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情報銀行の仕組みとは 総務省の認定企業なら安心?メリット・デメリットは?

ネットワーク

情報銀行とは、個人のデータを企業に提供する代わりに、対価をもらうことができる新しい仕組みです。

一般的な銀行の「お金を預けると利子がもらえる」というビジネスモデルに似ています。

総務省が情報銀行の認定基準を作るなど、国が主導となって仕組みを整えています。

対価をもらえるというメリットがある一方で、情報管理などの制度づくり

情報銀行の仕組み

スマホを持つ男性

情報銀行の仕組みは、個人が自分のデータを提供し、企業がマーケティングなどに活用するという流れです。

個人データを渡すかわりに、対価をもらえるようになります。

対価は、データを渡す提供先企業によって異なります。

たとえば、テレビチャンネルのスカパーは、情報提供をしたユーザーには視聴料の割引を行います。

企業にとってユーザーの個人データは、割引などの優遇を行ってでも欲しい貴重な情報です。

データを提供する個人にも、顧客データを集められる企業にもメリットがあるので、今後普及していく可能性があります。

Tポイントなどとの違い

ポイント

既にあるサービスの中では、dポイントTポイントといったポイントサービスに似ています。

Tポイントは、無料で会員登録してポイントを貯められる一方で、持っているポイント数や性別などのデータを提携企業に開示しています。

※氏名や住所、購入履歴などは開示していません

しかし情報銀行は、提携先企業に個人データを提供するかどうかが選べる点が、今までのポイントサービスと異なります。

情報銀行

-内閣官房IT総合戦略室「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめの概要」より抜粋

たとえば、ネットショッピング履歴や趣味に関する情報は提供するが、学歴や収入などは提供しない、ということも可能です。

個人データをどれだけ提供するかを自分でコントロールできるのは、新しい仕組みです。

「個人情報の漏えいが心配」「勝手に個人情報を使われたくない」と感じる人にとっては、情報銀行を通して個人データを提供する方が安心かもしれません。

ちなみに海外では、Google・Amazon・Facebook・AppleといったIT大手も、情報銀行に似た仕組みを活用しています。

自社サービスで集めた個人情報をサービスの開発や改良に活用する、という流れは世界でも広まりつつあります。

しかし、日本の情報銀行のように「対価がもらえる」というビジネスモデルは珍しいです。

総務省も後押しする制度

総務省

情報銀行という新しい取り組みは、総務省が主導となって導入を進めています。

総務省は日本IT団体連盟と共に、情報銀行というビジネスモデルのルールを作りました。

主に個人情報保護に関する基準を設けて、情報銀行が安心して利用できるように環境を整えています。

また、情報銀行の認定制度も始めており、認定企業となれば「国の認可を受けた情報銀行」を名乗れるようになります。

情報銀行の認定条件は細かく、主に以下の基準にのっとって審査を行います。

■情報銀行の認定基準(一部)

  • 経営が健全(財務が安定している)
  • リスクマネジメントができる(損害賠償請求など)
  • 個人情報保護法を守っている
  • 情報管理における社会的信用がある(プライバシーマーク取得など)
  • 情報提供先のセキュリティ対策も監督できる

より詳しい認定基準は、総務省の公式サイト「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」(pdfデータ)から確認できます。

これらの条件を満たす企業は、すでに個人データの管理業務を行っている大企業がメインです。

総務省の認定を受けなくても情報銀行サービスは運営できますが、「安心して利用できる情報銀行」の指標として、認定を受けているかをチェックできます。

実際に、情報銀行システムの開発をすでに始めている企業や、システムを活用する方針の企業は多数あります。

情報銀行に参入予定の企業

海外不動産

すでに情報銀行の仕組みを開発し始めている企業は、記事執筆時点では以下の通りです。

■情報銀行の仕組みを開発している企業

大日本印刷・富士通
情報銀行のシステムを共同開発中。総務省の認定取得に向けて準備中。
電通グループ
すでに情報銀行の利用者を募集し、期間限定でサービス提供予定。

いずれも日本国内のIT大手で、東証一部上場企業です。

さらに3社ともプライバシーマークを取得しているので、個人情報の管理も厳重と言えます。

今まで活用してきた情報管理ノウハウを活かして、情報銀行ビジネスに参入していく姿勢です。

一方、情報銀行という仕組みを活用する方針の企業も増えてきています。

マーケティングに活用する予定の企業の代表は、スカパーです。

他にもみずほ銀行は、すでに保有している顧客データを活かして、情報銀行として外部に提供できる体制を整える方針です。

いずれも、個人データの提供に同意すれば、サービスの優遇を受けられるメリットがあります。

■情報銀行の仕組みを活用予定の企業

スカパー
テレビの視聴履歴や応援しているスポーツチームなどを提供すると、視聴料を割引。
みずほ銀行
個人融資サービス「J.Score(ジェイスコア」で、年収や学歴などで算出したAIスコアの外部提供に同意すると、キャッシュバック金利引き下げを行う。

※J.Scoreの詳細は、「J.Score(ジェイスコア)はAI技術でトップクラスの低金利・スピード審査を実現」をご参照ください。

スカパーのように、自分の趣味に関するデータ提供は、心理的ハードルが比較的低いです。

しかし、金融サービスのジェイスコアのように、学歴や年収データを提供するのは抵抗感がある人もいるかもしれません。

とは言え、氏名や住所など個人を特定できるような情報を開示するわけではありません。

キャッシュバックなどの対価に魅力を感じるなら、情報提供するメリットはあると思います。

冒頭でも説明した通り、情報銀行システムは個人情報を提供するかどうかを提供先ごとに選べるので、提供する価値があると感じた場合のみ開示すればOKです。

メリットとデメリットを比較

比較

情報銀行のメリットは、自分で個人情報の提供をコントロールできることと、対価がもらえることです。

今までは、「個人データを活用する」と規約に書いてあるサービスを使うと、無条件で個人データを提供しなければなりませんでした。

しかし、情報銀行を介することで、個人データを提供しないという選択肢も増えます。

そうすると企業側は、「個人データを渡す価値がある」と思ってもらえる対価を提供するように努めねばなりません。

これから情報銀行が普及し、より良い対価がもらえる提携企業が増えれば、メリットを感じて利用する人が増えるかもしれません。

一方で、情報銀行には課題もあります。

記事執筆時点では、セキュリティ対策について議論が続いている状況です。

たとえば、個人データを一度提供した企業に「やっぱり個人データを使わないで欲しい」と依頼しても、情報銀行にはデータが残ります。

情報銀行に預けたデータの変更・削除の手続きを、正確に行える体制作りが必要になります。

一般的な銀行のように、「預けたお金をいつでも引き出したり預けたりできる」という使い勝手に近付けるためには、情報保護の法律やルールを整える必要があります。

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