普通預金の利息の受け取り日、計算方法は?利息が実質1円もつかない銀行が判明
更新:
銀行で普通預金を利用すると、定期的に利息をもらえます。長くゼロに近い低金利が続いているため、気にしている人は少ないかもしれません。
私は、ネット銀行で貯金を始めてから、利払い日が気になるようになりました。ネット銀行は預金金利が高く、もらえる利息も多いからです。
利息の計算方法は、どの銀行も共通です。しかし、利払いスケジュールは、銀行によって異なります。
「普通預金の利息って、いつもらえるの?」という素朴な疑問を、わかりやすく解説します。
※利息計算に用いている預金金利は、すべて記事執筆時点(2022年5月16日)の情報です
目次
預金の利息の計算方法
銀行預金の利息は、日割りで計算します。毎日の最終残高に対して、以下の計算で利息がつきます。
普通預金の1日の利息=毎日の最終残高×金利÷365
※1円未満は切り捨て
普通預金の利息は、銀行によっていくらから受け取れるかが異なります。利息の受け取り単位を、「付利(ふり)単位」といいます。
多くの銀行は、付利単位1円です。つまり、利息を1円単位で受け取れます。
付利単位100円の銀行に注意
なかには、付利単位が100円の銀行もあります。近年の低金利では、ほとんどの人が利息を受け取れないので要注意です。
付利単位100円の普通預金では、計算上の利息が100円未満だと、いっさい利息をもらえません。
記事執筆時点のみずほ銀行は、付利単位100円、普通預金金利は年0.001%です。計算上は、半年で約2,000万円以上の預金をしないと、利息は受け取れません。
普通預金金利が年1%になれば、約2万円で200円の利息がつきます。しかし、銀行の預金金利は、しばらく低水準のままだと考えられます。
少しでも利息を受け取りたいなら、付利単位1円の銀行をおすすめします。
■付利単位100円の主要銀行
- みずほ銀行
- セブン銀行
- イオン銀行
ただし、高金利なイオン銀行であれば、預金残高150万円くらいから利息を受け取れます。
イオン銀行には、「イオン銀行Myステージ」というランク制優遇サービスがあります。ここでランクを上げると、普通預金金利がメガバンクの100倍に引き上がります。
残高1,000円未満には利息がつかない
ほとんどの銀行は、普通預金の利息をつけるのは「預金残高1,000円以上から」と決めています。
毎日の最終残高について、付利単位を1円として、1年を365日とする日数計算をもとに、利息計算します。
ただし、その日の最終残高が1,000円未満の場合には、その日の分の利息はお付けしません。
三井住友銀行 公式サイト「サービス・商品説明 普通預金」より引用
預金金利が低いと、1,000円以上預けていても利息がつかないこともあります。記事執筆時点では、メガバンクやゆうちょ銀行などが当てはまります。数千円や数万円の預金では、利息がつきません。
税金が約20%かかる
銀行預金の利息には、約20%の税金がかかります。
2037年12月末までは、復興特別所得税も含めて20.315%課税となります。計算上の利息が1,000円なら、受け取り利息は797円です。
利息にかかった税金は、利息受取時に自動的に差し引かれます。私達が支払い手続きをする必要はありません。
このように、自動的に税金を収める仕組みを、専門用語で「源泉分離課税」といいます。
両端入れとは
銀行によっては、預金の利息計算方法の説明に「両端入れ」という説明があります。
付利対象期間は、3月31日の場合は9月30日から3月30日まで、9月30日の場合は3月31日から9月29日までとし、いずれも両端入れとします。
楽天銀行 公式サイト「普通預金」より引用
両端入れとは、利息計算の期間に初日・最終日の両方を入れる、という意味です。やや専門的な金融用語です。
利息を毎月もらえる銀行で、1月1日から1月31日までの利息を計算するとします。両端入れの普通預金は、31日間の利息を受け取れます。
両端入れに対し、「片端入れ(かたはいれ)」という計算方法もあります。片端入れは、利息がかかる期間のうち、初日か最終日を除いた日数で計算します。上記の例だと、30日間で計算します。
ただし、両端入れか片端入れかまで、明記している銀行は少数派です。
楽天銀行で50万円の受け取り利息を調査
実際に、楽天銀行の普通預金に50万円を預け、利息のつき方を調べてみました。
8月末に50万円を入金し、9月末の利払日にいくらの利息を受け取れるか確認しました。
調査時の楽天銀行は、通常の普通預金金利が年0.02%、マネーブリッジ優遇適用金利が年0.1%でした(→マネーブリッジの詳細はこちら)。
※2022年4月1日:更新
マネーブリッジの優遇金利が改定されました。2022年4月1日以降は、預金額のうち300万円を超える部分については、優遇金利が下がります。預金額300万円以下の部分については従来どおり変更ありません。
■楽天銀行の普通預金 利払い実験スケジュール
8月27日:50万円を預け入れ【金利年0.02%】
9月1日:マネーブリッジ金利適用【金利年0.1%】
9月30日:利息受け取り
その結果、33円の利息を受け取れました。
ここから、以下の計算式で利息を受け取れたとわかります。
8月の利息:50万円×0.02%÷365日×5日(8月27日~31日)
9月の利息:50万円×0.1%÷365日×30日(9月1日~31日)
上記の合計から税金20.135%を引くと、33.838835円
↓
1円未満を切り捨て、33円の利息支払い
「日割り計算」と聞くと、利息計算を毎日しているようにも思えます。しかし、利払い前日にまとめて計算していました。
利息計算を1日ごとに実行したとすると、8月は1円も利息がつかなかったはずです。
年0.02%の金利で、1日に1円以上の利息をもらうには、200万円近く預ける必要があります。
毎月利払い・半年利払いの違い
銀行によって、普通預金の利息を支払う頻度は異なります。
■普通預金の利払いスケジュール
- 毎月利払い
- 半年利払い
多くの銀行は、半年利払いです。毎年2月と8月など、決まった月に利息を入金します。
■半年利払いの主要銀行 スケジュール比較
銀行 | 利払い月 | 利払い日 |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 2月、8月 | 第3土曜日の翌営業日 |
三井住友銀行 | 2月、8月 | 第3日曜日の翌営業日 |
みずほ銀行 | 2月、8月 | 第3日曜日の翌営業日 |
楽天銀行 | 3月、9月 | 月末日 |
イオン銀行 | 2月、8月 | 第2金曜日の翌日 |
セブン銀行 | 2月、8月 | 第2土曜日の翌営業日 |
数は少ないですが、毎月利払いの銀行もあります。毎月、預金残高が増えたのを実感でき、貯金のモチベーションになる人もいます。
■毎月利払いの主要銀行 スケジュール比較
銀行 | 利払日 |
---|---|
住信SBIネット銀行 | 第3土曜日の翌日 |
PayPay銀行 | 翌月初日 |
GMOあおぞらネット銀行 | 翌月初日 |
利払いの頻度は好みでOK
半年利払いと毎月利払いでは、受け取り利息に大きな差はありません。基本的には、預金金利が高い銀行を選べばOKです。
毎月利息を受け取り、貯金のモチベーションが上がる人は、毎月利払いがおすすめです。
実際に、半年利払い・毎月利払いの利息差を比較してみます。金利0.1%の銀行に、100万円を預け続けると仮定し、シミュレーションしてみました。
ここではわかりやすく、半年利払いの利息支払日を、6月・12月の翌月初日とします。
■半年利払いと毎月利払い 受け取り利息の比較(税引後)
預入期間 | 半年利払い | 毎月利払い |
---|---|---|
1月 | 100万円 | 100万67円 |
2月 | 100万円 | 100万128円 |
3月 | 100万円 | 100万195円 |
4月 | 100万円 | 100万260円 |
5月 | 100万円 | 100万327円 |
6月 | 100万395円 | 100万392円 |
7月 | 100万395円 | 100万459円 |
8月 | 100万395円 | 100万526円 |
9月 | 100万395円 | 100万591円 |
10月 | 100万395円 | 100万658円 |
11月 | 100万395円 | 100万723円 |
12月 | 100万796円 | 100万790円 |
利払い日は、普通預金金利の商品概要説明書で確認できます。どの銀行も、公式サイトで公開しています。
▼GMOあおぞらネット銀行 円普通預金 商品概要説明書
毎月利払いの普通預金を扱い、高金利で評判なのはGMOあおぞらネット銀行です。
「証券コネクト口座」というサービスを利用すると、普通預金の金利が業界最高水準まで引き上がります。
証券コネクト口座の詳細はこちら:
GMOあおぞらネット銀行のメリット・デメリット解説
