窓口で大金を引き出す方法と手数料 銀行へ行く前に知っておきたい注意点3つ
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銀行の窓口で現金を引き出す方法と、手数料について解説します。
ふだんATMで入出金する人でも、窓口で現金を引き出すシーンがあります。たとえば、再発行中のキャッシュカードが届くまでのあいだ、病院で大きな金額の治療費を支払う際などです。
窓口出金で必要なものや手数料は、銀行によって異なります。窓口でお金を引き出せない銀行もあります。窓口へ行く前に知っておくと便利な情報をまとめました。
目次
事前に知っておきたいこと
「窓口でお金を引き出さなきゃ」と思ったときに、まず知っておきたいことが3点あります。
銀行のなかには、窓口でお金を引き出せない銀行があります。その場合、現金の入出金はATMのみで行う必要があります。
銀行やキャッシュカードの種類によっては、ATMでかなり大きな金額まで引き出せます。平日の日中に、わざわざ窓口に行く必要はないかもしれません。
窓口出金できない銀行もある
銀行によっては、窓口での入出金を受け付けていない場合があります。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は窓口で引き出し可能です。
窓口で入出金できない銀行では、ATMで取り引きを行います。1日のATM利用限度額を超えた場合は、数日に分けて取り引きする必要があります。
実店舗を持たないネット銀行も、入出金は原則ATMのみです。
ATMでも大きな金額を引き出せる場合あり
1日のATM利用限度額は、銀行によって異なります。キャッシュカードによっては、大きな金額をATMで引き出せます。
銀行キャッシュカードには、大きく分けて3種類あります。どのタイプのキャッシュカードかによって、ATM利用限度額が異なります。
■銀行キャッシュカードの種類
- 生体認証カード
- ICキャッシュカード
- 磁気ストライプカード
近年主流のキャッシュカードは、ICキャッシュカードです。磁気ストライプカードよりセキュリティが高い、ICチップを搭載したカードです。
古いキャッシュカードを使っている人は、ICチップのない磁気ストライプカードの可能性が高いです。
▼ICキャッシュカード例
▼磁気ストライプ
もっともセキュリティが高いキャッシュカードは、生体認証カードです。指紋や手のひらの静脈を登録し、ATM取引時に静脈認証を行います。
生体認証登録したキャッシュカードを利用している人は、ATMでも大口取り引きが可能です。
■大手銀行 キャッシュカード種別ごとの1日あたりATM出金最高限度額
銀行 | 磁気ストライプ・ICキャッシュカード | 生体認証カード |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 200万円 | 1,000万円 |
三井住友銀行 | 50万円 | 1,000万円(出金・振込・振替の合計) |
みずほ銀行 | 200万円 | 500万円 |
ゆうちょ銀行 | 200万円 | 1,000万円 |
生体認証を登録していないキャッシュカードでも、50万円から200万円のお金をATM出金できます。
200万円もあれば、がんや脳卒中といった大きな病気の入院・手術費でも、大半は支払えます。
ただし上記は、ATM利用限度額を最大まで引き上げた際の限度額です。ICキャッシュカードのATM利用限度額は、初期設定だと50万円から100万円くらいです。
大口出金する前に、ネットバンキングや窓口で利用限度額を確認しておくと安心です。
上記で比較した大手銀行のうち、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、ネットバンキングでもATM利用限度額を引き上げられます。
みずほ銀行とゆうちょ銀行は、限度額の引き下げはネットで行なえますが、引き上げの際は窓口へ行く必要があります。
※みずほ銀行はICキャッシュカードに生体認証情報の登録があれば、生体認証対応ATMで手続きできます。
また、主要コンビニATMで引き出せる金額は、1回あたり20万円までです。キャッシュカード利用限度額の範囲内であれば、複数回に分けて引き出せます。
手間やセキュリティ面を考えると、大きな金額を引き出す際は銀行ATMがおすすめです。
■生体認証カードは利用ATMによって限度額が異なる
生体認証に対応していないATM(コンビニATMなど)で生体認証カードを使う際は、磁気ストライプもしくはICキャッシュカードとしての取り引きとなります。
1日のATM利用限度額も、磁気ストライプ・ICキャッシュカードの枠が適用となります。
※三菱UFJ銀行の生体認証カードは、生体認証ATMでしか使えません。
200万円以上の入出金は確認あり
生体認証カードを使わない限り、200万円以上の引き出しは窓口対応となります。
大手銀行は、大口取り引きの際に取引時確認という手続きを行います。金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」等にもとづく確認作業です。
おもに以下の取り引きでは、本人確認や取引目的のヒアリングが入ります。
■取引時確認が入る例
- 口座開設や貸し金庫などの取引開始時
- 融資取引時
- 10万円以上の現金振り込みや小切手(持参した人が払い込むタイプ)による現金受け取り
- 200万円を超える入出金や両替
10万円超の振り込みや200万円超の入出金は、いずれもATMではできない取り引きです。つまり、ATMで取り扱えない金額の取り引きを行う際は、窓口での確認が入るということです。
上記以外の場合も、取引時確認が入る可能性はあります。海外送金や国債の購入などを行う際も、くわしく確認される可能性が高いです。
私は三井住友銀行のキャッシュカードに生体認証登録しに行った際に、「生体認証カードにしたい理由はなんですか?」と尋ねられました。
生体認証登録するとATMで大口取り引きができるようになるため、確認されたのだと思います。
大手銀行の窓口出金の方法
窓口でお金を引き出す際に必要なものは、銀行によって異なります。一例として、三菱UFJ銀行と三井住友銀行で必要なものを調べました。
■三菱UFJ銀行 窓口入出金で必要なもの
- キャッシュカード
- 本人確認書類
■三井住友銀行 窓口入出金で必要なもの
- キャッシュカード
- 本人確認書類
- 届出印(銀行印)
ほかの銀行でも、キャッシュカードと本人確認書類は必須だと思われます。届出印も持っていけば安心です。
上記のものを持参し、引き出し用紙に記入して提出すれば、その場でお金を引き出せます。
引き出し用紙は、振込用紙などが設置してあるテーブルにあります。どこにあるかわからなければ、「窓口でお金を引き出したいのですが」と尋ねると受け取れます。
窓口の入出金記録はネットバンキングに残る
窓口で入出金した記録は、銀行のシステム上に残ります。ネットバンキングでも入出金の履歴を確認できます。
書面での入出金履歴を残せる銀行もありますが、事前相談が必要です。
窓口での入出金手数料は基本無料
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、窓口でお金を引き出しても手数料はかかりません。ほかの銀行でも、手数料不要のケースが多いと思われます。
ただし、三菱UFJ銀行は金種指定があると、紙幣10枚以上からは両替手数料が発生します。
金種指定とは、「1万円札5枚、5,000円札10枚」のように、お札の種類を指定することです。両替と同じ扱いになり、以下の手数料がかかります。
■三菱UFJ銀行 金種指定で窓口出金する際の両替手数料(税込)
- 1~10枚:無料
- 11~500枚:550円
- 501枚以上:500枚ごとに550円
ほかの銀行でも、窓口での引き出し方によっては手数料が発生する可能性があります。事前に電話などで確認しておくことをおすすめします。
窓口で大金を下ろすのはおすすめできない
盗難のリスクなどを考えると、銀行で大金を引き出すことはおすすめできません。銀行振込やクレジットカード払いなど、ほかの方法で対応するほうが安全です。
銀行振込やクレジットカードであれば、現金を持ち歩かずに支払えます。クレジットカードには、不正利用被害に遭った際の補償もあります。
現金は、盗まれたり落としたりしても補償されません。警察に盗難届や遺失届は出せますが、手元に戻ってくるとは限りません。
ふだんから現金派の人は、大きな金額の支払用のクレジットカードを1枚作っておくと便利です。ふだんは財布に入れて持ち歩かず、大口決済が必要なときのみ利用します。
現金派の友人も、ネット通販と大きな買い物用のクレジットカードを1枚持っています。
めったに使うことはないものの、現金を持ち歩くのが怖い金額を支払うときなどに使うそうです。
クレジットカードが苦手な人は、ひとまずデビットカードを作るのも手です。デビットカードやプリペイドカードでも、クレジットカードの代用は可能です。
VISAデビットなら、VISAのクレジットカードで支払えるほとんどのシーンで利用できます(→デビットカードとは)。
ただし、まれにクレジットカードでしか支払えない場面もあります。代表例は、入院や手術の治療費支払いです。
大規模な病院では、クレジットカード決済が使えるようになりつつあります。しかし、デビットカードやプリペイドカードには未対応の病院もあります。
クレジットカードを持っていないと、現金で支払わなければなりません。
お支払いは「現金」または「クレジットカード」でお願いします。なおデビットカード、電子マネーはお取り扱いしておりません。
大阪赤十字病院 公式サイト「診療費のお支払いについて」より引用
治療費の支払いについては、以下の記事もご参照ください。
治療費の支払い方を解説:
入院費が払えない時、費用負担をなくす方法 お金がない時も大丈夫
クレジットカードとデビットカードの違いとは:
知ってナルホド!クレジットカードとデビットカードの違いとは?