三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行 定期預金のわかりにくい違いとは

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メガバンクの定期預金

日本三大メガバンクの三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行は、複数の定期預金サービスを扱っています。

3行とも同じ内容の定期預金もありますが、それぞれ独自性の強いプランもあります。種類が多く、少しわかりにくい印象です。そこで、今回はメガバンクの定期預金の違いを比較してみました。

メガバンクの定期預金は、ネット銀行に比べると金利が低めです。しかし、すでにメガバンクの口座を持っている人は、ネットから簡単に定期預金を始められます。

※金額・手数料表記はすべて税込です。

預金金利はほぼ同じ

三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行は、普通預金も定期預金も預金金利の差がほどんとありません。

預金金利は景気によって変動しますが、基本的にメガバンクは横並びです。記事執筆時点(2022年3月)では、3行の定期預金金利は、いずれも年0.002%でした。利息には期待できません。

定期預金の種類に違いあり

メガバンクで定期預金を利用するメリットは、「メガバンクにお金を預けている」という安心感と、定期預金の種類の多さにあります。

3行が扱う定期預金の種類を、特徴ごとに比較してみました。

■三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行 定期預金の種類を比較

種類 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行
一般的な定期 スーパー定期・スーパー定期300 スーパー定期・スーパー定期300 みずほスーパー定期・スーパー定期300
1,000万円以上の定期 大口定期 大口定期 みずほ大口定期預金
毎月の積立定期 自動つみたて定期 特典付積立《りぼん》 みずほ積立定期預金
柔軟に引き出せる定期 スーパー貯蓄 みずほ期日指定定期預金
独自の定期 ボランティア普通預金 資産づくりセット みずほ変動金利定期預金

一般的な定期預金や積立定期預金は、3行とも扱っています。ただし、積立定期預金の積立ルールには違いがあります。

ほかにも、満期を柔軟に決められる定期預金や、退職金専用の定期預金など、独自のプランを扱っています。

メガバンクが共通して扱う定期プラン

まずは、3行共通の定期預金について解説します。

金額問わずに利用できる「スーパー定期」と、1,000万円以上の「大口定期」は、メガバンクすべてで取り扱っています。

通常の定期預金

■該当するメガバンクの定期預金プラン

  • 三菱UFJ銀行:スーパー定期
  • 三井住友銀行:スーパー定期、スーパー定期300
  • みずほ銀行:みずほスーパー定期

ベーシックな定期預金は、3行とも取り扱っています。預入期間を決めてからお金を預け、満期になったら引き出せるようになる仕組みです。金利や使い勝手の違いはほとんどありません。

3行とも、通常の定期預金には以下の特徴があります。

  • 300万円以上の預け入れで金利を優遇
  • 預金期間3年以上だと、半年複利が選べる

3行とも、300万円以上をスーパー定期に預け入れると、利率優遇を行うと明記しています。景気が上向き、預金金利も上昇すれば、300万円以上の預け入れを検討してもよいかもしれません。

また、個人が預入期間3年以上でスーパー定期を利用する場合は、利息が増えやすい「複利型」を選べます。

預金金利が低いうちは、単利型でも複利型でも利息の差はほとんどありません。しかし、金利が上がったり、預入金額が増えたりすると、複利型のほうが利息が増えます。

単利型・複利型とは

単利型・複利型とは、満期になったときの利息の増え方の種類です。定期預金の利息の増え方には、以下の違いがあります。

単利型
預入期間が2年未満:満期日に一括で利息支払い
預入期間が2年以上:年1回の中間利払いあり
複利型
半年複利で利息が増え、満期日に一括支払い

たとえば、年率1%の5年定期に、300万円を預け入れるとします。

単利型だと、中間利払いで毎年3万円の利息(300万円×1%)を受け取れます。5年後には、合計15万円の利息を得られる計算です。

対して複利型だと、5年後の満期時に受け取る利息は、15万3,003円になります。半年ごとに得られる利息を運用に回し続けるので、元金と利息の合計額が雪だるま式に増えます。

三菱UFJ銀行や三井住友銀行は、ネットバンキングで定期預金へ預け入れる際に「3年以上」を選ぶと、自動的に複利型が適用されます。

利払いの仕組みがわからなくても、利息がより増えやすいほうで預けられるので安心です。

大口定期預金

■該当するメガバンクの定期預金プラン

  • 三菱UFJ銀行:大口定期
  • 三井住友銀行:大口定期
  • みずほ銀行:みずほ大口定期預金

3行とも扱っている「大口定期」は、1,000万円以上の定期預金プランです。

スーパー定期より高金利な時もありますが、記事執筆時点(2022年3月)では同じ金利でした。

1,000万円以上の大口定期を利用する際は、預金保険制度(ペイオフ)の保障外となる点に要注意です。

預金保険制度とは、銀行の破綻など万が一のことが起きても、1,000万円の円預金とその利息を全額保護する保険です。1,000万円以上の預金をすると、超えた分の預金は保護対象外となります。

メガバンクは破産する可能性が限りなく低いです。大口定期も安心して利用できるとは思いますが、ペイオフ対象外という点は知っておくべきです。

■複数の銀行に分散して預ける対策も

1,000万円以上のお金を預金したい人は、複数の銀行に分けて預金するのもおすすめです。

預金保険制度は「1つの金融機関あたり」1,000万円まで保護されるので、2行に分けて預金すれば合計2,000万円までの元金とその利息が守られます。

銀行の総合口座に預ける円預金は、大手銀行でもネット銀行でも、すべてペイオフ対象です。金利の高いネット銀行にも分散して預けておくと、より利息を増やせます。

1,000万円以上の預金を全額守りたいなら、決済用預金に預けるのも手です。

決済用預金とは、利息がいっさいつかない代わりに、預金額の全額が預金保険制度によって守られる預金です。預金金利が低い今日では、決済用預金での代用もありだと思います。

積立定期預金は3行の違いが大きい

積み木とカレンダー

■該当するメガバンクの定期預金プラン

  • 三菱UFJ銀行:自動つみたて定期
  • 三井住友銀行:特典付積立《りぼん》
  • みずほ銀行:みずほ積立定期預金

積立定期預金とは、定期的に決まった金額を、普通預金から定期預金に自動振替するサービスです。メガバンク3行は、毎月の積み立てが可能です。

給料日の翌日などに振替日を設定すれば、給料を使い込む前に先取り貯金できます。貯金が苦手な人でも、確実に貯蓄にお金を回せます。

スーパー定期や大口定期と違い、積立定期預金はメガバンク各社でルールが異なります。特に三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、貯金ルールを柔軟に選べるメリットがあります。

■積立定期預金 特徴の比較

特徴 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行
自動預入金額 1万円(Eco通知なら1,000円 1,000円(総合口座の場合は1万円 1,000円(例外あり)
振替サイクル 毎月、3ヶ月ごと、年1~2回 毎月 毎月

3行とも、預入金額は1,000円から積み立てを始められます。少額から貯金し始めたい人も安心です。

三菱UFJ銀行:振替サイクルが柔軟

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行の「自動つみたて定期預金」は、振替サイクルを「毎月」だけでなく「3ヶ月」「年1~2回」など柔軟に選べます。

基本の積立額は1万円からですが、以下2点の条件を満たすと、1,000円から積み立てられます。

■三菱UFJ銀行「自動つみたて定期預金」を1,000円から始める条件

  1. インターネットバンキング「三菱UFJダイレクト」から申し込み
  2. 「Eco通知(インターネット通知)」に申し込み

三菱UFJダイレクトとは、残高照会や振込みといった銀行取引をWebから行えるようになるサービスです。

自動つみたて定期預金も、スマホから三菱UFJダイレクトのマイページにアクセスすれば簡単に申し込めます。

▼三菱UFJダイレクト トップ画面
三菱UFJダイレクト

「Eco通知」とは、ネット上やメールで通知を確認するサービスです。本来、定期預金の満期のお知らせなどは郵送で届きます。この通知をペーパーレス化できます。

通知履歴は三菱UFJダイレクトのトップ画面に表示され、後日確認もできます。

→三菱UFJダイレクトの使い方や解約方法の解説はこちら

三井住友銀行:特典あり

三井住友銀行

三井住友銀行の積立定期預金「特典付積立《りぼん》」で、月1万円以上の積み立てを12ヶ月以上続けると、以下いずれかの特典を利用できます。

■特典付積立《りぼん》の特典

毎月1万円以上の積立定期を12ヶ月以上行うと、下記いずれかの優遇特典を受けられます。

  • リフォームローン金利を年0.1%引き下げ
  • 無担保型証貸ローン(フリーローンやマイカーローンなど)の繰上返済手数料が無料

積み立て自体は、1,000円から可能です。上記ローンの利用予定がなければ、少額からの積み立てでもよいと思います。インターネットバンキング「SMBCダイレクト」から、いつでも積み立てを開始できます。

積立方法は、積み立て終了日を決めずに貯金し続ける「一般型」と、目標日に自動解約となる「目標日指定型」を選べます。

みずほ銀行:独自の積立ルール

みずほ銀行 ロゴ

みずほ銀行の積立定期預金は、3種類の積立方式を選べます。

みずほ積立定期預金 選べる積立方式
定額積立方式
毎月一定額を積み立てる、スタンダードな積み立て方。1,000円から積み立て可能。
随時積立方式
自動振替ではなく、自分で都度金額を指定して積み立てる。1円単位で積み立て可能。
スイング積立方式
指定日に「最低指定残高(はじめに設定)」を超えた金額のみ積み立てる。1万円以上から積み立て可能。

「スイング積立方式」は、みずほ銀行ならではの積み立てルールです。「お金が一定以上ある月のみ積み立てる」という積み立て方です。

たとえば、毎月1日・残高最低金額50万円と指定したとします。1日の時点で残高が55万円あった月は、超過分5万円を普通預金から定期預金に振り替えます。残高40万円の月は、積立をしません。

スイング積立方式を利用できる銀行は少数派です。余ったお金を貯金していきたい人におすすめです。

三菱UFJ銀行の「スーパー貯蓄」というサービスで、スイング方式と似ているサービスは扱っていますが、こちらは手数料がかかります(後述)。

柔軟に引き出せる預金プランもある

コンビニATM

三菱UFJ銀行とみずほ銀行には、満期を決めずに申し込み、柔軟に出金できる預金サービスもあります。

三菱UFJ銀行は「スーパー貯蓄」、みずほ銀行は「みずほ期日指定定期預金」というプランです。

個人的には、みずほ期日指定定期預金の方がわかりやすく、手数料もかからないのでおすすめです。

■スーパー貯蓄・みずほ期日指定定期預金の特徴を比較

特徴 スーパー貯蓄 みずほ期日指定定期預金
内容 いつでも入金・出金でき、残高に応じた利子がつく 1年以上預け入れたら好きな満期日に引き出せる
預入期間 定めなし 最長3年
手数料 スイングサービスを利用すると1回110円 特になし

三菱UFJ銀行「スーパー貯蓄」で利用できるスイングサービスとは、貯蓄預金と普通預金の間の自動振替サービスです。

例:クレジットカードの引き落としのために普通預金の残高が必要なので、スーパー貯蓄から普通預金へ振り替えるなど。

みずほ積立定期預金で利用できる、スイング積み立て(普通預金の超過分だけ積み立てる)も利用できます。

ただし、1回につき110円(税込)の手数料がかかるため、あまりおすすめできません。

みずほ銀行のみずほ期日指定定期預金は、1年以上経てばいつでも引き出せます。シンプルで使いやすいと思います。

「しばらくは使わないお金だけど、5年や10年など長期間預けるのは不安」という人の貯金に最適です。

独自色の強い預金もあるが…

ほかにも、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行は独自の預金サービスを扱っています。

三菱UFJ銀行の「ボランティア普通預金」は、寄付に興味がある人は利用してもよいと思います。三井住友銀行とみずほ銀行の独自の定期預金は、個人的にはメリットが薄く感じます。

三菱UFJ銀行「ボランティア普通預金」
寄付先一覧から選んだ団体に、利息の50%を寄付する定期預金。寄付先は、ユネスコやUNHCR(国連難民高等弁務官事務)など。
三井住友銀行「資産づくりセット」
投資信託やファンドラップと、定期預金がセットになったサービス。退職金を預入資金とした定期預金の金利優遇あり。
みずほ銀行「みずほ変動金利定期預金」
半年ごとに金利を見直す定期預金(通常の定期預金は、預入時に金利が決まる「固定金利」)。

三井住友銀行の「資産づくりセット」は、投資商品と定期預金のセット販売プランです。

円定期預金金利が年1%に引き上がるため、魅力的に見えるかもしれません。しかし、資産づくりセットで利用できる定期預金は、3ヶ月定期のみです。実質利率は、年0.25~0.5%ほどです。

退職金を預入資金として定期預金を組む場合には、さらに1~2%上乗せの金利優遇があります。

また、選べる投資商品のなかには、手数料が高い商品もあります。特にファンドラップは手数料がかなり高く、おすすめできません。

→ファンドラップのデメリットはこちら

みずほ変動金利定期預金」は、6ヶ月ごとに適用金利が見直される珍しい定期預金です。申込後に好景気になると、金利が上昇するかもしれません。

ただし、みずほ変動金利定期預金を利用するには、店舗またはATMに足を運ぶ必要があります。

貯金スタイルに合うかで選ぶべし

メガバンクの定期預金のなかで、自分がやりたい貯金ルールに合いそうなプランがあれば、利用してみてもよいと思います。

しかし冒頭でも触れた通り、メガバンクの預金金利は最低水準です。利息を増やし、効率的に貯金したい人には向いていません。

近年は、メインバンクの大手銀行とは別に、貯蓄用にネット銀行を利用する人が増えています。給与振込口座と別に貯金用口座を作ると、貯蓄を切り崩しにくくなるメリットもあります。

メインバンクからネット銀行への貯金を、ネットバンキングや自動入金で行えば、ネット銀行のキャッシュカードを持ち歩かずにすみます。

キャッシュカードを財布に入れないようにすれば、貯金中のお金を使うこともありません。

毎月一定金額を積み立てるシンプルな貯金方法でよければ、ネット銀行もおすすめです。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元は貯蓄下手だったが、現在は貯金や資産運用を自動化し、着々と資産形成中。メガバンクとネット銀行の使い分け方にはこだわりあり。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。(2022年3月14日 更新)

ありがとうございます。

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