クレジットカード遅延の結末とは 延滞履歴の記録や信用情報に残るのは

※記事内に広告を含む場合があります

当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。

※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

クレジットカードを持つ人形

クレジットカードの支払いを遅延すると、最悪の場合は強制解約ブラックリスト入りに繋がります。

クレジットカードの延滞履歴は、クレジットカード会社と信用情報機関に記録が残ります。

長く延滞するだけでなく、支払いの遅延を繰り返すなどの不誠実な対応をした場合も、信用情報に傷がついてしまいます。

今回は、クレジットカードの延滞履歴がどれくらい記録されるのか、信用情報に傷がつくとどうなるのかを、わかりやすく解説します。

最後は、クレジットカードの浪費癖を治すコツも紹介しています。

延滞記録が残る日は?

時計とカレンダー

クレジットカードなど、信用力が必要な取引履歴を記録をする信用情報機関では、61日以上の長期延滞をすると事故情報が残ります。

61日以上の長期延滞は「金融事故」扱いになり、いわゆるブラックリスト入りと言われる状況になります。

クレジットカードが使えなくなったりローンが組めなくなったりするので、日常生活にも不便が出てきてしまいます(くわしくは後述)。

とはいえ、永久にブラックリストに名前が載るわけではありません。

たとえばクレジットカードの事故記録は、信用情報機関には5年までしか残りません。

しかし注意しなければいけないのは、信用情報機関ではなく「クレジットカード会社」の延滞履歴は、ほぼ一生残るということです。

クレジットカード会社では、61日以上の長期延滞をしなくても、1日の遅延でも「支払いが遅れた」という記録を自社でつけることができます。

そしてその記録は、多くの金融機関では100年近く残せます。

何ヶ月も連続で延滞するなど「悪質」と捉えられる行動を取ると、クレジットカード会社で要注意人物になってしまうことは十分ありえます。

その結果、その会社でクレジットカードが使えなくなることもあるので、基本的には延滞は1日でもするべきではないと思っておいた方がいいです。

※数日の延滞でも、延滞が連続すると信用情報にも記録されてしまうことがあるので注意

遅延損害金は日々増えていく

バツ

クレジットカードの支払いを1日でも延滞すると、遅延損害金が発生します。

遅延損害金は、ショッピング枠キャッシング枠によって利率が異なりますが、いずれも日割り計算によって算出されます。

■ショッピング枠とキャッシング枠の違い

クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠という2種類の機能が付帯しています。

ショッピング枠
遅延損害金の利率相場:年14.6%
お店のレジや通販でクレジットカード決済をした場合など、「支払い」に使える枠です。
キャッシング枠
遅延損害金の利率相場:年20.0%
お金がないときなどに、お金の「借り入れ」に使える枠です。

遅延損害金は、VisaやJCB、Mastercardなどの主要なカードでは共通です。

日常で利用するショッピング枠は年14.6%、キャッシング枠はさらに高めの年20.0%です。

冒頭でも触れた通り、遅延損害金は日割り計算なので、遅延損害金が日に日に積み重なっていきます。

■クレジットカードの遅延損害金 計算方法
延滞している代金×遅延損害金の利率(%)÷365日×延滞日数

※うるう年の場合は366日で日割りします。

たとえば、ショッピング枠を例に計算してみます。

10万円を2ヶ月延滞した場合、総支払額は10万2,400円になります。

もし、1週間だけの延滞でちゃんと支払いを済ませれば、総支払額は10万280円。遅延損害金が280円という少額で済むのです。

このように、延滞してしまったとしても1日でも早く支払うことでコストを抑えられます。

ブラックリスト入りのデメリット

破産イメージシルエット

クレジットカードの延滞で怖いのは、遅延損害金だけではありません。

金融事故を起こした記録が信用情報期間に残る、いわゆるブラックリスト入りという点も大きなリスクです。

ブラック入りすることで生じるデメリットは、おもに下記4点です。

■ブラックリスト入りするとどうなる?

  • クレジットカードが一切使えなくなる
  • ローンが組めなくなる(住宅ローンなど)
  • 一部の分割払いができなくなる
  • 身内の借入れの保証人になれない

クレジットカードの延滞の場合、事故記録は5年間残るので、上記の状態が5年間続くことになります。

簡単に言うと、5年間はどんなモノ・サービスを買うにも現金一括払いしかできません。

クレジットカードが使えなくなる

クレジットカードと人形

すでに契約していたクレジットカードが使えなくなるのはもちろん、他社でもクレジットカードが新規契約できなくなります。

なぜなら、クレジットカードの契約をする際は必ず信用情報の審査が入り、その時点でNGになるからです。

クレジットカードは後払い、つまり一時的に借金をする支払い方法なので、信用力や返済能力がある人しか持てません。

もしカード決済を利用したいのであれば、「デビットカード」であればブラックリスト入りしても使えます。

デビットカードとは、後払いのクレジットカードと違い、利用代金が即時引き落としになるカードです。

つまり、口座残高以上の支払いができないカードなので、基本的には審査なしで発行できます。

たとえばVisaデビットなら、国際ブランドVisaカードが使えるほとんどの店で、クレジットカードのように利用することができます。

参考:知ってナルホド!クレジットカードとデビットカードの違いとは?

ローンが組めなくなる

家

クレジットカードと同じく、ローンを組むときも信用情報機関を通して審査をするので、ブラックリスト入りするとローン審査も落ちてしまいます。

住宅ローン自動車ローンといった大きなローンだけでなく、少額のカードローンも利用できません。

クレジットカードも使えなくなるので、もちろんクレカのキャッシングも使えません。

よって、「お金を借り入れる」ということが一切できなくなります。

特に、マイホームやマイカーの購入を考えていたタイミングでの延滞には要注意です。

一部の分割払いができなくなる

分割払いイメージ

分割払いサービスも、信販会社のローンを利用している企業がほとんどなので、使えなくなります。

たとえば、分割払いが使える歯医者では、病院が提携しているデンタルローンを利用する流れになります。

窓口で20~30分待って審査を受けることになりますが、ブラックリストに入っていると、この時点で審査落ちとなります。

インプラントなどの高額な歯科治療も、一括払いしかできません。

ほかにも、スマホを新しく買い替えるときに本体代を分割払いできないなど、生活のさまざまなシーンで不便が生じます。

身内の借入れの保証人になれない

机と電卓

ブラックリスト入りしている人は、身内が借り入れをする際の保証人(連帯保証人)になることができません。

たとえば奨学金は、親だけでなく叔父や叔母なども保証人を立てる必要があります。

「姪の奨学金の保証人になってくれないか」と相談されても、やむを得ず断ることになってしまいます。

場合によっては、何と言って断るか難しいかもしれません(「ブラックリスト入りしているから」とは言いづらいと思いますので…)。

※奨学金は保証人を立てずに組めるプランもありますが、手数料がかかるので保証人付きで組む人がまだまだ多いです。

ほかにも、住宅ローンやマイカーローンで保証人が必要になる場合もあるので、身内に相談されて困るシーンが出てくるかもしれません。

クレジットカードが延滞しそう、延滞した場合の対処法

金欠男性のイメージ

もしクレジットカードの支払いが難しい、気づいたら延滞してしまっていた場合は、下記の対処をおすすめします。

■クレジットカード延滞の対処法

  • クレジットカード会社に相談
  • カードローンやキャッシングで借りる
  • 所持品を売る
  • 親に相談する
  • 債務整理する

まず優先的に取るべき行動は、クレジットカード会社への相談です。

クレジットカード会社に相談

コールセンター

クレジットカードの支払いが延滞しそう、もしくは延滞してしまっていると気づいたら、なるべく早くカスタマーセンターに電話することをおすすめします。

理想は、カード会社から連絡が来る前に、自分から連絡をすることです。

早い段階での相談であるほどカード会社は相談に応じてくれやすいので、無理なく支払いができるようになる可能性が高いです。

たとえば「半額なら現時点で払えるのですが…」「毎月●円ずつの分割払いならできそうでして…」とこちらから提案するなど、支払う意志を見せることも大切です。

これが、延滞の通知を無視し続けた後の連絡だったり、カード会社から連絡が来てから相談する状況だったりすると、要望が通りにくくなるかもしれません。

カードローンやキャッシングで借りる

カードとパソコン

「今月だけ返済が厳しい」という状況なら、カードローンクレジットカードのキャッシングでお金を借りて返済にあてるのも手です。

※慢性的に金欠の場合は、借金が借金を呼ぶという負のサイクルになるのでおすすめできません。

延滞をする前に、お支払い金額が確定した時点で「今月は支払えなさそう」と気づき、カードローンやキャッシングに申し込んで支払えばクレジットカードの延滞記録もつきません。

この際、借入日を調整することで、カードローン・キャッシングの利息をなるべく少なく抑えることができます。

冒頭で触れた通り、お金を借りたときの利息は日割りで計算されるので、借入期間を1日でも短くすることが望ましいです。

なので、カードローンやキャッシングには前もって申し込んでおき、お金を受け取る日をクレジットカード代金の引き落とし日「前日」で設定しておくことをおすすめします。

カードローンは審査に数日必要

クレジットカードのキャッシングは、キャッシング枠内の金額であれば審査なしでスピーディーに借りられるというメリットがあります。

なぜなら、クレジットカードを申し込む際にすでにあなたの信用力・返済能力を審査をしており、その結果に見合ったキャッシング枠を設定しているからです。

一方、カードローンは申し込んでから審査をするので、借入れまで1~3営業日ほどかかる場合もあります。

よって、クレジットカードの引き落とし日の直前に申し込んでも、入金が間に合わない可能性が出てきます。

カードローンを利用する際は早めに申し込んでおいて、審査に受かった場合の「振込希望日」を指定することをおすすめします。

参考:低金利&無利息期間があるカードローン比較 初めてで不安な方にも

所持品を売る

腕時計をつけた男性の手

カードローンなどの借金をせずにお金を手に入れる方法としては、自分の持ち物を売るのが手軽です。

時計やブランドバックなどの高価なものがなくても、本やゲームソフト、衣類などを売ることである程度まとまったお金になる場合もあります。

しかし、クレジットカードの現金化だけは絶対NGです。

最悪の場合、延滞をしていなくてもクレジットカードが利用停止になることも考えられます。

クレジットカードの現金化とは

たとえば、新幹線チケットをクレジットカードで購入して、すぐに金券ショップで販売すると現金を手に入れることができます。

しかしクレジットカードは利用規約にて、換金目的での利用を禁止しています。

換金性の高いものをクレジットカードでまとめ買いなどをすると、クレジットカードが利用停止になるケースもあります。

親に相談する

シニア夫婦

難しいかもしれませんが、場合によっては親に相談することも考えると良いと思います。

親にお金を借りるのには、利息はかかりません(利息を支払うという約束で借りる場合もありますが)。

しかし、親からお金を借りると、返済をうやむやにしてしまい、身内トラブルになってしまう人もいます。

お金を受け取る前に「2ヶ月後のボーナスで一括返済するから」「来月から1万円ずつ返すね」と、具体的な返済スケジュールも約束しておくことをおすすめします。

債務整理する

事務所イメージ

どうしても延滞したクレジットカード代金が支払えない、今後支払う見込みが立たない…という場合は、債務整理も検討することになります。

債務整理とは、借金の返済額を減額、もしくは帳消しにする手続きのことです。

代表的なものだと、自己破産なども債務整理の一つです。

返済の目処がたたない人は、法律事務所などに相談することも検討すると良いと思います。

ただし、債務整理にはデメリットもあるので、気軽に決断しないことをおすすめします。

たとえば、債務整理は信用情報機関に「金融事故」として記録されるので、5~10年はクレジットカードが使えなくなります。

任意整理」という債務整理ならクレジットカードを残せる可能性もあります。

クレジットカードの浪費癖を治すには

カードで買物

クレジットカードの延滞をしがちな人は、浪費癖がついてしまっているかもしれません。

だからといって、いきなりクレジットカードを一切使わない生活にしても、不便が多くなって長続きしなければ意味がありません。

そこで最後に、クレジットカードを使うのをやめずに、浪費癖を直すためのコツをお伝えします。

■クレジットカードの浪費癖を直すコツ

  • 利用明細を毎月見るようにする
  • デビットカードに切り替える

クレジットカードを使い込んでしまう人のなかには、「自分がいくら使ったかよくわかっていない」という人も多いです。

人によっては、利用明細を見たことがないという人も…

まずは毎月の利用明細を見て、自分がどれくらいお金を使っているのかを知る癖をつけることをおすすめします。

もしクレジットカードを複数枚使っているのであれば、複数のクレカを一括管理できる貯金アプリを活用することをおすすめします。

■複数のクレジットカードを一括管理できる貯金アプリ

また、クレジットカードと同じように使えるデビットカードに一部切り替える方法もおすすめです。

デビットカードは銀行口座の残高以上の支払いができないので、お金の使いすぎを防ぐことができます。

たとえば、下記のような設定をすれば、毎月の日常的な出費金額を予算内に納めることができます。

デビットカードで使いすぎを防ぐ方法 一例

給与口座が「三菱UFJ銀行」の場合

1.デビットカードを、給与口座とは別の銀行で発行する→ここでは仮に、セブン銀行とする

2.三菱UFJ銀行からセブン銀行に、自動的に毎月3万円が振替される自動入金サービスの設定をする

3.セブン銀行デビットカードで毎月3万円以上の支払いができなくなる

上記の「自動入金サービス」はほとんどの主要銀行で扱っている、毎月同じ日に、同じ金額を他行から自動入金するサービスです。

毎月振り込む手間だけでなく、振込手数料も0円です。

デビットカード専用口座に毎月定額を送金するようにしておけば、それ以上のお金が使えなくなるので、使いすぎを防止できます。

クレジットカードのようにポイント還元もあるので、お得なカード払いは続けたいという人にもおすすめです。

関連リンク

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年1月17日 更新)

ありがとうございます。

この記事と関連するページ

住宅ローン一覧
ページの先頭へ戻る