カードローンの最低返済額が少ない銀行で、返済額を変更せずに利息を節約する方法

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電卓を持つ男性

毎月の返済額(約定返済金額)が少ないカードローンが増えてきています。

最低返済金額が1,000円という銀行もあり、月々の負担が少なく済むので無理なく返済できるのがメリットです。

ただし、借入期間が長期化するというデメリットもあるので、最低返済額だけの返済計画を立てるのはおすすめできません。

無理のない範囲で返済額を増額して、残高を早く減らしていくのが理想です。

しかし、それ以外にも「繰上返済」を活用して利息を節約する方法が2つあります。

月々の返済額が低いまま利息をカットする方法もあるので、「毎月の返済額はあまり増やせない」という人にもおすすめです。

今回は、最低返済額だけでの毎月返済のリスクを説明した上で、繰上返済の効果的なやり方をわかりやすく説明します。

具体的に利息を計算して、返済シミュレーションも交えて解説していこうと思います。

返済額の変更はできる

タブレットを操作する男性

カードローンの月々の返済額変更については、増額は電話やマイページからできることが多いです。

銀行カードローンは電話で問い合わせる必要があることもありますが、ネット銀行や大手消費者金融などではネット上のマイページで変更できるケースも増えてきました。

一方、減額には最低返済金額が決まっています。

基本的にはカードローンに申込んだ直後は、毎月の返済額は最低返済額で設定されています。

その金額より返済額を下げることは原則できません。

カードローンの最低返済金額は、1,000円や2,000円という少額から返済できることもあれば、1万円以上から返済しなければならない場合もあります。

特に中~長期的返済をしていきたい場合は、最低返済額が自分の収支に合うかどうかチェックしておくことが望ましいです。

ためしに、主要な銀行・ノンバンク系カードローンの最低金額を比較してみました。

カードローンの最低返済額を比較

比較

カードローンの最低返済額を、銀行と信販会社、消費者金融(いわゆるノンバンク)で比較してみます。

まずは、メガバンクとネット銀行を比べました。

■メガバンク

銀行名 月の最低返済額
三菱UFJ銀行 1,000円
三井住友銀行 2,000円
みずほ銀行 2,000円

※毎月の返済は、返済時点での借入残高によって約定返済金額が設定されます。

■ネット銀行

銀行名 月の最低返済額
楽天銀行 2,000円
イオン銀行 1,000円
セブン銀行 5,000円
住信SBIネット銀行 2,000円
ソニー銀行 2,000円
PayPay銀行 3,000円
auじぶん銀行 1,000円

セブン銀行以外は、最低返済額金額1,000~2,000円という銀行が多く、全体的に低めでした。

10万円以下くらいの少額借入れであれば、毎月1,000~2,000円の返済で済むのが相場のようです。

一方、消費者金融や信販会社などのノンバンク系カードローンは、企業によって最低返済額に大きな差がありました。

■ノンバンク(消費者金融、信販会社など)

銀行名 月の最低返済額
アコム 残高の1.5~4.2%(1,000円切り上げ)
プロミス 残高の1.99~3.61%(1,000円切り上げ)
アイフル 4,000円
SMBCモビット 4,000円
J.Score(ジェイスコア) 1,000円
三井住友カード カードローン 5,000円

全体的に、銀行よりは最低返済額がやや高めの印象です。

なかでも、アコムとプロミスは最低返済額が定額ではなく割合で、返済金額の幅は1,000円から数万円まで幅が広いです。

アコムは「契約極度額(最大で借入れられる限度額)」によって割合が変わります。

たとえば、アコムで審査を受けた結果、極度額が50万円だったなら返済額は残高の3.0%ですが、極度額が30万円なら4.2%になります。

一方、プロミスは「借入残高」のみに応じて割合が変わります。

借入れ残高が残高50万円なら2.53%、30万円なら返済額は残高の3.61%です。

このあたりは実際にシミュレーションをしてみた方がわかりやすいと思うので、計算してみました。

返済額をシミュレーションしてみた

電卓を持つ女性

実際に、最低返済額が異なる三井住友銀行・アコム・プロミスで、カードローン最終返済額を比較してみました。

返済額シミュレーションの内容

10万円を、最低返済金額で返済し続けた場合の最終支払金額をシミュレーションします。

比較をする金融機関は下記3行です(金利は最高金利を適用)。

三井住友銀行
カードローン金利:年14.5%
10万円の最低返済額:2,000円
アコム
カードローン金利:年18.0%
10万円の最低返済額:5,000円(10万円×4.2%=4,200円を1,000円単位で繰り上げ)
プロミス
カードローン金利:年17.8%
10万円の最低返済額:4,000円(10万円×3.61%=3,610円を1,000円単位で繰り上げ)

上記の通り、三井住友銀行の方が低金利、かつ最低返済額も少なめで一見良さそうに見えます。

しかし、それぞれの返済計画と最終返済金額を比較してみると、低金利な三井住友銀行の方が、返済額は高くなってしまいました。

■三井住友銀行とアコム 10万円を最低返済金額で返済した場合の比較

比較 三井住友銀行 アコム プロミス
10万円の最低返済額(約定返済額) 2,000円 5,000円 4,000円
金利 年14.5% 年18.0% 年17.8%
返済期間 76ヶ月 24ヶ月 32ヶ月
最終支払額 151,651円 119,772円 125,864円

このように、低金利なメガバンクのカードローンである三井住友銀行でも、借入期間が長引くと最終返済額が膨れ上がってしまいます。

結果的に、金利が高めのアコムやプロミスより最終金額が増えてしまいました。

最低金額が低いカードローンを見ると「月々の負担が少なくて良さそう」と思う人も多いですが、実は最終的に支払う金額に数十万円単位の差が生まれることもあります。

今回は10万円という少額で計算したので数万円の差で済みましたが、これが100万円単位のまとまった融資だと、利息差はさらに広がります。

※実際に自分で計算をしてみたい場合は、各社公式サイトや当社のローンシミュレーターをお使いください。

ローン返済シミュレーター
返済方式
借入金額
金利(年利)%
借入期間
ヶ月

返済が長期化すると利息が増える理由

手でバツを作る男性

上記のシミュレーションの通り、最低返済額が低いカードローンは支払いが長期化しやすく、結果的に利息が増えてしまうというデメリットがあります。

返済が長期化すると利息が増えてしまう理由は、カードローンの利息は日割り計算で行われているからです。

■カードローンの利息の計算方法

利息=借入残高(元金+利息)×年率(%)×日数÷365日

月々の返済が少ないと借入残高がなかなか減らないので、そこにかかる利息も多くなっていきます。

そして多くのカードローン会社は、借入残高が少ないほど最低返済額も少額になっていくので、残高が減ってきてもらに返済期間が延びるようになっています。

つまり、約定返済額が少ないということは、月々の返済負担が減るというメリットの裏にすぐに完済できないようになっているというデメリットがあります。

返済期間を短縮する「繰上返済」の方法

積み木とカレンダー

カードローンの返済で、最終支払い金額を少しでも減らすなら、なるべく早く返済を早める必要があります。

一番おすすめの方法は、繰上返済(随時返済)をうまく使うことです。

もちろん、約定返済の最低返済金額を引き上げるのも返済期間短縮には効果的ですが、月々の家計に余裕がない人にはやや不向きです。

たとえば、最低返済金額を1,000円から1万円に変更すれば、返済期間を短くすることはできます。

しかし、結果的に家計を圧迫して返済が遅れてしまうと「遅延損害金」というペナルティが発生してしまいます。

自信がない人は、自分のペースで繰り上げて返済ができる随時返済をすることをおすすめします。

そこで、より利息を節約する方法として、繰上返済の効果的なやり方を2通り解説します。

お金に余裕があるときに随時返済

コンビニATMに足を運ぶ男性

オーソドックスな繰上返済のやり方は、ボーナス月などお金に余裕があるタイミングに返済する方法です。

お金に少しでも余裕があればこまめに繰上返済をすることで残高を減らしていき、最短で返済するイメージです。

たとえば、財布に余裕があったからコンビニATMに寄って返済する、というのもありだと思います。

もし銀行カードローンを利用しているのであれば、インターネットバンキングのマイページで口座残高を見て、返済に回すお金がありそうだと思ったらそのままネット返済をするのもスムーズです。

コンビニATMや土日の銀行ATMは硬貨が使えないので、1~100円単位で返済するときはネット返済が便利です。

参考記事:ATM手数料無料のカードローンはあるの?借入・返済の費用を抑えたい方へ

最後にまとめて一括完済

積み木

もう一つのやり方は、最低返済金額で少しずつ返済をしておき、最後に全額返済を行う方法です。

全額返済の日までお金を貯めておく必要があるので、計画的に返済できる人向けです。

考え方としては、「返済当初は残高が多いから、利息も多く取られる」と割り切って、最初は最低限の返済しか行わないでおくというイメージです。

お金を使い込まないようにする必要はありますが、ちゃんと実行できれば利息を大きく節約することができます。

■例:三菱UFJ銀行で10万円を借りる場合

もし三菱UFJ銀行のバンクイック(年率1.8%~14.6%)で毎月1万円の約定返済をすると、11ヶ月で完済できます。

一方、10ヶ月までは最低返済額2,000円のみ(借入利率 年8.1%超の場合)返済をして、11ヶ月目に90,833円を一括返済することでも完済可能です。

この場合の利息差は、下記の通りになります。

  • 毎月1万円返済…利息54,952円
  • 最後に一括完済…利息11,617円

上記の通り、同じ11ヶ月かけての返済でも、最後の月にまとめて完済することで4万円以上の利息を節約できます。

ただし、先程も触れた通り、この返済方法が向いているのは計画的に返済ができる人です。

「お金が手元にあったら使ってしまいそう」「返済しながら貯金する余裕なんてない」という人は、繰上返済をする余裕がある月のみ少しずつ返済、というやり方の方が良いと思います。

どうしても返済が厳しい月は相談を

電話する女性

もし、月々の返済を最低返済額に変更しても返済が厳しくなった場合は、なるべく早くカードローン会社に相談することをおすすめします。

今まで真面目に返済していたのであれば、相談に乗ってくれる可能性もゼロではありません。

カードローン会社としても、貸したお金が帰ってこなくなる「貸し倒れ」はなるべく防ぎたいので、優良顧客の相談には乗ってくれるケースもあります。

「いくらまでなら返済できますか?」「いつまで待てば返済できますか?」など、解決策を提案してくれた場合は、その約束通り返済をすればブラックリスト入りしないケースもあります。

少しでも印象を良くするためには、返済日の前に余裕を持って相談することをおすすめします。

一応、金利が低い他社カードローンへの「借り換え」という対処法もありますが、将来の利息は節約できても現在借りているお金は減らないので、根本解決にはなりません。

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年2月21日 更新)

ありがとうございます。

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