ARUHI スーパーフラット
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ARUHIといえばフラット35が有名ですが、スーパーフラットシリーズも評判が高まっています。
アルヒのスーパーフラットとは、頭金(手持ち金)を1~5割用意し、「フラット35より低金利な固定金利ローン」を組めるプランです。
省エネや耐震などの条件を満たせば、さらに金利が低い「スーパーフラットS」の利用もできます。
審査の早さなど、フラット35のメリットも引き継いでいます。手持ち資金を用意できる人は、検討をおすすめします。
一方、団信や融資手数料などの条件は、フラット35と違います。今回は、ARUHIスーパーフラットのデメリットも含めて、わかりやすく解説します。
※手数料表記は税込です。
目次
スーパーフラットの種類と利用条件
アルヒのスーパーフラットには、
- ARUHI スーパーフラット5
- ARUHI スーパーフラット6
- ARUHI スーパーフラット6.5
- ARUHI スーパーフラット7
- ARUHI スーパーフラット7.5
- ARUHI スーパーフラット8
- ARUHI スーパーフラット8.5
- ARUHI スーパーフラット9
- ARUHI スーパーフラット借換
という9種類のプランがあります。
いずれも手持ち金(頭金)を一定以上支払うと、通常のフラット35より低金利の長期固定金利ローンを組めます。
アルヒのスーパーフラットが、通常のフラット35より低金利の理由は、「保証型」のフラット35だからです。
一般的なフラット35は「買取型」といい、住宅ローンの債権を住宅支援機構(フラット35運営の公的機関)が買い取っています。
「保証型」のフラット35は、債権買い取りや販売を金融機関が行い、金融機関側の裁量が大きいのが特徴です。
通常のフラット35は、国からの代理店として販売する商品、スーパーフラットはARUHIオリジナルに近い商品、というイメージです。
スーパーフラットシリーズの借入期間は、通常のフラット35と同じく15~35年です。
最長35年間の固定金利で返済できるので、安定した返済計画を立てたい人におすすめです。
各スーパーフラットの違いは、融資比率(住宅購入額のうち何割を借りて、何割を頭金として支払うか)と、返済比率(年収に対する返済額の割合)の条件にあります。
頭金をどれだけ用意できるか、収入のうちどれくらいを住宅ローン返済にあてられるかによって、プランを選びます。
■スーパーフラットシリーズの利用条件
商品名 | 融資比率 | 返済比率(返済負担率) |
---|---|---|
スーパーフラット5 | 5割(頭金5割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット6 | 6割(頭金4割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット6.5 | 6.5割(頭金3.5割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット7 | 7割(頭金3割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット7.5 | 7.5割(頭金2.5割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット8 | 8割(頭金2割) | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラット8.5 | 8.5割(頭金1.5割) | 20%以内 |
スーパーフラット9 | 9割(頭金1割) | 20%以内 |
スーパーフラット借換 | 借り換える住宅ローン残高と諸費用の合計の10割以下 | 年収400万円未満:30%以内 年収400万円以上:35%以内 |
スーパーフラットシリーズは、プラン名の後ろの数字で、融資比率を表しています(例:スーパーフラット「7」は融資比率「7」割)。
もっとも金利が低いのは、住宅購入費の5割を頭金として支払うスーパーフラット5です。
スーパーフラットをなるべくお得に利用したい人は、まとまった頭金の用意をおすすめします。
住宅の基準もあり
スーパーフラットで購入する住宅は、以下の条件を満たす必要があります。
■スーパーフラットを利用できる住宅の条件
- 「適合証明書」を取得できる
- 借入金額8,000万円以下、かつ融資額100%以内
- 住居部分が2分の1以上(店舗や事務所と併用の場合)
- 床面積が一定以上
「適合証明書」とは、住宅支援機構が指定した検査機関が発行する書類です。スーパーフラットは、適合証明書を取得できる品質の住宅のみ利用できます。
事前に物件調査を依頼し、書類や現場検査によって、住宅をチェックしてもらう必要があります。
床面積にも条件があり、一戸建てや重ね建て住宅は70平米以上、マンションなどの共同住宅は30平米以上の必要があります。
住宅支援機構は「住生活の向上」を理念に掲げています。スーパーフラットも、一定の生活水準を満たすマイホーム購入を対象にしているのだと思います。
スーパーフラットのメリット
スーパーフラットの一番の利点は、フラット35より低金利で住宅ローンを組めることです。
フラット35の審査スピードなどのメリットはそのまま残し、金利を引き下げていてお得です。
頭金が用意できる人は、積極的な検討をおすすめします。
フラット35より金利が低い
ARUHIのスーパーフラットは、フラット35より低金利です。
記事執筆時点で、スーパーフラットとフラット35の金利を比較したところ、借入期間35年間だと年0.1%以上の金利差がありました。
多くの住宅ローンは、通常数千万円の借入になります。年率に0.1%の違いがあると、利息差が100万円ほど開くケースも珍しくありません。
ためしに、35年間の固定金利住宅ローンで、4,000万円を借り入れる場合の返済総額を計算してみました。
年率1.1%と1.2%では、返済総額に約80万円の違いがありました。
優良物件はさらに低金利に
スーパーフラットには、省エネや耐震などの条件を満たすとさらに低金利になる「スーパーフラットS」というプランもあります。
スーパーフラット5S・6S・6.5S・7S・7.5S・8S・8.5S・9Sは、当初5年間または10年間の金利が、大きく引き下がります。初期の返済負担を減らせて、おすすめです。
住宅の条件は、フラット35Sと同じです。主に、以下の技術基準を満たす必要があります。
■フラット35S・スーパーフラットSを利用するための条件(いずれか1つ)
- 省エネルギー性
- 耐震性
- バリアフリー性
- 耐久性
具体的な基準は、住宅が新築か中古かによって異なります。一定基準を満たすと、5年間もしくは10年間、年0.25%の金利引き下げとなります。
すべての条件を満たす必要はなく、どれか一つの条件を満たせばOKです。
審査が早い
ARUHIはフラット35の審査スピードに定評があり、スーパーフラットも、同じ早さで審査を受けられます。
店舗での申し込みなら、事前審査は最短当日、本審査は最短3営業日で完了する場合もあります。
書類不備なくスムーズに審査が進めば、1ヶ月以内の融資実行も可能です。
Web申し込みでは、事前審査に1~2営業日、本審査に10~14日ほどかかりますが、それでも通常の住宅ローンの審査期間より早めです。
一般的な住宅ローンでは、申し込みから融資を受けるまでに1ヶ月以上、長ければ2ヶ月かかるのも珍しくありません。
審査期間が長いと、結果待ちの間に金利が上がってしまったり、人気の高い新築物件が先に購入されたりするリスクがあります。
ARUHIの審査は、これらのデメリットをカバーできるスピードといえます。
保証料・繰上返済手数料が無料
ARUHI スーパーフラットシリーズは、いずれも保証料と一部繰上返済手数料が無料です。
本来、住宅ローンの保証料は70万円前後かかります。この費用が一切かからないスーパーフラットは、初期費用の負担が軽くすみます。
一部繰上返済手数料も、ネットから返済手続きをすれば無料で、1万円から返済できます。資金に余裕ができたら、繰上返済をおすすめします。
通常のフラット35は、ネットでの繰上返済が、10万円からしかできません。スーパーフラットのほうが、こまめに繰上返済がしやすく便利です。
繰り上げ返済によって返済期間を短縮すると、将来支払う利息も減らせます。
ARUHIの一部繰り上げ返済手続きは、電話と郵送でもできます。しかし、1回につき11,000円もしくは33,000円の繰上返済手数料がかかります。
手間と手数料がかからない、ネット返済がおすすめです。
スーパーフラットの繰上返済は、ARUHIのオンラインマイページ「住・My Note」から手続きできます。
窓口に行かずに、スマホやパソコンでかんたんに返済できます。
返済口座が自由に選べる
フラット35もスーパーフラットシリーズも、返済口座には1,000以上の金融機関を指定できます。
ゆうちょ銀行やメガバンクはもちろん、地方銀行や信用金庫も網羅しています。すでに利用中のメインバンクから返済でき便利です。
通常、銀行で住宅ローンを組むと、その銀行の口座から毎月の返済額を引き落とす必要があります。他行の銀行口座では、原則返済できません。
ARUHIは銀行ではなく「住宅ローン専業の金融機関」なので、このような縛りがなく、自由に返済口座を選べます。
2つのデメリット
スーパーフラットを利用する際に、気をつけるポイントもあります。
場合によっては、スーパーフラットが、通常のフラット35よりも割高になるケースもあるので、要注意です。
機構団信には入れない
現在、通常のフラット35には「機構団信」という団体信用保険がついています。
団体信用生命保険に加入せずに、フラット35に契約もできます。しかしARUHIのフラット35は、団信つきでも低金利で、民間の生命保険などよりも安く「死亡・高度障害保障」があります。
金利を年0.24%上乗せすれば、三大疾病保障や介護保障もプラスできます。
一方、スーパーフラットには機構団信がついていません。ARUHIが独自に用意する「ARUHI団体信用生命保険(ARUHI団信)」に任意で加入します。
機構団信でつけられる三大疾病特約はないので、三大疾病に備えるには、民間の生命保険などが必要です。
ARUHI団信は、保障範囲に応じてプランを選び、スーパーフラットの金利に上乗せする形で手数料を支払います。
■ARUHI 団体信用生命保険の保険料
種類 | 金利 |
---|---|
一般団信 | 金利引き上げなし |
がん団信(がん50%保証プラン) | 一般団信+年0.05% |
がん団信プラス(がん100%保証プラン) | 一般団信+年0.15% |
生活習慣病団信 | 一般団信+年0.25% |
ワイド団信(一般団信に入れなかった人向け) | 一般団信+年0.30% |
※ワイド団信は、健康状態などの理由で一般団信に加入できなかった人が、金利を上乗せして、一般団信と同じ保証を受けるプランです。
ARUHI団信の「一般団信」は、金利上乗せなしで加入できます。
三大疾病の特約はありませんが、余命6ヶ月という診断だと、住宅ローン残高が0円になる「リビング・ニーズ特約」が付帯しています。
リビング・ニーズ特約は、一般団信にも付帯しています。金利上乗せなしの保障だと、ARUHI団信のほうが保証範囲は広めです。
がん・生活習慣病・入院などの保障つきプランも選べて、機構団信より多くのプランから保障を選べます。
■機構団信とARUHI団信 保障内容の違い
プラン | 死亡・高度障害 | 3大疾病 (がん・急性心筋梗塞・脳卒中) |
介護保障 | 余命6ヶ月 | 生活習慣病による 180日以上の入院 |
5日以上の入院 |
---|---|---|---|---|---|---|
機構団信 | ◯ | - | - | - | - | - |
3大疾病付機構団信 | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | - |
ARUHI 一般団信 |
◯ | - | - | ◯ | - | - |
ARUHI がん団信50% |
◯ | がん診断で残高の50%支払 | - | ◯ | - | - |
ARUHI がん団信100% |
◯ | がん診断で残高の100%支払 給付金あり |
- | ◯ | - | - |
ARUHI 生活習慣病団信 |
◯ | がん診断で残高の100%支払 給付金あり |
- | ◯ | ◯ | 給付金や返済保障あり |
もっとも保障範囲が広い団体信用生命保険は、「ARUHI 生活習慣病団信」です。
死亡・高度障害時やがんという診断だけでなく、所定の生活習慣病によって180日以上の入院をした際も、住宅ローン残高が0円になります。
5日以上の入院をしたときは10万円の入院一時金を、31日以上の入院になったら、月々の返済額も補てんしてもらえます。
しかし現代は医学の進歩により、入院日数が短くなっています。金利を上乗せしても、入院保障は受けられない可能性もあります。
個人的には、スーパーフラットでは「一般団信」「がん団信」のどちらかで検討しても問題ないと思います。そのほかの病気やけがには、生命保険で備えるのも手です。
民間保険会社の三大疾病保険の多くは、掛け捨てではなく「終身型」です。
病気にならなくても死亡時に保険金を受け取れ、遺族にまとまった資産が残せるメリットもあります。
団体信用生命保険は保険料が安いものの、支払った保険料が戻ってこない「掛け捨て型」です。
融資事務手数料は1.1~2.2%
ARUHIスーパーフラットの融資事務手数料は、融資額の2.2%です。これは、フラット35と同じです。3,000万円の住宅ローンを組む場合、66万円が必要です。
事務手数料は、原則住宅ローンの借入時に前払いです。初期費用のひとつです。諸費用の支払いが難しい場合は、住宅購入費とあわせて借り入れられます。
ただし、ネットから申し込む「ARUHIダイレクト」に申し込むと、融資事務手数料を半額に引き下げられます。
ARUHIダイレクトのWeb本申込でARUHI スーパーフラット(借換)に申し込み、契約した場合、事務手数料が「ご融資金額×1.1%」になります。
<ARUHIダイレクトの割り引きに関する注意事項>
※対象::ARUHIフラット35、ARUHIフラット35+ARUHI フラットα
※本割引は予告なく終了または変更する場合があります。
※ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」※最低事務手数料220,000円(消費税込)税率の適用基準日は、融資実行日となります。
※全国のARUHI店舗のいずれかで申し込み(または相談)をした方は対象外です。
フラット35とスーパーフラットの比較ができる
ARUHIの公式サイトでは、フラット35とスーパーフラットの返済シミュレーションを比較できます。
どちらのほうが返済総額が多くなるか、かんたんに比べられて便利です。
シミュレーターで算出した返済総額に、団体信用生命保険や融資事務手数料を足せば、諸費用も含めて比較ができます。
フラット35とスーパーフラットは、保証料と繰上返済手数料が無料です。比較する必要がある手数料は、団信保険料と融資手数料のみです。
登記費用や火災保険料などもかかりますが、これらの費用はどの住宅ローンを利用しても同じです。
団体信用生命保険は、どこまで特約をつけるかによって、上乗せ金利が変わってきます。
ARUHIの融資手数料は融資額の2.2%です。手数料も含めてシミュレーションすれば、完済までに必要な諸経費も含めて比較でき、おすすめです。