定期預金

退職金定期預金とは?本当にお得な運用方法なのか調べてみた

通帳を持つサラリーマン

定年退職をして退職金を受け取ったら、その運用方法を検討する必要があります。

しかし、その金額の大きさからも、退職金の使いみちに困るという方も少なくありません。

そこにニコニコしながらやってくるのが銀行の営業マンです。定期預金や投資信託など様々な「退職金運用プラン」を引っさげて、運用方法を提案してきます。

しかし、本当に銀行マンの言いなりになっても良いのでしょうか?

大手銀行の退職金運用プランを調査してみても、良い運用先とはいい難いこともあります。

退職金運用プランは選ぶべきか

銀行が提案している「退職金運用プラン」は本当にお得なのか、検証してみたいと思います(情報はいずれも記事執筆時点のものです)。

今回は、三井住友銀行三井住友信託銀行のプランを比較してみます。

三井住友銀行-実質金利は高くない

三井住友銀行

まずはメガバンクの1社である三井住友銀行

三井住友銀行が提供するSMBC退職金運用プランは、3ヶ月もの定期預金の優遇プランです。運用額は500万円から。

定期預金で年1.3%の金利となりますが、下記いずれかの条件を満たせば、0.2%の上乗せ金利が適用され、最大で年1.5%の定期預金で運用ができます。

■SMBC退職金運用プラン 金利の上乗せ条件

  • 三井住友銀行で給与を受け取っている
  • 住宅ローンを契約している
  • 公的年金を受け取っている

ただし、退職金運用プランにありがちな「3ヶ月もの」なので、実質的には預金額の0.375%しか資産は増えません。

仮に500万円を預金した場合、税引き前で18,774円の利息しかもらえない計算となります。(利息計算シミュレーターはこちら

退職金の3ヶ月定期の満期後は、通常の金利に戻ります。元本保証なのでデメリットはありませんが、メリットは薄いです。

あくまでも使いみちがないので仕方なく銀行に退職金を預けておく場合の選択肢となります。

三井住友信託銀行-手数料に注意

投資信託との抱き合わせ退職金運用プラン

続いて、年間4万人が利用しているという三井住友信託銀行の退職金運用プラン。

三井住友信託銀行の「退職金特別プラン 定期預金コース」は最低500万円から。

3ヶ月定期という点は三井住友銀行のSMBC退職金運用プランと同じですが、1年間なら何度でも利用できるメリットがあります。

3ヶ月後に金利が変わっている可能性はあるものの、3ヶ月毎に退職金運用プランでの定期預金を組めるので、実質的には1年間は有利な金利で運用できます。

また、「退職金特別プラン 投資運用コース(運用50タイプ)」なら、預金額の半分以上を「投資信託の購入または三井住友信託ファンドラップの購入」に充てることで、3ヶ月もの定期預金金利をさらに優遇する仕組みです。

3ヶ月ものなら年6.3%の定期なので非常にお得に感じますが、これにはちょっとしたワナがあります。

たしかに定期預金は驚くほど高金利ですが、それでも3ヶ月満期の定期であることに変わりはなく、最長でも2年間の優遇です。

さらに、購入する投資信託には「購入手数料」がかかったり、「信託報酬」と呼ばれる毎年継続的にかかる実質的な手数料がかかります。

これらの手数料が年間1%以上、場合によっては年間3%以上と、決して低くはないのです。

つまり、定期預金で大きな金利を受け取っても、その半分くらいは投資信託の運用報酬として間接的に支払うことになります。

そして、投信の運用報酬は2年後も3年後も、投信やファンドラップを保有する限り永遠とかかってくるコストです。

退職金運用プランの中でも投資信託との抱合せによるプランはこうした仕組みがあるので注意です。

退職金運用プランの対象者とは

各銀行によって条件は異なりますが、退職金運用プランが利用できる人は以下のような人です。

  • 退職から1年以内の方
  • 退職金を受け取ってから1年以内の方
  • 確定拠出年金の老齢給付金の一時金の受取から1年以内の方

退職金専用の特別定期預金を3ヶ月入れただけで終了になる銀行と、1年程度は何度でも継続して利用できる銀行など、対応は分かれます。

いずれも、条件として「退職してから1年以内」が重要となってくるので、退職金の運用方法はできれば退職前に決めておくことをおすすめします。

銀行の真の目的は投資信託の販売にあり

なぜ、銀行は金利を優遇した退職金運用プランを積極的に提案するのでしょうか。

それは、銀行の真の目的は投資信託の販売にあるからです。

まずはお得な金利優遇で数百万・数千万円の退職金を口座に入金してもらい、大口の顧客になってもらう。その上で少しずつ関係性を深めていき、資産運用の方法として投資信託を提案し販売する。これが銀行側の狙いです。

お得な金利の退職金専用定期預金に預けて、それで終わりということにはなりません。

なぜ、銀行が投資信託を販売したがるのかというと、投信の販売手数料から得られる収益は大きく、銀行が新たなビジネスの柱にしたがっているからです。

私の友人に某都市銀行で営業をしている人がいるのですが、「定期預金を勧めても儲からないから、定期預金をきっかけにして投信を売るように」と言われているとのこと。

銀行にとっては当然の戦略と言えますが、私たちにとっては充実した余生を過ごすための大切なお金なので、自分の意志で退職金の賢い使い道を選択することは当然です。

退職金定期預金を利用しても、その後の営業攻勢で銀行のいいなりになってはいけません。

債券投資で安全に運用する

定期預金と債券の違い

元本をできる限り安全に運用していきたい場合は、個人向け社債(債券投資)がおすすめです。

債券投資は元本保証ではないのですが、過去の破綻率は極めて低く、安全な投資先としての地位を確立しています。

例えばの話ですが、JR東日本が発行する社債で、5年後に元本が返済されるという条件で、毎年の運用利回りが定期預金よりも高い債券があれば、投資を検討してもよいという方も多いと思います。

なぜなら、今後5年間の間のJR東日本が破綻する確率は、(ゼロとは言えないものの)極めて低いからです。

個人向けに販売される社債は、基本的に格付け会社から高格付けを取得している大企業ばかりです。

複数の個人向け社債に分散投資をしておけば、万が一のことがあったとしても投資元本をすべて失ってしまうことはないでしょう。

個人向け社債への投資に関する詳しい情報は、下記の記事で解説しています。

普通預金の優遇金利がおすすめ

通帳を持つ男性

退職金定期預金の運用プランに比べると見劣りしますが、当面の安全な運用先としておすすめしたいのが、普通預金金利の優遇サービスです。

銀行の中には、他サービスと連携させることで、普通預金金利を大幅に優遇してくれる場合があります。

普通預金であれば、退職金の具体的な運用先が決まった場合や、まとまった資金が必要になった場合、いつでも自由に引き出せます(定期預金の場合、中途解約するとペナルティがあります)。

また、日常の生活資金を出し入れしながら高金利で運用でき、デメリットもないので活用しておいて損はありません。

普通金利の優遇サービスがある代表的な銀行は、楽天銀行イオン銀行です。

楽天銀行-口座連携のみでOK

マネーブリッジ

楽天銀行は、楽天証券の口座と連携をすることで普通預金金利を優遇する「マネーブリッジ」というサービスを展開しています。

マネーブリッジの特別優遇金利は年率0.1%以上と、現在の普通預金金利からすると考えられないほど高金利です。

マネーブリッジの利用条件は楽天証券の「口座開設+連携」のみなので、株や投資信託を購入する必要はありません。

無料で楽天証券の口座を開設し、実際に利用しなくても問題ないのでデメリットも特にありません。

もし退職金の資産運用として「投資信託」を考えているのであれば、楽天証券は個人的にもおすすめです。

ネット証券はコストの低い良質な投資信託を扱っている事が多く、また大手証券会社や銀行を超える2,000本以上のファンドを販売しているからです。

楽天証券であれば投資信託のライナップも豊富なので、自分の条件に見合うものを見つけられます。

マネーブリッジについては「マネーブリッジのメリット・デメリット!楽天証券と楽天銀行の連携で金利倍増」で詳しい解説していますので、あわせてご覧ください。

イオン銀行-イオンカードセレクトを利用

イオンカードセレクトの特典

イオン銀行は、年会費無料のクレジットカード兼キャッシュカード「イオンカードセレクト」を持つだけで、普通預金の金利が優遇されます。

イオンカードセレクトとは、年会費無料のクレジットカード・銀行のキャッシュカード・電子マネーWAONが一体となっている多機能カードです。

このカードは会員限定特典が豊富で、「普通預金金利を+0.1%優遇する」というサービスもついています。

つまり、無料のイオンカードセレクト会員になるだけで、元本保証、引き出し自由の普通預金で年率0.1%以上の運用ができるようになります。

普通預金の優遇以外にも、WAONポイントがもらえたり、イオン系列店の「お客さま感謝デー」で5%OFFになるなどの特典があるので、イオンリテールを利用する人にとっては更にメリットが多いです。

イオン銀行についての詳しい解説は、「イオン銀行のワオン(WAON)との相性が抜群すぎる…定期は5倍以上」をご覧ください。

ロボアドバイザーでの自動運用

ロボアドバイザー

近年、幅広い年齢層の方に支持されているのが「ロボアドバイザー」の存在です。

  • 退職金の運用なんてどうすればいいかさっぱり…
  • 面倒なので誰かにやってもらいたい
  • もっと自分のやりたいことに時間を使いたい

このように考えている方にとって、ロボアドバイザーはとてもおすすめできる運用先です。

ロボアドバイザーは、プロの視点で最適な投資先の選定を自動的に行なってくれます。

そして、投資商品の買付を自動的に行い、運用期間中に資産構成のバランスが崩れてきたら、最適な配分に整える「リバランス」を行ってくれます。

つまり、ロボアドバイザーに運用を代行させることで、退職金の運用をほぼすべて任せることが可能です。

マネックス証券が展開しているロボアドバイザーの「MSV LIFE」には、退職者向けの運用プランがあります。

具体的には、これからの年金生活に備えて、投資した元本を少しずつ取り崩しながら資産運用を行うような投資スタイルを自動的に実行してくれます。

つまり、資産運用をせずに退職金を取り崩した場合、15年でゼロになってしまうという計画を、退職金を取り崩しながら、すべての資産を取り崩すまでの期間を25年まで延長するといったことが可能となります。

ロボアドバイザーでの資産運用には、投資信託と同じくらいのリスクがありますが、簡単な質問に答えるだけで、リスクを抑えた資産運用ができる設計となっているため安心です。

ロボアドバイザーの場合、標準的なリスクを取ったと仮定して、利回りは年率4%~5%程度に落ち着くと思います。

個人的には、大手銀行の退職金プランを選択するよりもロボアドバイザーなどで運用を代行させた方が良いと考えています。

退職金の本当に有効な使いみち

検討中

では、退職金はどのように使うのが一番良いのでしょうか。

実は、私が良いと考える運用方法も、「定期預金」や「投資信託」であることには変わりありません。どちらも運用手段としては一般的なものです。

しかし問題は、「銀行がおすすめする定期預金や投資信託ではなく、自分で比較した上で商品を選ぶべきである」ということです。

例えば投資信託なら、銀行がおすすめしてくる(=銀行にとって儲けが大きい)ファンドよりも、販売側の儲けは少ないが、投資家にとって有利なファンドを選択するほうが賢いです。

最近はファンドラップやラップ口座も退職金の運用手段として検討している人が多いと聞きますので、以下の様な記事を書きました。合わせてご覧ください。

賢い資産運用をするために

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