定額小為替をゆうちょ銀行で買う方法 普通為替のほうが手数料を節約できる金額とは

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定額小為替(読み方は「ていがくこがわせ」)とは、現金のかわりに郵送で送金できる方法のひとつです。ゆうちょ銀行公式サイトではわかりにくい、購入方法や換金方法を解説します。

おもな利用シーンは、公的書類の請求手数料の支払いなどです。郵送で住民票戸籍謄本を取り寄せる際などに使います。

一方、不便な点もあります。定額小為替はゆうちょ銀行の営業時間内でしか購入できず、土日祝日も営業する「ゆうゆう窓口」では取り扱っていません。

定額小為替とは別に、普通小為替という似た商品もあります。用途は同じですが、手数料が異なります。購入金額によって、どちらで送るほうががお得かも調査しました。

「小為替」とは:使い方と種類

▼350円分の定額小為替
定額小為替

小為替をひと言で表すと、日本全国にお金を郵送できるサービスです。

普通郵便で現金を送るのは、法律違反です。お金を郵送したいときは、現金書留小為替などのサービスを利用する必要があります。

現金書留は、専用封筒を購入すれば現金をそのまま送れます。しかし送料が高く、通常料金にプラス435以上円の手数料がかかります。ポスト投函できず、郵便窓口でしか発送できない点も不便です。

定額小為替や普通小為替を利用すると、これら現金書留のデメリットをカバーできます。

■小為替のメリット

  • 封筒は何でもOK
  • ポスト投函できる
  • 手数料が低い

小為替は、どんな封筒や配送方法でも送ることができます。普通郵便でも、宅配便でもOKです。手持ちの封筒に入れて切手を貼れば、ポスト投函で送れます。

手数料は現金書留より格安で、定額小為替なら100円の手数料で発行できます。送料84円の定形郵便(長4封筒など)で送れば、84円+100円=184円で発送できます。

定額小為替と普通小為替の違い

比較

小為替には、「定額小為替」と「普通小為替」の2種類があります。どちらも普通郵便で発送でき、郵便局で換金できます。

しかし、手数料や販売金額に違いがあります。送金額によって使い分けると、手数料を節約できます。

種類 定額小為替 普通小為替
金額 定額の券が12種類ある 自由に決められる(500万円以内)
手数料 1枚100円(一律) 5万円未満437円
5万円以上662円
有効期限 発行から6ヶ月 発行から6ヶ月

普通小為替は、500万円以内の好きな金額で購入できます。

対して定額小為替は、1枚あたりの金額が決まっています。以下12種の金額から選び、もしくは組み合わせて購入します。

■定額小為替の種類(12種)

  • 50円
  • 100円
  • 150円
  • 200円
  • 250円
  • 300円
  • 350円
  • 400円
  • 450円
  • 500円
  • 750円
  • 1,000円

例:1,800円分の送金をする場合

定額小為替の場合は、1,000円+400円+400円、もしくは1,000円+750円+50円の組み合わせで購入します。1,800円分の普通小為替を1枚購入してもOKです。

どちらかを選ぶか決める際の判断基準になるのが、手数料です。

少額の送金は定額小為替がお得

少額の送金では、手数料が一律100円の定額小為替がお得です。

たとえば1,500円の送金では、1,000円+500円の定額小為替を買えば、手数料は200円(定額小為替2枚分)ですみます。普通小為替だと、5万円未満の送金は1枚437円の手数料なので、2倍以上のコストがかかります。

しかし、定額小為替を購入する枚数が多くなると、普通小為替の方がお得になります。

4,050円以上は普通小為替の方が手数料が安い

計算してみたところ、4,050円を超えると、定額小為替より普通小為替のほうが手数料が低くなりました。

定額小為替・普通小為替の手数料比較

■4,000円の場合

  • 普通小為替 手数料437円
  • 定額小為替 1,000円×4枚=手数料400円

■4,050円の場合

  • 普通小為替 手数料437円
  • 定額小為替 1,000円×4枚+50円×1枚=手数料500円

つまり、定額小為替を買う枚数が5枚以上になってしまう場合は、普通小為替の方が割安になります。

日常的な手続きでは、定額小為替がお得なシーンのほうが多いと思います。住民票や戸籍謄本の郵送申込は、ほとんどが手数料1,000円未満です。

小為替の購入方法

ゆうちょ銀行

定額小為替も普通小為替も、ゆうちょ銀行の窓口(郵便局)で購入します。ここでは、定額小為替の買い方を例に解説します。

窓口で「定額小為替を買いたいんですが」と伝えると、「定額小為替振出請求書」を渡されます。そこに購入日や自分の名前、住所、電話番号を記入し、購入枚数を申請します。

ゆうちょ銀行の手続き用紙が置いてあるコーナーにも、請求書は置いてあります。

初めて定額小為替を買う際は、窓口で受け取るのが確実です。私は書き方も丁寧に教えてもらえました。

▼定額小為替振り出し請求書の書き方
定額小為替振出請求書

記入した請求書を窓口で渡せば、その場で定額小為替を発行してもらえます。一緒に領収書の半券も受け取ります。

相手への送金確認が取れるまでは、領収書も大事に保管しておきます。

ゆうちょ銀行窓口でしか買えない

定額小為替は、ゆうちょ銀行の窓口でしか購入できません。切手やハガキのように、コンビニやネット通販では販売されていません。

ゆうちょ銀行の営業時間は、平日9~16時、もしくは平日9~18時が大半です。その間に買う必要があります。平日にゆうちょ銀行へ行く時間がない人は、買いづらいかもしれません。

「ゆうゆう窓口」で小為替は購入できない

営業時間外でも開いている「ゆうゆう窓口」では、定期小為替・普通小為替ともに購入できません。

ゆうゆう窓口は日本郵便の管轄、つまり郵便物の配送業務の窓口です。ゆうちょ銀行で扱っている金融商品は、ゆうゆう窓口では販売できません。

郵政民営化によって、ゆうちょ銀行と日本郵便は完全に別会社になりました。取り扱うサービスのすみ分けも徹底しています。

土日しか窓口へ行けない場合

平日の日中にゆうちょ銀行へ行けない人は、以下いずれかの方法で購入することになります。

■土日祝日に定額小為替・普通小為替を買う方法

  • 営業時間が18時までのゆうちょ銀行を探す
  • 家族に代理で購入してもらう

大きな郵便局の貯金窓口は、平日18時まで営業しています。18時までに窓口へ行ける人は、大きな支店を探してみることをおすすめします。

「〇〇中央郵便局」など、主要駅の近くにある店舗は、18時まで開いている場合が多いです(→ゆうちょ銀行の店舗検索はこちら)。

平日18時までに窓口へ行くのも難しければ、家族に代理で頼む方法もあります。ただし、委任状や代理人の本人確認書類や印鑑も必要です。

代理人に手続きを委任される場合は、別途委任状が必要です。(払渡しの場合は証書の委任欄にご記入いただき、委任状は不要です。)

ゆうちょ銀行 公式サイト「定額小為替」より引用

▼ゆうちょ銀行 委任状サンプル
ゆうちょ銀行 委任状

委任状は、委任する本人(定額小為替を使う本人)が自筆し、捺印します。ゆうちょ銀行の窓口で委任状をもらうか、公式サイトでpdfデータをダウンロードし、印刷することで入手できます。

このように、代理人に小為替の購入を頼むとかなり手間がかかります。仕事の休憩時間などに、自分でゆうちょ銀行へ買いに行くほうがよいと思います。

私が定額小為替を購入した際は、書類の記入も含めて5分もかかりませんでした。

小為替の送金方法

現金

定期小為替・普通小為替を送る際は、所定欄に受取人の名前を記載してから郵送するのが原則です。送金する側が受取人の名前を書くことで、ほかの人に勝手に換金されるトラブルを防ぐためです。

ただし、住民票や戸籍謄本の取り寄せなど、公的機関への支払い時は、未記入でもOKです。

不安な人は、送金先に事前確認しておくことをおすすめします。

換金の仕方

自分が受け取った小為替を換金する際は、ゆうちょ銀行の窓口(郵便局の貯金窓口)に持って行くだけです。購入と同じく、平日の日中に窓口へ行く必要があります。

換金する小為替の金額が10万円以上と高額だと、本人確認書類の提示を求められる可能性があります。念のため、運転免許証などを持参しておくと安心です。

■小為替の換金に必要なもの

  • 換金する定額小為替
  • 印鑑
  • 本人確認書類

自分で買った小為替を、未使用のまま払い戻すことも可能です。間違って買ったり、使う機会がなくなったりした際は、再度ゆうちょ銀行へ持っていけばOKです。自分での払い戻しも、手続きの流れは上記と同じです。

有効期限・紛失に注意

定額小為替・普通小為替には、注意点もあります。以下2点に気をつけないと、お金を受け取れなくなる可能性があります。

■小為替の注意点

  • 換金の有効期限がある
  • 紛失補償がない

定額小為替も普通小為替も、発行から6ヶ月以内という換金期限があります。

何度も買いに行くのが面倒だからと、小為替を買いだめすると、いつのまにか換金期限が切れてしまうかもしれません。買いだめを考えている人は、気をつける必要があります。

ただし、有効期限が過ぎた定額小為替も、5年以内なら再発行請求が可能です。ただし、その場では再発行してもらえず、後日郵送で再交付される可能性が高いです。なるべく6ヶ月以内に換金することをおすすめします。

定額小為替を送る側も、購入したらすぐに郵送するように気をつけたいところです。

公的な手続きでは、送付する定額小為替に「有効期限が1ヶ月あるもの」のような指定をするケースもあります。

また、小為替を入れた郵便物が盗難・紛失などに遭っても、補償はありません。郵便事故に備えたいときは、損害補償付帯の書留がおすすめです。

個人間の取引は、口座送金が主流に

通帳を持つ男性

かつては、フリマなどの個人間送金にも、定額小為替を使用するケースが多くありました。定額小為替は、銀行口座を持っていない人への送金にも使えます。

しかし今は、銀行口座間の送金が主流です。PayPayやLINE Payなど、スマホ決済アプリでも個人間送金できるようになりました。

現在、小為替を利用するシーンは、遠方からの住民票取り寄せなど、公的な手続きが主です。郵送で書類を取り寄せる際、申請書と一緒に定額小為替を送る流れです。

けれども、クレジットカード決済銀行振込で、手数料を支払える公的手続きも増えています。どちらも手数料無料で利用できる支払い方法で、定額小為替でかかる送料なども節約できます。

特にクレジットカードは、支払手数料がかからず便利です。銀行振込は、他行宛だと振込手数料がかかる場合があるので、振込手数料無料の銀行の口座を1行持っておくと便利です。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2021年11月10日 更新)

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