カード嫌いシニアが時代遅れになる前に。60歳以上におすすめのキャッシュレス支払いとは
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2022年、消費税10%がすっかり定着し、政府のキャッシュレス決済ポイント還元もとうに終わってしまいました。
現金派の友人も、スマホ決済やクレジットカードに移行しつつあります。しかし、中高年のなかで、以下のような理由でキャッシュレス決済に踏み切れない人も多くいます。
- スマホ決済がわからない
- クレジットカードを持ち歩くのは怖い
- クレジットカードはお金を使う感覚がなくなり、ムダづかいしそう
日本で使われるキャッシュレス決済は、9割近くがクレジットカードです。この割合は、キャッシュレス決済の知名度とも、ある程度比例すると考えられます。
「キャッシュレス決済といえばクレジットカード」という認識の人が、スマホ決済は難しいと感じると、現金を選ぶのも無理はありません。
そんな人におすすめなのは、デビットカードです。しかし、デビットカードの存在を知らない人も、少なくありません。
この記事では、現金派のシニア層にデビットカードが向いている理由と、おすすめのデビットカードを解説します。
目次
現金派シニアにデビットカードがおすすめの理由
クレジットカードが苦手なシニア層が、デビットカードを使うメリットは多くあります。
デビットカードは、現金に近い感覚で使え、スマホ決済のように難しい操作も不要です。非常にシンプルなキャッシュレス決済です。
現金と同じ感覚で使える
デビットカードの最大の特徴は、支払い時点で銀行口座から即時引き落としとなることです。
クレジットカードは、1ヶ月分の利用代金をまとめて後払いします。支払い時点で口座残高が足りなくても、決済できます。そのため、使いすぎのリスクがあります。
対してデビットカードは、銀行口座の残高を超える支払いが原則できません。「手持ちのお金以上は支払えない」という特徴は、現金と同じです。
銀行のネットバンキングページにログインしたり、通帳に記帳したりすれば、あとどれくらい支払えるか確認できます。
利用するたびにメール通知もくるので、メールチェックでも利用状況を見返せます。
使い方はクレジットカードと同じ
デビットカードの支払い方法は、クレジットカードと同じです。
レジでカードを出し、「カード払いで」「Visa一括払いで」といえば、その場で支払えます。
店員側は、クレジットカードとデビットカードの決済を、同じ機器で行います。「デビットカードで」という必要はありません。
特に、Visaブランドのデビットカードは、カード払いできるほとんどのお店で決済可能です。Visaは、国際カードブランドのシェアNo.1です。
JCB・Mastercardは、国内でもたまに使えないお店があります。Visaデビットなら、お店によってカードを使い分ける手間を省けます。
スマホ決済は、アプリごとに使えるお店の差が大きいため、複数のアプリの使い分けが必要です。現金派の人が、挫折しやすいデメリットです。
アプリをスマホに増やしたくない人にとっても、スマホ決済は不向きです。
私の父は、データ容量が少ないスマホを使っているため、スマホ決済アプリをたくさん入れられないと嘆いていました。
ATMに行く回数が減る
日ごろからデビットカードを使うと、財布の中の現金が減りづらくなります。そのため、ATMでお金を下ろす回数が減ります。
私もキャッシュレス決済メインになってからは、月に1回ほどしかATM出金しません。
年齢を重ね、足腰が弱ると、頻繁に銀行ATMへお金を下ろしに行くのも大変です。ATM出金の回数が増えると、ATM手数料もかさみます。
デビット支払いにすれば、ATM手数料も節約できます。
小銭を数える負担がなくなる
高齢者によっては、現金払い時に小銭を数えるのが負担になる人もいます。私の祖父がそうでした。
年とともに目が悪くなると、小さな硬貨を数えづらくなります。手元で細かい動きをしづらく、小銭を取り出すのに苦労する人もいると思います。
デビットカードは、小銭を数える必要がなく、カードを出すだけで支払えます。
レジで小銭を数えるのに時間がかかり、後ろに並ぶ人を待たせることもありません。
キャッシュレス消費者還元の対象
デビットカードは、政府が行う「キャッシュレス決済によるポイント5%還元」の対象でした。このときにデビットカードを使い始めた人も多かったようです。
キャッシュレス決済の還元といえば、ポイント還元のイメージを持つ人が多いと思います。クレジットカードの還元は、翌月の請求金額からの値引き、もしくはポイントによる還元です。
デビットカードの還元は、銀行口座への入金です。デビット利用の翌月に、銀行口座にお金が返ってきます。戻ってきたお金を自由に使えます。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象となる店舗でのお支払いにPayPay銀行 Visaデビットをご利用いただくと、ご利用金額の2%または5%を現金でお客さまの口座に還元いたします。
※PayPay銀行 Visaデビット利用特典のJNBスターまたはVポイントは通常どおり付与されます。
PayPay銀行「【キャッシュレス・消費者還元事業】PayPay銀行 Visaデビットも最大5%還元」より引用
楽天銀行デビットカードの場合
お客さまの楽天銀行口座へ還元相当額を充当いたします。楽天銀行「キャッシュレス・消費者還元事業とは?」より引用
政府のキャッシュレス還元とは別に、銀行独自のポイントバックがあるデビットカードもあります。その場合、政府の現金還元と、銀行のポイント還元を両方受けられました。
上記でいうと、PayPay銀行はスターという独自ポイント、楽天銀行は楽天ポイントでのポイント還元を、常に行っています。
※PayPay銀行は2021年3月1日(月曜日)以降、デビットカードの利用特典が現金に変更になりました。
銀行のデビット還元で、自社ポイントではなくキャッシュバックを行う銀行もあります。
メガバンクの三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行は、いずれも現金還元です。
政府のキャッシュレス還元は、2020年6月までで終了しました。それ以降も、デビットカードの還元を受けられるので、現金よりお得です。
デビットカードの還元率相場は、利用代金の0.2~0.6%程度です。クレジットカードより少し低めですが、最近は還元率1.0%を超えるデビットカードも増えつつあります(くわしくは後述)。
不正利用補償で現金より安全
カード決済に抵抗がある人の多くは、盗難や紛失、不正利用に不安を感じています。
特に、年金受取口座は2ヶ月に1度、まとまったお金が入金されます。デビットカードが不正利用に遭い、数十万円の残高がなくなると大変です。
しかし、デビットカードには、不正利用補償がついています。実は、現金を持ち歩くより安全です。
補償内容は、銀行によって異なります。「年間100万円」「1事故あたり500万円」など、補償範囲にも違いがあります。
一般的には、カードの盗難や紛失から1ヶ月以内に、銀行へ連絡すれば、被害額の一部もしくは全額が補償となります。
ただし、不正利用の際に「自分に過失がある」とみなされると、補償を受けられなくなります。
暗証番号を人に教えたり、カードを貸したりすると、補償対象外になります。
被害額を最小限におさえるためには、デビットカードの利用限度額を少なめに設定するのもおすすめです。
銀行口座があれば簡単に発行、審査なし
デビットカードは、銀行口座さえ持っていれば、誰でも審査なしで発行できます。クレジットカードのような、発行前の審査はありません。
キャッシュカードにデビット機能を無料でつけられる銀行なら、口座開設するだけでデビットカードを持てます。
クレジットカードは、後払いという特性上、「1ヶ月の利用代金をきちんと後払いできる人か」を審査する必要があります。
対してデビットカードは、即時決済です。銀行口座残高の範囲しか利用できません。そのため、銀行口座を持つ人に広く発行できます。
現役世代に比べて、高齢者はクレジットカード審査に通りづらくなります。特に、70歳を超えたり、受給年金が少なかったりすると、やや不利です。
対して、銀行口座の多くは、年齢上限がありません。収入条件もありません。70歳以上からキャッシュレス決済を始める人も、簡単にデビットカードを持てます。
デビットカードは銀行口座とひも付いているため、引き落とし口座を変更できません。三井住友銀行で発行したデビットカードは、三井住友銀行から引き落とさねばなりません。
年金受取口座でデビットカードを発行すれば、生活費から直接支払えます。デビットカード用口座に、お金を移す必要がありません。
ただし、地方銀行や信用金庫は、Visaなど国際ブランドのデビットカードを扱っていないケースもあります。
デビットカード用の銀行口座を新規開設し、年金受取口座を変更するのも手です。
年金受取口座を変更するには、年金事務所や年金相談センターに「年金受給権者 受取機関変更届」を提出します。
変更後の銀行名・支店名・口座番号などを記入し、銀行の証明として通帳のコピーを添付します。
ネット銀行など、通帳がない場合は、ネットバンキングの所定画面を印刷したものでもOKです。
分割払いやガソリンスタンドで使えない
クレジットカード払いはできるけれど、デビットカード払いはできないシーンが、一部あります。
以下のように、決済時に残高不足だと困る支払いでは、デビットカードが使えません。
■デビット決済できない代表的なシーン
- 分割払い
- 高速道路(ETC)
- 飛行機の機内販売
- ガソリンスタンド
- 月額の通信費や一部の公共料金
月額の通信費とは、ネット回線や有料TVチャンネルなど、毎月定額を支払うサービスです。
スマホ利用代金の支払いは、au・docomo・Softbankの3大キャリアなら、ほとんどのデビットカードで対応しています。格安スマホは、未対応の銀行が多いです。
デビットカード払いできない定額払いは、口座振替(銀行口座からの引き落とし)などで対応する必要があります。
公共料金を支払えるデビットカードは、かなり増えました。水道光熱費をデビットカードで支払うと、利用代金に応じた還元を毎月受けられます。
■「ETCパーソナルカード」ならクレジットカードなしで発行可
高速道路で使うETCカードは、クレジットカードと合わせて発行するものが大半です。
クレジットカードを使いたくない人は、ETCパーソナルカードという専用カードがおすすめです。
NEXCOなどが発行する、銀行引き落としで有料道路の料金を支払えるカードです。申込時に、月間平均利用額の4倍の額をデポジットとして支払い、発行します。
しかし、ETCパーソナルカードは年会費が1,257円(税込)かかります。
年会費をかけたくな人は、クレジットカードのETCカードのほうがよいです。現金派の人も、ETCカード用のクレジットカードを発行するケースが多い印象です。
シニアにおすすめのデビットカード3選
以上のメリット・デメリットをふまえて、シニア層におすすめのデビットカードを3つに絞ってみました。
いずれも、使えるお店が多いVisaブランドです。カード決済できる、ほとんどのお店で使えます。Visaタッチ決済もでき、セキュリティ対策も安心です。
ソニー銀行
海外旅行によく行く人向け
- 年会費無料
- キャッシュバック率0.5~2.0%
- 海外での両替手数料を節約できる
ネット銀行大手のソニー銀行は、海外旅行によく行く人におすすめです。ソニー銀行の外貨預金にお金を預けておくと、海外でも自分の外貨預金口座から直接支払えます。
日本で使うときは円預金から、アメリカで使うときは米ドル外貨預金から、デビット引き落としします。両替手数料の節約になります。
セカンドライフを旅行で充実させたいシニア世帯は、1枚持っておくと便利です。
ソニー銀行では、外貨預金の積立も500円からできます。旅行に行く予定の国の外貨を、コツコツ貯めるのにも便利です。
外貨預金を多く活用すると、デビット還元率も引き上がります。
楽天銀行Visaデビット
還元率重視・ゆうちょ銀行がメインバンクの人におすすめ
- 年会費無料
- ポイント還元率1.0%
還元率重視で選びたいなら、楽天銀行のVisaデビットがおすすめです。還元率は1.0%と、クレジットカード並みです。
楽天Visaデビットには、ベーシックカード・シルバーカード・ゴールドカードの3種類があります。ベーシックカードなら、年会費は完全無料です。
公共料金の支払いができ、定額払いの対応範囲も広めです。
さらに楽天銀行は、ゆうちょ銀行の本人名義口座から無料で入金できるという、あまり知られていないメリットがあります。(本サービスは2022年3月26日に終了)
ゆうちょ銀行で年金受取していれば、年金を楽天銀行に無料で移動できます。振込手数料はいっさいかかりません。
入金手続きは、スマホやパソコンから行います。楽天銀行にログインすると、専用メニューから手続きできます。
▼楽天銀行アプリ メニュー画面
楽天銀行アプリは、ネット銀行のなかでもシンプルでわかりやすい設計です。スマホがある程度触れる人なら、すぐ覚えられると思います。
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