個人事業主向けビジネスローンの特徴 審査は早いが金利も高い

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個人事業主イメージ

個人事業主やフリーランスなど、自営業の人が事業資金を調達する方法のひとつが、個人事業主向けローン(ビジネスローン)です。

個人事業主も利用できるビジネスローンは、最短即日に審査結果が出ることもあるので、急ぎの資金調達に使えるという特徴があります。

仕入先への支払いや給与支払いで、資金繰りが厳しくなった場合などに利用する人が多いです。

一般的なカードローンは事業性資金だと組めないので、ビジネスローンを利用することになります。

しかし、ビジネスローンのメリットはスピードですが、デメリットは金利が高いことです。

今回は、個人事業主も利用できるビジネスローンの特徴をまとめた上で、より低金利で事業資金を借りる方法もあわせて解説します。

個人事業主向けビジネスローンの特徴

個人事業主も使えるビジネスローンのおもな特徴を、まずはメリット中心にまとめました。

私自身はビジネスローンに手続きや制約が多そうなイメージがありましたが、実は個人向けカードローンと大きく変わらない流れで利用できることがわかりました。

■個人事業主向けローンのメリット

  1. 事業性資金に使える
  2. 無担保、保証人も不要
  3. 総量規制がない
  4. 限度額内で自由に入出金が可能なものも
  5. 審査が早い業者も多い

事業性資金に使える

ビジネス

個人事業主向けのビジネスローンは、カードローンと違い事業性資金のために借入れできるのが大きな特徴です。

たとえば、下記のようなときにも融資対象となります。

■事業性資金の例

運転資金
売上金が入るまでの間の運営資金など
つなぎ資金
銀行の融資を受けるまでの間のつなぎなど
設備投資
仕事に必要な設備の新規購入、買い替え、メンテナンスなど
開業資金
新しくオープンする店舗の物件取得費、工事費、必要備品の購入費など
広告・宣伝資金
広告チラシ作成費、ホームページ作成費、人材採用広告費など

ビジネスローンの多くは、使いみちが事業性資金ならば使途自由です。

一部、プライベートな利用目的(生活費など)でもOKなビジネスローンはありますが、少数派です。

まずは、プライベートな借入れはカードローン、仕事上の借入れはビジネスローンと大まかにイメージしておくとわかりやすいと思います。

総量規制がない

手でバツを作る男性

ビジネスローンとカードローンの一番の違いとも言える特徴は、ビジネスローンには総量規制がないことです。

総量規制とは

総量規制とは、個人向けの消費者金融カードローンなどにおいて収入の3分の1以上の融資ができないというルールです。

貸し倒れを防ぐために、貸金業法という法律で定められています。

アコムやプロミスといった消費者金融もビジネスローンを扱っていますが、融資元が消費者金融でも「ビジネスローン」であれば総量規制にはかかりません。

個人事業主の多くは、節税のために経費を多めに計上し、数字上での所得金額が少なめになっている人も多いと思います。

そうなると、たとえば消費者金融カードローンに申し込む際に収入証明書(確定申告書など)を出すと、年収が低い=返済能力が低いとみなされて審査に落ちる可能性が高くなります。

ビジネスローンは総量規制の対象外なので、現時点で収入が少ない人も審査に通る可能性が高いです。

フリーランスでデザイナー業を始めるためにパソコンを買い揃えたい、開業したばかりで資金調達が必要といったシーンでも安心です。

無担保、保証人も不要

家と自動車

ビジネスローンを個人事業主が利用する場合、基本的に無担保で、保証人も立てる必要がありません。

その点は、個人向けのカードローンと似ていると言えます。

※法人が利用する場合は社長を保証人に立てる必要があるなど、若干のルールの違いあり。

一方、個人事業者が申し込める不動産担保ローンもあり、無担保ローンより低金利です。

しかし、不動産鑑定なども必要になるので審査に時間がかかることが多いです。

たとえば銀行で不動産担保ローンを組むと、融資まで1ヶ月ほどかかることも。

最近は不動産ローンの審査時間も短縮されつつありますが、まだまだ無担保のビジネスローンの方がスピードは勝っている印象です。

「月末の支払いのための資金調達をしたい」といった急ぎの場合は、無担保ビジネスローンがおすすめです。

また、自宅で仕事をしているフリーランスの人なども、万が一の場合に自宅を失うことになるので無担保ビジネスローンの方が無難です。

審査が早い業者も多い

速い

個人事業主向けビジネスローンは、無担保のものだと審査結果が当日に出ることもあります。

カードローンのように即日融資が可能な金融機関もあるので、なるべく早く資金が必要な場合にも便利です。

特に審査が早いのは、ノンバンク(銀行ではない金融機関)です。

ノンバンクとは具体的に、信販会社や消費者金融などを指します。

銀行のビジネスローンは審査時間が長いところが多く、申込者の状況によっては1ヶ月ほどかかることもあります。

また、銀行は支店に足を運ばなければいけないという点も、忙しい個人事業主にとってはデメリットだと思います。

ノンバンクのビジネスローンの多くはネット完結で申し込むことができるので、手続きもスムーズに完了します。

限度額内で自由に入出金できる場合もある

通帳を持つ男性

ビジネスローンの多くは、審査に受かって借入限度額を与えられると、限度額内なら自由にお金を出し入れできるようになります。

たとえば100万円の限度額をもらえば、50万円を引き出して翌週にもう10万円を引き出す…など、100万円以内で柔軟な資金調達が可能になります。

もちろん返済も、毎月の約定返済だけでなく繰上返済も自由に行えます。

借入れと返済の方法は、ローンカードを使う方法と、振込みを行う方法があります。

提携ATMからローンカードを使って現金を引き出す方法と、振込融資で銀行口座に残高を用意する方法、どちらも利用できるビジネスローンが便利です。

このように入出金どちらも可能なビジネスローンは、お金に余裕があるときにあらかじめ組んでおいて急な資金調達にそなえる、という対策にもおすすめです。

しかし、どのビジネスローンも自由に入出金ができるわけではないので、事前の確認は必要です。

借入額を一括で受け取って、あとは返済のみ行っていくビジネスローンもあります。

ビジネスローンを組むときの注意点

一方、個人事業主がビジネスローンを利用するときに、気をつける必要があるポイントもあります。

下記3点は、あらかじめ知っておくと安心です。

■個人事業主向けローンのデメリット

  • 金利は高め
  • 法人専用のものもあるので要確認
  • 事業計画書などの書類が必要な場合あり

金利は高め

金利

ビジネスローンの金利は、やや高めです。

金利相場は年5.0~18.0%ほどで、実は個人向けカードローンとほぼ同じくらいの水準です。

ためしに、ビジネスローンと個人向けカードローンを両方扱っている大手ノンバンクで、金利を比較してみました。

■ビジネスローン・カードローンの金利比較

金融機関 ビジネスローン金利 カードローン金利
オリックス・クレジット 年6.0~17.8% 年1.7~17.8%
アコム
(三菱UFJ銀行グループ)
年12.0~18.0% 年3.0~18.0%
プロミス
(三井住友銀行グループ)
年6.3~17.8% 年4.5~17.8%
アイフル 年3.0~18.0% 年3.0~18.0%

どの金融機関も、カードローンとビジネスローンを商品としては区別しているものの、金利は同じくらいの水準です。

ビジネス用の融資なら金利も安めなのでは?と思っている人は要注意です。

法人専用のものもあるので要確認

クレジットカードを持った男性

特に銀行の事業性ローンは、個人事業主が利用できないケースが多々あります。

たとえば、メガバンクである三菱UFJ銀行、三井住友銀行の事業性ローンは、法人しか利用できません。

地方銀行や信用金庫は、自社エリアの個人事業主に対しては融資できることもあります。

ネット銀行は、個人向けローンに特化している銀行がほとんどなので、ビジネスローンの取扱いはまれです。

PayPay銀行の個性的なビジネスローン

PayPay銀行は、個人事業主も利用できるビジネスローンを扱う、数少ないネット銀行です。

しかし利用対象はYahoo!ショッピング・ヤフオクの出店専用など、独自のローン商品のみの取扱いです。

PayPay銀行はヤフーフループの連結子会社なので、このようなローンを扱っているのだと思います。

ニッチなローンではありますが、ビジネスローンのなかでも低金利なので、対象者にとってはメリットが大きいローンです。

事業計画書などが必要な場合あり

ビジネス

個人事業主がビジネスローンに申し込む際には、ほとんどの場合、本人確認書以外にも事業計画書などの書類がいくつか必要になります。

総量規制対象外とは言え、収入や将来性をしっかり見極めた上で、返済の見込みを予測するためです。

■個人事業主の提出書類 一例

  1. 確定申告書
  2. 事業計画書や収支計画書
  3. 営業許可証
  4. 直近の納品書や請求書など

必要な書類はビジネスローンによって異なりますが、特に確定申告書はほぼすべての金融機関で提出を求められます。

よくあるのは、確定申告書+ビジネスローン会社所定の事業計画書をあわせて提出、というパターンです。

ビジネスローンに申し込む前に、書類を用意しておくとスムーズです。

金利を押さえたいなら公的融資

窓口で相談するイメージ

もし、なるべく金利を低く押さえたいなら、ビジネスローンより日本政策金融公庫から借りる方がおすすめです。

特に、日本政策金融公庫という国が運営する組織では、年率1%前後で融資を受けることも可能です。

ビジネスローンの金利相場が年5.0~18.0%だったことを考えると、非常にお得です。

個人事業主の場合、日本政策金融公庫で融資を受けるためには、支店窓口に足を運ぶ必要があります。

郵送手続きもあるので、スムーズに手続きが進んだとしても融資まで1週間くらいはかかると思っておいた方が無難です。

→日本政策金融公庫 公式サイトはこちら

利用できる補助金がないかも確認

営業に相談する夫婦

国や地方自治体で、個人事業主向けの補助金助成金も多々あります。

お金を借りる前に、補助金をもらうことができないか調べることをおすすめします。

補助金は融資と違って返済する必要がないので、積極的に活用していきたい制度です。

下記2つは、個人事業主も利用できる代表的な国の補助金です。

■国が運営する個人事業者向け補助金

小規模事業者持続化補助金
受け取れる補助金:対象経費の3分の2(最大50万円)
設備資金や広報費など、幅広い経費に対して適用できる補助金です。
創業・事業継承補助金
受け取れる補助金:対象経費の2分の1(50万~200万円)
将来性のあるビジネスを始める人をサポートする補助金です。

ほかにも、自分が仕事をしているエリアの自治体が扱う補助金も、あわせてチェックすることをおすすめします。

開業や事業資金の支援をしてくれる補助金だけでなく、ホームページ作成費の補助金のようなユニークな制度がある自治体もあります。

「都道府県 補助金」で調べてみると、情報収集がしやすいです。

ただし、補助金や助成金は募集期間が年に1~2回くらいのものが多いので、タイミングが合わないと利用できません。

計画的に申請する必要があるので、急いで資金調達しなければならないシーンではやはりビジネスローンが便利です。

事業資金以外はカードローンの方が得

スマホを持つ男性

上記の通り、ビジネスローンは公的融資や銀行融資に比べて、スピーディーに借入れができることが最大のメリットです。

金利は高いものの、どうしても急ぎの資金調達の手段があるに越したことはありません。

計画的な出費には公的融資や補助金を活用し、どうしても急ぎで資金が必要なときはビジネスローンを活用することをおすすめします。

また、冒頭で少し触れましたが、ビジネスローンのなかには私的な用途(生活資金など)にも使えるものがあります。

プライベートでもそのままビジネスローンを利用する人もいますが、私的利用なら通常のカードローンをおすすめします。

なぜなら、ビジネスローンよりカードローンの方が低金利な金融機関が多いからです。

金利が低いカードローンなら、少額の借入れでも年率10.0~15.0%くらいで融資を受けることができます。

■個人事業主はカードローン審査に通りにくい?

一般的に、自営業や個人事業主は会社員に比べて「収入が不安定」とみなされやすく、カードローンの審査に通りにくいと言われています。

しかし、ほとんどのカードローンは安定収入があれば個人事業主でも申込めるので、しっかりと収入を証明することで利用できる可能性はあります。

審査が不安な人は、事前に自分が借入れられる可能性を測定できるJ.Score(ジェイスコア)のAIスコア・レンディングというローンサービスがおすすめです。

ジェイスコアとは、みずほ銀行とソフトバンクが共同で設立した新しい金融機関です。

融資を受ける前に、チャット形式で質問に答えることでAIスコア(自分の借入条件を決める点数)が測れるという独自のシステムを行っています。

AIスコア測定の時点ではまだ審査ではないので、審査落ちリスクを減らすことができるというメリットがあります。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年2月8日 更新)

ありがとうございます。

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