるサービスもあります。
ネット入金サービスは即時反映されるので、証券口座から投資をしたいときにすぐローソン銀行から資金を移動でき、機会を逃さずに済みます。
入金の反映が遅いとその間に株価が変動してしまう可能性があり、場合によっては損をしてしまうリスクがあるので、入金の即時反映は大きなメリットです。
証券・FX会社のマイページの「クイック入金」「即時入金」などのメニューから、ローソン銀行を選ぶと簡単に手続きが完了します。
利用可能な金融機関は、現在のところ、外為ファイネスト株式会社、ヒロセ通商株式会社、JFX株式会社となっています。
支店名がかわいいと話題
ローソン銀行の情報が公開されてから、SNSなどで「ローソン銀行の支店名がかわいい」と話題になりました。
ローソン銀行の支店名は誕生月によって決まり、ローソンで販売している人気メニューにちなんだ支店名になります。
■ローソン銀行 支店名
- 1月:おもち支店
- 2月:チョコ支店
- 3月:おすし支店
- 4月:カフェ支店
- 5月:おにぎり支店
- 6月:サラダ支店
- 7月:アイス支店
- 8月:フルーツ支店
- 9月:パスタ支店
- 10月:おべんとう支店
- 11月:スープ支店
- 12月:デザート支店
たとえば、5月生まれの人なら「ローソン銀行 おにぎり支店」となります。
ネット銀行は支店名がかわいいものが多い傾向がありますが、ローソン銀行は「メニュー名」という新しいアイデアの支店名にしたことで話題を呼びました。
自分の誕生月の支店名が気に入った人は「ローソン銀行で口座開設しようかな」とつぶやく人もいました。
ローソン銀行に口座開設したい。
3月生まれ(僕)の人の支店名「おすし支店」…普通 おすし支店 0123456
かわいい…— 事務員G (@ZimuinG) 2018年9月11日
ローソン銀行の口座開設したさある
おもち支店は魅力的( (◕ ~ ◕( )⊃ )— code(こーど) (@code_jade) 2018年9月10日
ローソン銀行フルーツ支店つくりたい🍋🍇🍓🍈🍒
からあげクン支店はさすがにないのか— みゅー。 (@mxixuxx) 2018年9月10日
ちなみに、流通系ネット銀行でライバル会社にあたるセブン銀行は支店名が花の名前(例:コスモス支店)、イオン銀行が誕生石の名前(例:ガーネット支店)です。
ローソン銀行の3つのデメリット
一方、ローソン銀行の公式サイトがオープンしたことで、思わぬデメリットがあることも判明しました。
特に注意しておきたいデメリットは、デビットカードを発行していないこと、クレジットカードなどの口座引き落としができないこと、口座を放置すると手数料がかかることです。
デビットカードは発行していない
ローソン銀行は、デビットカードを発行していません。
個人的には、ローソン銀行が今後デビットカードを扱う可能性も低い、もしくはもう少し後になるのではないかと考えています。
その理由は、下記3つです。
■ローソン銀行がデビットカードを発行しなさそうな理由
- クレジット付きキャッシュカードがあるから
- 銀行サービスの種類が少ないから
- デビットカードは儲からないから
ローソン銀行はクレジット機能付きキャッシュカード「ローソンPontaプラス」の扱いを始めたので、そちらに注力する可能性が高いです。
ネット銀行としてのサービスを最小限におさえているなか、クレジットカードよりも収益性の低いデビットカードも展開するとは考えにくいです。
デビットカードはクレジットカードに比べて加盟店からの手数料が少ないので、あまり儲かりません。どちらかというと「口座開設する人を増やすためのサービス」という位置付けです。
もし、今後ローソン銀行が口座開設者を増やす必要が出てきたら、デビットカードも発行し始めるかもしれません。
カードなどの引落口座にできない
ローソン銀行は、ローソンPontaプラス「以外」のクレジットカード引き落としや、口座振替には使えません。
これは、身近な銀行としては致命的なデメリットだと思います。
普段、カード決済中心の人や、公共料金を口座振替で支払いたいと思っていた人は要注意です。
Q.クレジットカードなどの引き落とし口座をローソン銀行にできますか
A.ローソン銀行で開設された口座を振替(お引落し)口座としてご指定いただくことはできません。
-ローソン銀行 公式サイトより抜粋
ローソン Ponta プラスを持っている人のみ、クレジットカード利用代金の引き落とし口座にローソン銀行を指定できます。
2年以上放置すると手数料が発生
ローソン銀行の口座を残高1万円未満で2年以上放置すると、1年ごとに1,320円の未使用口座管理手数料がかかってしまいます。
未使用口座となったらメールか郵送で案内が届くので、その後3ヶ月以降も取引がないと手数料が残高から引き落とされる仕組みです。
もし、残高が1,200円未満で手数料が引き落としできないと、自動解約になってしまう場合もあります。
しかし、残高が1万円未満でも手数料がかからない条件が3つあるので、上記期限内にいずれかの取引をすれば手数料はかからなくなります。
未使用口座管理手数料がかからない条件は、下記3点です。
■ローソン銀行 残高1万円未満でも未使用口座管理手数料がかからない条件
- 定期預金に1円以上の残高がある
- ローソン銀行ダイレクトに2年以内にログインしている
- 「ローソン Ponta プラス」の引落口座にしている
たとえば、未使用口座になった旨の連絡が届いたら、すぐにローソン銀行ダイレクトにログインすれば、手数料はかからなくなります。
手数料をかからないようにする方法はあるものの、「口座を放置したらお金がかかる」ということを知らないといつの間にか解約されていた…という事態もありえるので要注意です。
今後増やす予定の新たなサービス
現在は最低限の円預金などのサービスしか情報を公開していませんが、まだまだ新しいサービスが増えていく予定です。
現時点でわかっている新サービスは下記のとおりです。
■ローソン銀行 今後取り扱う予定のサービス
- コンビニで買える投資信託
- ATMで電子マネーを現金化
- お釣りの自動積立貯金
ATM設置台数はセブン銀行に続き2番手
ネット銀行としても、コンビニ系ネット銀行としても後発のローソン銀行。
コンビニ系銀行の先駆けとなったセブン銀行についで、ATM設置台数は現在2番目に多いです。
■参考:コンビニATM台数(2021年12月時点)
コンビニ | ATM台数 |
---|---|
セブン銀行 | 25,000台以上 |
ローソンATM | 13,490台 |
E-net(ファミマ系列) | 12,549台 |
遅れてやってきたローソン銀行がほかの銀行にどこまで追いつけるか、多くのメディアが注目しています。
ローソン銀行は個人向けサービス以外にも、法人事業にも力を入れて規模を拡大していく方針です。
具体的には、小売業者の給与支払いサービスや、地方銀行のATMをローソン銀行ATMに置き換えるなどの施策を行う予定です。
現時点では預金金利や手数料の条件があまり良くないものの、もし法人事業で利益が出れば、個人向けサービスもスペックが良くなる可能性も高くなるかもしれません。
他社のネット銀行にはない大きなメリットが出てくるか、期待したいところです。
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本人確認書類は郵送でもOKですが、ネット上で提出すれば一番早くキャッシュカードが届きます。
口座開設に申し込んでからキャッシュカードが届くまでは、およそ2週間ほどです。