SBIハイブリッド預金と楽天マネーブリッジ、結局どっちにすべき?徹底比較した結論は

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SBIハイブリッド預金とマネーブリッジの比較

※2022年4月1日:更新
マネーブリッジの優遇金利が改定されました。2022年4月1日以降は、預金額のうち300万円を超える部分については、優遇金利が下がります。預金額300万円以下の部分については従来どおり変更ありません。

SBIハイブリッド預金マネーブリッジ、どちらで口座開設すべきか迷っている人向けに、5つのポイントで徹底比較します。

SBIハイブリッド預金は、住信SBIネット銀行とSBI証券、マネーブリッジは楽天銀行と楽天証券の口座連携サービスです。銀行口座と証券口座の資金移動がしやすくなり、預金金利が優遇されるメリットがあります。

どちらも口座開設やサービス利用に費用はかかりません。いつでも乗り換えられます。しかし、銀行口座と証券口座を解約し、新たに契約しなおすのは手間がかかります。

はじめから自分に合う口座に申し込めるように、両者の違いをわかりやすく解説します。

基本的な特徴をおさらい

まずは、SBIハイブリッド預金とマネーブリッジのサービス内容をおさらいします。どちらも、以下の基本的な機能は共通です。

■SBIハイブリッド預金・マネーブリッジの特徴

  1. 銀行口座と証券口座を連携するサービス
  2. 完全無料
  3. 銀行の預金金利が高くなる
  4. 証券会社での買付・売却がスムーズになる

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジは、自社金融グループの銀行口座と証券口座を連携するサービスです。専門用語で「スウィープサービス」といいます。

銀行口座や証券口座の開設、SBIハイブリッド預金やマネーブリッジの利用登録はすべて無料です。口座を使わない期間があっても、利用料はかからないので問題ありません。

両口座を連携すると、銀行口座と証券口座どちらにもメリットがあります。

銀行口座のメリットは、預金金利の優遇です。連携口座に預けたお金は、通常の普通預金より高めの預金金利が適用されます。普通預金に預けっぱなしのお金も、より有利な金利で利息を受け取れます。

証券口座のメリットは、銀行口座との資金移動がスムーズになる点です。買い付けや売却益の受け取りがスピーディーに行なえます。

連携口座の残高は、証券会社での買付余力に反映されます。銀行口座から証券口座に入金する手間がなく、株式や投資信託を買い付けられる感覚です。

保有資産を売却した際も、連携口座に自動的に振り替えられ、スピーディーに出金できます。金融資産を売ったお金をすぐに使いたいときも安心です。

2つのサービスの違いを比較

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジの機能は、基本的には同じです。しかし、金利や使い勝手、利回りなどに違いがあります。

両者の銀行預金金利はよく比較されますが、ほかにも違いはあります。

■SBIハイブリッド預金とマネーブリッジの比較

特徴 SBIハイブリッド預金 マネーブリッジ
口座タイプ 証券口座 銀行口座
入出金の方法 普通預金への振替が必要 振替なしで入出金OK
利払い 毎月複利 半年複利

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジのメリット・デメリットを比較してみました。

預金金利:近年はマネーブリッジ

連携口座の預金金利は、経済情勢によって変動します。最近は、SBIハイブリッド預金の金利が下がり、マネーブリッジのほうが高金利です。

→SBIハイブリッド預金 最新の金利を公式サイトで確認

→マネーブリッジ 最新の金利を公式サイトで確認

マネーブリッジの預金金利は、一部のネット銀行の定期預金金利をも上回ります。普通預金金利がほぼゼロのメガバンクとは、比較にならない金利水準です。

銀行・証券の連携口座は、いつでも入出金できます。定期預金のような満期はありません。預入期間を気にせずに貯金し、定期預金以上に高金利で運用できるのが、マネーブリッジのメリットです。

利回り:SBIハイブリッド預金

将来的に預金金利が高くなり、まとまった金額を長期間預けるとなると、預金の利回りでも受取利息が変わってきます。

銀行・証券連携口座の利回りがよいのは、SBIハイブリッド預金です。SBIハイブリッド預金は、銀行では珍しい毎月利払いです。

毎月少しずつ利息を受け取ることで、SBIハイブリッド預金の残高が増えていきます。

マネーブリッジは半年利払いで、毎年3月と9月に利息を受け取れます。多くの銀行の普通預金は、マネーブリッジと同じく半年利回りです。

毎月利払いのメリットは、毎月残高が増えてうれしいだけではありません。複利効果が高く、雪だるま式に利息が増えるという利点もあります。

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジの金利が同じくらいだと、毎月利回りのSBIハイブリッド預金のほうが、利息を多く受け取れます。

利息の計算方法の違い

利息の複利とは、利払日ごとに元利(元金+利息)に対して利息がつくことを指します。

たとえば、100万円を年利1.0%で預けると、利払日には残高が101万円になります。その後も預金を預けっぱなしにすると、101万円に対してさらに1.0%の利息がつきます。

マネーブリッジが半年ごとに利息が複利で増えるのに対し、SBIハイブリッド預金は、毎月複利で残高が増えていきます。

ただし、最近はマネーブリッジの方が高金利なので、SBIハイブリッド預金の毎月利払いのメリットは薄いです。

SBIハイブリッド預金の毎月利払いは、今より預金金利が上がったときに真価を発揮します。

資金移動の手軽さ:マネーブリッジ

ふだん使いする際は、マネーブリッジのほうが手軽です。楽天銀行の普通預金が、そのまま連携口座として使えるからです。

SBIハイブリッド預金は、住信SBIネット銀行の代表口座の普通預金とは別に、SBIハイブリッド預金という「別の口座」を分けて作ります。そのため、普通預金からSBIハイブリッド預金への振替作業が必要です。

対してマネーブリッジは、楽天銀行の普通預金がそのまま連携口座として使えるようになります。SBIハイブリッド預金で必要な、振替作業が不要です。

SBIハイブリッド預金は、証券口座扱いに近い存在です。

対してマネーブリッジは、銀行口座扱いの預金サービスです。

これらの口座の仕組みの違いによって、利用できる銀行取引にこれだけの差がつきます。

■SBIハイブリッド預金とマネーブリッジ 利用できる銀行取引

銀行取引 SBIハイブリッド預金 マネーブリッジ
証券口座の買付余力に反映
口座引き落とし ×
銀行振込 ×
銀行キャッシュカードでの入出金 ×

SBIハイブリッド預金は、クレジットカード利用代金などの引き落としや、振り込みには使えません。キャッシュカードでの入出金もできず、基本的には普通預金口座の振り替えでお金を出し入れします。

以前はSBI証券のキャッシュカードを使えば、SBIハイブリッド預金の残高をATMで入出金できましたが、SBI証券の「ATMカード(キャッシュカード、及びSBI証券JCBカード)」は、2020年7月4日(土)に新規発行を終了、2020年10月3日(土)でATMサービスを終了しています。

一方、マネーブリッジ設定した普通預金は、口座振替や振り込み、ATM入出金が行えます。通常の普通預金と同じく、楽天銀行キャッシュカードで取り引きできます。

楽天銀行キャッシュカード 対応ATM
  • セブン銀行ATM
  • ローソン銀行ATM
  • イーネットATM
  • イオン銀行ATM
  • ゆうちょ銀行ATM
  • 三菱UFJ銀行ATM
  • みずほ銀行ATM
  • ステーションATM「PatSat」
  • ビューアルッテATM

住信SBIネット銀行も、SBIハイブリッド預金から普通預金に資金を振り替えれば、より多くのATMで入出金できるようになります。スマホからも即時振替できるので、手続き自体は簡単です。

その手間がなくても全国のATMで取り引きできるのが、マネーブリッジの強みです。

銀行の手数料節約:SBIハイブリッド預金

ATM手数料や振込手数料を節約するのに適しているのは、SBIハイブリッド預金を扱う住信SBIネット銀行です。

住信SBIネット銀行は、ATMでの入金はいつでも無料です。ATM出金手数料は月2回、他行宛振込手数料は月1回、誰でも無料です。

SBIハイブリッド預金から普通預金に振り替えさえすれば、月2回は無料でATMから出金できるということです。

さらに、手数料優遇サービスは「スマートプログラム」でランクを上げれば、ATM手数料と他行宛振込手数料の無料回数が増えます。どちらも最大で毎月20回無料になります。

楽天銀行は、ATM出金や他行宛振込が基本有料です。ATM入金は3万円以上なら無料ですが、3万円未満だとATM手数料がかかります。

楽天銀行にも「ハッピープログラム」という手数料優遇サービスがあり、条件を満たせばATM手数料が月7回、他行宛振込手数料は月3回まで無料になります。

▼楽天銀行「ハッピープログラム」優遇内容
楽天銀行ハッピープログラム

双方の手数料優遇サービスを比較しても、ランクの上げやすさは住信SBIネット銀行に軍配が上がります。

SBIハイブリッド預金に残高があると、あと1つ取引条件を満たすだけで、初期のランク1からランク2に上がります。ランク2に上がると、ATM手数料が月5回、振込手数料が月3回無料になります。

→住信SBIネット銀行「スマートプログラム」の条件の満たし方はこちら

楽天銀行のハッピープログラムでは、マネーブリッジを利用していてもランクアップの条件にはなりません。

ハッピープログラムのランクを上げるには、預金残高を増やすか、振り込みなどの取り引きを多く行う必要があります。

ポイント還元:マネーブリッジ

住信SBIネット銀行とSBI証券、楽天銀行と楽天証券では、所定の取り引きをするとポイントが貯まります。ポイントがより貯めやすいのは、楽天グループです。

楽天銀行と楽天証券を活用すると、楽天スーパーポイントを貯められます。1ポイント1円相当のポイントです。

楽天市場や楽天カードなど、いわゆる「楽天経済圏」を利用している人は、マネーブリッジの利用がおすすめです。

■楽天銀行で楽天スーパーポイントが貯まる取り引き(一例)

取り引き 1件ごとのポイント還元
楽天カード引き落とし 3~9ポイント
他行宛振込・他行からの振込 1~3ポイント
ATM入出金 1~3ポイント
給与・賞与・年金受取 1~3ポイント
口座引き落とし 1~3ポイント
楽天証券への入金 1~3ポイント

→楽天ポイントを使った楽天証券の投信積立の詳細はこちら

住信SBIネット銀行とSBI証券でも、取り引きのたびにポイントは貯まります。住信SBIネット銀行では「スマプロポイント」という独自のポイントが貯まり、SBI証券ではVポイントが貯まります。

どちらのポイントも、楽天スーパーポイントと同じく1ポイント1円相当です。しかし、楽天銀行と楽天証券に比べると、還元のうまみは少なめです。

■住信SBIネット銀行でスマプロポイントが貯まる取り引き(一例)

取り引き 1ヶ月ごとのポイント還元
口座引き落とし 5ポイント
給与・賞与・年金受取 30ポイント
定額自動入金 30ポイント
ミライノカード(JCB)5万円以上利用 100ポイント
外貨積立・仕組預金の月末残高300万円以上 100ポイント

■SBI証券でVポイントが貯まる取り引き(一例)

取り引き 還元ポイント
現物取引・PTS(夜間)取り引き 手数料の1.1%
投信の月間保有額1,000万円未満 0.1%
投信の月間保有額1,000万円以上 0.2%

住信SBIネット銀行の取り引きで貯まるポイントは、一つひとつは楽天銀行より多めです。ただし、「1件あたり」ではなく「1ヶ月あたり」のポイント付与、という点に違いがあります。

たとえば、住信SBIネット銀行でスマホ代金や公共料金などの口座引き落としを何件利用しても、1ヶ月に獲得できるポイントは5ポイントのみです。

楽天銀行のハッピープログラムのランクによっては、2件の取り引きで住信SBIネット銀行を超える還元を受けられます。

SBI証券での取り引きに応じたポイント還元も、ややハードルが高い印象です。SBI証券は、投信積立にクレジットカードを使えないので、楽天証券のようなカード利用の還元もありません。

結局どちらがおすすめ?

考える男性

SBIハイブリッド預金とマネーブリッジを比較したうえで、それぞれのサービスがおすすめの人は以下のとおりです。

■楽天銀行「マネーブリッジ」がおすすめの人

  • 楽天スーパーポイントを貯めている、楽天経済圏を活用したい
  • 預金金利を重視する
  • 普通預金のように手軽に使いたい

■住信SBIネット銀行「SBIハイブリッド預金」がおすすめの人

  • ネット証券最大手「SBI証券」を使いたい
  • 手数料の節約を重視する
  • 利息を毎月受け取りたい

楽天経済圏を活用している人など、楽天スーパーポイントを貯めている人は、マネーブリッジを選んでよいと思います。マネーブリッジで楽天銀行と楽天証券を両方活用すると、楽天スーパーポイントを効率的に貯められます。

銀行口座の預金金利重視で、ATMで手軽に入出金したい人も、マネーブリッジが向いています。普通預金口座をそのまま連携口座として使えるので、初心者でもわかりやすいと思います。

しかし、ATM手数料を無料にするには、一定の取り引きが必要です。ハッピープログラムの条件を確認し、ふだんの自分の使い方と合いそうか考えておくと安心です。

→楽天銀行「ハッピープログラム」の条件の満たし方はこちらで解説しています。

一方、証券口座メインに使いたい人や、ATM手数料・振込手数料の節約を重視したい人は、SBIハイブリッド預金が向いています。

SBI証券は、ネット証券の最大手です。取扱商品の豊富さや手数料の低さなどにメリットがあります。SBI証券で運用したい商品があるなら、SBIハイブリッド預金がおすすめです。

普通預金口座から振り替える手間はかかりますが、スマホからいつでも簡単に手続きできます。

ATM手数料と他行宛振込手数料は、「スマートプログラム」で毎月最大20回まで無料にできます。預金金利より、手数料節約を重視したい人に向いています。

各銀行の詳細はこちら

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執筆者の詳細プロフィール
ネット銀行100の活用術の初代管理人です。低コストで便利なネット銀行を、多くの人に知ってもらうため、2012年にサイトを立ち上げました。貯金の方法やお金に関する知識をわかりやすく解説します。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年3月16日 更新)

ありがとうございます。

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