LINE Bank(仮)

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ラインアプリ

2023年3月30日:更新
日本経済新聞によると、みずほフィナンシャルグループとLINEが共同で設立を目指してきた新銀行「LINEバンク」の開業を断念する方針を固めたことがわかりました。
残念ながら、LINE BANKの設立は構想のみで終わってしまう結果となったようです。

2018年11月27日、無料メッセージアプリ「LINE(ライン)」を運営するLINE株式会社が、みずほフィナンシャルグループと共同でネット銀行事業を始めると発表しました。

大手IT企業とメガバンクが手を組み、注目されています。LINEフィナンシャル社長は、「手のひら金融」「金融の民主化」をめざすと話しています。

2019年5月27日に準備会社を立ち上げ、2020年からサービスを開始する予定です。

どのようなサービスを展開していくか、今までにないサービスはあるのか、今後の情報によってはネット銀行業界が大きく変わるかもしれません。

※金額・手数料表記はすべて税込です。

すでに多くの金融サービスを展開中

スマホ決済イメージ

LINEは、すでに金融サービスへ進出しています。LINE Bankは、LINE経済圏のなかのサービスの一つです。

LINEが運営する金融サービス
LINE Pay
コンビニやレストランで利用できるスマホ決済。QRコード決済や個人間送金に対応。
LINEスマート投資
ワンコイン投資やテーマ投資など、初心者にもわかりやすい仕組みの投資サービス。
LINE証券
野村ホールディングスと提携して開始したネット証券。1株からの少額投資も可能。
LINEほけん
保険料100円から加入できる。スマホ故障保険や自転車保険など、日常に根ざした保険が中心。
LINEポケットマネー
みずほ銀行・オリエントコーポレーションが共同出資する個人向け無担保ローン。スマホでカードローンが利用できる。
LINEスコア
信用スコアリング。LINE BankやLINEポケットマネー、LINEほけんの審査に活用すると思われる。

代表的なサービスは、スマホ決済のLINE Pay(ラインペイ)です。

国内キャッシュレス決済の先駆けとなり、現在はスマホ決済アプリ利用率No.1です。

店舗網の拡大も急速に広がっています。2018年から3年間は加盟店手数料を無料にし、中小店舗もLINE Payを導入しやすくしています。

さらに、2018年11月には「LINE家計簿」という自動家計簿アプリも開始しています。LINE上で、お金の一括管理までできるようになりました。

■LINE家計簿とは

LINE家計簿とは、銀行口座やクレジットカードを登録し、それらの入出金や支払い履歴を自動で取り込むアプリです。

従来のお小遣い帳アプリと違い、買い物をするたびに手入力する必要がありません。家計簿が続かない人も、自動で収支管理ができます。

LINE家計簿アプリもリリースしていますが、LINEアプリでも一部の家計簿機能が使えます。

自動家計簿アプリといえば、マネーフォワードが最大手です。新規参入がしばらくなかったタイミングで、LINE家計簿が始まり話題になりました。

LINE BANKだけでなく、LINEの金融サービスを一括管理できるようになると期待できます。今まで以上に、LINEが日常生活で欠かせなくなるかもしれません。

みずほと連携する安心感

みずほ銀行 ロゴ

LINEがネット銀行をスタートするにあたり、みずほフィナンシャルグループと共同設立という点は、ユーザーにとって安心感があります。

みずほ側も、7,000万人以上のアプリユーザーを抱えるLINEと提携し、若者層にアプローチできるメリットがあります。

LINEは、銀行設立や運営のノウハウをみずほから提供してもらい、サービスの幅を広げられます。

顧客基盤があるLINEとメガバンクのみずほの協業は、まさにWIN-WINの関係といえます。

ネット銀行ブームでNo.1になれるか

スマホとタブレットを持つ女性

2018年に入ってから、新しいネット銀行が次々と生まれました。楽天銀行などが誕生した頃に続き、「第二のネット銀行スタート期」になりつつあります。

LINEの強みは、メッセージアプリで多くのユーザーがいる点です。若者層がどこまで「LINEで銀行口座を作ろう」と思えるかに注目です。

ネット銀行は、メガバンクやゆうちょ銀行に比べて預金金利が高く、手数料は安いのが一般的です。実店舗を持たずネット専業運営でコストをおさえ、サービス面を充実できるからです。

ネット銀行最後発のLINE銀行も、他社にはない銀行サービスを打ち出す必要があると思います。

個人的には、LINE Payにチャージしたお金を「手数料無料」で銀行口座に戻せるようになれば、LINE銀行を使うメリットがあると思います。

現在は、LINE Payにチャージした残高を銀行口座に戻すと、220円の手数料がかかります。手数料としてはやや高い印象です。

このデメリットを解消できれば、より快適にLINE Payが使えるようになります。

無担保ローンへの参入も同時発表

スマホを持った男性

LINEは、無担保ローンサービス「LINEポケットマネー」と、スコアリングサービス「LINEスコア」を、2019年を目処にサービス開始予定です。

無担保ローンサービスとは、カードローンのような「個人でお金を借りるサービス」です。

LINEポケットマネーは、カードなしで利用できるスマホローンのようなサービスになると考えられます。

飲み会代やご祝儀が足りないときに、LINEアプリやLINE Bankからかんたんにお金を借りられるかもしれません。カードローンに抵抗がある人も、身近なLINEなら借りやすいと思います。

LINEポケットマネーは、LINE Creditとみずほ銀行に加えて、信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)も出資します。

オリコは多くの金融機関でローン審査代行を行っている会社です。多くの審査ノウハウを蓄積しています。

ローン運営実績が豊富なみずほ銀行と、審査ノウハウがあるオリコと組めば、LINEポケットマネーは質の高いローンサービスとなりそうです。

実際に審査を行う際は、LINEスコアのスコアリングによって、個人の信用度をランク付けします。

スコアリングとは、蓄積された取引データや行動実績をもとに、スコア判定を行う方法です。ローンにおいては、高スコアの人は、融資利率や借入限度額が有利になる仕組みです。

海外では、アリババグループなども取り入れている審査方法です。LINE Bankなどのデータをもとにしながら、スコアリングを行うと予測できます。

スコアリングによる無担保ローンサービスは、国内ではすでにJ.Score (ジェイスコア)という金融機関が取り入れています。

ジェイスコアとは、みずほ銀行とソフトバンクが共同で設立した無担保ローンサービスです。低金利で審査スピードが早いと評判で、ユーザーを増やしています。

AIスコアリングを活用すると、人の手で行う審査の手間が減り、運営コストを削減できます。その結果、審査が早くなるうえに、金利を低く抑えられます。

LINEポケットマネーでの借入も、審査スピードなどをメリットに押し出してくると考えられます。

今後はLINE以外にも、Yahoo!ドコモがスコアリングによる無担保ローンに進出する予定なので、各社の競争が激しくなりそうです。

ネット銀行についてのQ&A

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2023年3月30日 更新)

ありがとうございます。

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