【比較】デビットカードの海外事務手数料・ATM手数料を安くする方法
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日本で発行した国際ブランドのデビットカードは、海外でも利用できます。キャッシュレス決済はもちろん、海外ATMで現地通貨を引き出すこともできます。
ただし、海外でデビットカードを利用する際は海外事務手数料や海外ATM手数料が必要です。
各デビットカードの海外事務手数料・海外ATM手数料を比較してみると、メガバンクよりネット銀行のデビットカードの方が安いことがわかりました。
今回はネット銀行を中心に、海外での手数料が低いデビットカードを比較・解説します。クレジットカードが苦手な人や、海外出張や留学などを機にデビットカードを発行する人におすすめです。
目次
海外事務手数料・海外ATM手数料とは
海外事務手数料とは、カードを海外で利用したときにかかる手数料のことです。利用額(決済時点のレートで換算)に対して、約1.6~3.0%の手数料が上乗せとなります。
海外ATMで現地通貨を引き出す際は、海外事務手数料にくわえて海外ATM手数料も必要になります。ふだんはデビット決済し、どうしても現金(キャッシュ)が必要なときはATMで引き出す、という使い方がおすすめです。
海外で現地通貨を入手する方法は、外貨両替が代表的です。両替所や銀行などで、すでに持っている日本円を外貨へ交換してもらえます。
しかし、外貨両替は手数料が高い傾向にあります。デビットカードで海外ATMから現金を引き出すほうが、両替手数料を節約できることが多いです。
両替より海外ATMの方が安い
デビットカードの海外ATM手数料は、平均すると100~200円程度です。両替所で現金を両替するより、割安な手数料で現地通貨を調達できます。
外貨両替する場合は、為替手数料や両替手数料が必要です。為替手数料は1ドルあたり2~3円くらいかかります。1ドル=100円のときに10万円を両替すると2,000~3,000円は手数料に取られてしまいます。
デビットカードの海外事務手数料(約1.6~3.0%)+海外ATM手数料(110~220円)という手数料のほうが、お得な場合が大半です。
海外で屋台に行くときやチップを払うときなど、現金が必要なシチュエーションは意外と多いです。
キャッシュレス決済も現金引き出しもできるデビットカードがあると、支払方法の幅が増えて便利です。
ネット銀行は海外事務手数料・ATM手数料が安い
海外事務手数料や海外ATM手数料は、デビットカードを発行する金融機関によって異なります。
ちなみに、メガバンクの相場は下記の通りです。
- 海外事務手数料 3.0%前後
- 海外ATM手数料 約110円
ネット銀行のデビットカードには、メガバンクより海外手数料を抑えられるものがあります。海外で使えるデビットカードを扱っている、主要ネット銀行を比較してみました。
■ネット銀行発行のデビットカード 海外事務手数料・海外ATM手数料の比較
デビットカード | 海外事務手数料 | 海外ATM手数料(税込み) |
---|---|---|
イオンデビットカード | 1.60% | 220円 |
Sony Bank WALLET | 無料~1.79% | 220円 |
住信SBIネット銀行ミライノ デビット | 2.50%(※) | 非公開 |
セブン銀行デビット付きキャッシュカード | 3.0% | 110円 |
PayPay銀行 Visaデビット | 3.08% | 無料 |
楽天銀行デビットカード | 3.08% | 無料 |
※住信SBIネット銀行は、年30回までの海外事務手数料ポイントバックあり。
イオン銀行と住信SBIネット銀行は、デビットカードの海外事務手数料を無料にできます。デビットカード自体の機能も、海外利用向けです。
海外で現金を使う機会が多い人は、海外ATM手数料が無料のPayPay銀行や楽天銀行のデビットカードがおすすめです。
各デビットカードの特徴を比較し、どんな人に向いているのかを見てみます。
Sony Bank WALLET
主要外貨10種類の海外事務手数料が無料にできる
- 海外事務手数料 無料~1.79%
- 海外ATMでの出金手数料 220円/回
- 国際ブランド:Visa
ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」は、外貨預金の口座残高から直接支払えるというメリットがあります。
通常のデビットカードは、海外で使っても円普通預金から引き落としになります。ソニー銀行は、主要10通貨の外貨普通預金に残高があれば、そこから引き落とせる珍しい銀行です。
外貨普通預金からデビット決済すると、お買い物時の海外事務手数料が無料になります。
■デビットカードでの海外ショッピング時、海外事務手数料が無料になる通貨(10種)
米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナ
米ドルやユーロなど、主要な外貨はほぼ海外手数料が無料になります。上記通貨を使う国へ行く際は、あらかじめ外貨普通預金にお金を預けておくことをおすすめします。
外貨預金口座の残高が足りない場合は、円預金から不足分の外貨を自動購入して補う「円からアシスト」というサービスもあり、安心です。
さらに、預金額が大きいと外貨預金金利や為替手数料の優遇も受けられます(→ソニー銀行の外貨預金について)。
住信SBIネット銀行ミライノ デビット
海外事務手数料のポイントバックもあり
- 海外事務手数料 2.50%
- 海外ATM手数料 非公開
- 国際ブランド:Visa、Mastercard
住信SBIネット銀行のデビットカードは、海外で米ドルの外貨預金から引き落とせます。アメリカによく行く人に向いているデビットカードです。
海外事務手数料は、年間30回までポイントバックしてもらえます。年30回までは、海外手数料が実質無料で決済できます。
ポイントバックの際は、住信SBIネット銀行には「スマートプログラム」という独自のポイントサービスのスマプロポイントが付与されます。
貯まったポイントは現金に交換できるほか、ポイント数に応じて他行振込手数料が最大で月20回まで無料になるなどの優遇を受けることができます。
イオンデビットカード
海外事務手数料は最安、Visaデビットは10万円までの立て替え可
- 海外事務手数料 1.60%
- 海外ATMでの出金手数料 220円/回
- 国際ブランド:Visa、JCB
イオン銀行のデビットカードは、海外事務手数料が低いのが特徴です。
国際ブランドは、VisaとJCBの2種類から選べます。JCBのデビットカードは15歳から申し込めますが、Visaのデビットカードは18歳以上かつ審査が必要です。
イオン銀行のVisaデビットカードの申込ハードルが高いのは、バックアップサービスという保証があるからです。
バックアップサービスとは、預金残高が不足していても10万円まで立て替えるという内容です。
通常、デビットカードは預金口座の残高が不足すると決済ができなくなりますが、Visaのイオンデビットカードなら一時的な立て替えを利用して買い物ができます。
海外で使えるお店が多いのもVisaなので、18歳以上の人はVisaがおすすめです。
セブン銀行デビット付きキャッシュカード
海外のお買い物でもnanacoポイントを貯められる
- 海外事務手数料 3.0%
- 海外ATMでの出金手数料 110円/回
- 国際ブランド:JCB
セブン銀行の海外事務手数料・海外ATM手数料は、メガバンクとほぼ同じ水準です。国際ブランドは、日本発のカードブランドJCBのみです。
今はJCBが使えるお店も拡大してきているものの、Visaよりは使えるお店がやや少ないことはデメリットです。
しかし、海外でデビットカードを使った際もnanacoポイントが貯まるので、普段から電子マネーnanacoを利用する人にとってはおすすめです。
特に海外ではまとまった金額の支払いをすることも多いかと思うので、ポイントをたくさん貯めるチャンスです。
PayPay銀行 Visaデビットカード
海外ATM手数料が無料、口座開設をすると自動で発行される
- 海外事務手数料 3.08%
- 海外ATMでの出金手数料:無料
- 国際ブランド:Visa
PayPay銀行が発行する「PayPay銀行 Visaデビットカード」は、海外ATMの出金手数料が無料というメリットがあります(AMT設置会社によっては、数百円の利用料を支払う場合があります)。
海外事務手数料はメガバンクと同じくらいですが、海外で現金を使う機会が多い人はATM手数料を節約できます。
PayPay銀行のデビットカードはキャッシュカード一体型で、PayPay銀行の口座を開設すると全員に発行されます。
デビットカードの申込みと口座開設の申込みを両方する手間が省けるので、なるべく早くデビットカードを発行したい人にもおすすめです。
楽天銀行デビットカード
Visaデビットのゴールドカードには海外旅行の優遇サービスあり
- 海外事務手数料 3.08%
- 海外ATMでの出金手数料 無料
- 国際ブランド:JCB、Mastercard、Visa
楽天銀行のデビットカードは、国際ブランドをVisa・Mastercard・JCBの3種類から選べます。いずれもPayPay銀行と同じく、海外ATMの引き出し手数料が無料です(海外ATM独自の手数料を除く)。
どのブランドのデビットカードも年会費無料で発行できますが、楽天銀行のVisaデビットにはVisaデビットのゴールドカードがあります。
年会費は有料ですが、年会費無料のデビットカードにはない国内・海外旅行傷害保険などが付帯します。クレジットカードに近い保険がつくので、海外によく行く人はゴールドデビットカードもおすすめです。
年間60万円以上使えば、デビット決済のポイント還元で年会費を相殺できます。
海外ショッピングはクレジットカードの方が手数料が低いが…
デビットカードはキャッシュカード一体型なので、海外ATMから現地通貨を引き出せるのが便利です。
一方、買い物で直接カード決済をすることを考えると、海外事務手数料はクレジットカードの方が安いブランドが多いです。
デビットカードの海外事務手数料が平均2~3%なのに対し、クレジットカードの海外事務手数料は1.6~2.0%くらいが多いです。
しかし、クレジットカードを海外で使うデメリットは、海外で現金が必要になった場合に海外キャッシングを行うことになることです。
キャッシング=貸付なので、海外ATM手数料だけでなく利息が15.0~18.0%ほど掛かるのがデメリットです。
コスト | 海外事務手数料 | 海外ATM出金手数料 | 海外キャッシング |
---|---|---|---|
デビットカード | 2.0~3.0% | 110~220円 | – |
クレジットカード | 1.6~2.0% | 110~220円 | 利息あり (15.0~18.0%) |
海外キャッシングの利息は、外貨両替よりは割安です。
しかし、デビットカードの海外ATMからの出金に比べるとやはり割高です。
海外で現金をほとんど使わない人はクレジットカードがおすすめですが、現金もそれなりに使いそうな人はデビットカードの方が安心です。
海外利用にもっともおすすめのデビットカード3種
上記で紹介した6種のデビットカードのうち、海外事務手数料がクレジットカードとほぼ同じ安さのものが特におすすめです。
私が海外利用におすすめするデビットカードは、下記3種です。
■海外利用におすすめのデビットカード
- ソニー銀行
- 特定10通貨の外貨預金口座を利用すると海外事務手数料は無料
- 住信SBIネット銀行
- 海外事務手数料2.5%、年30回まで海外事務手数料をポイントバック
- イオン銀行
- 海外事務手数料1.60%、Visaデビットは10万円までの立て替えサービスあり
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