住宅ローン減税とは?3分でわかる仕組みと申請に必要な書類リスト
※記事内に広告を含む場合があります
当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。
※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
住宅借入金等特別控除、通称「住宅ローン減税(住宅ローン控除)」とは、住宅ローンを組むことで所得税が安くなる仕組みです。
住宅という大きな買い物をすると税金も大きくなるので、その税負担を減らして購入をサポートしてくれる住宅ローン減税はしっかり活用していきたい制度です。
住宅ローン減税は、消費税増税に合わせて2014年4月からさらに内容が拡充されました。
増税後もマイホームが買いやすくなっているので、住宅ローンの申し込みを考えている人向けにわかりやすく解説します。
最後には、住宅ローン控除よりも繰上返済の方がお得な事例があることも追記しました。
住宅ローン減税の内容
冒頭でも述べましたが、住宅ローン減税とは住宅ローンを組むことで所得税が安くなる仕組みです。
本来支払う必要のある所得税が安くなるので、その分をローン返済に回すことができます。
具体的には、下記のような内容です。
年末の住宅ローン残高もしくは、住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が、10年間に渡って所得税から控除される
※所得税から控除しきれない時は、住民税からも控除できます。
■最大控除額
所得税:最大400万円(年間40万円×10年間)
住民税:年間136,500円
■控除の条件
- 借入金の償還期間(住宅ローンの借入期間)が10年以上
- 物件の床面積が50㎡以上
例えば、その年の住宅ローン残高が3,000万円の場合、その1%となる30万円が住宅ローン減税の対象となります。
本来の所得税が40万円かかるとすると、住宅ローン減税によって30万円が差し引かれるので、支払う所得税は10万円で済みます。
所得税の控除額は40万円までですが、上限を超えた分は住民税から差し引かれます。
(例)住宅ローン残高が5,000万円の場合、本来1%にあたる50万円が住宅ローン減税の対象だが、所得税から差し引けるのは年間上限40万円。残り10万円分は住民税から差し引き。
減税条件のハードルは低め
上記でも記載した通り、住宅ローン減税を受けるためには2つの条件を満たす必要があります。
■控除の条件
- 借入金の償還期間(住宅ローンの借入期間)が10年以上
- 物件の床面積が50㎡以上
とは言え、住宅ローン減税の対象条件は、2つともそこまでハードルが高くありません。
ひとつめの「住宅ローンの借入期間が10年以上」という条件については、住宅ローンを10年未満で契約する人の方はかなり少数派です。
住宅金融支援機構の調査によると、2014年に借入期間10年未満で住宅ローンを組んだ人はわずか0.4%でした。
結果的に繰上返済などで10年未満になることはあるものの、ほとんどの人は10年以上かけて長期的に返済しています。
当たり前ですが、住宅ローンの返済期間が短いと、月々の返済額が大きくなり家計を圧迫します。
たとえば、3,000万円のマイホームを10年間で返済すると、毎月返済する元金は約25万円になってしまいます。
次に、ふたつめの条件「物件の床面積50平米以上」は、2人以上で暮らす部屋ならクリアできることが多いと思います。
50平米とは10m×5mくらいの広さで、一人暮らし向け賃貸より二回り広いくらいです。
一戸建てならほぼクリアできますし、マンションでも3LDKくらいのお部屋なら50平米以上が多いです。
このように見ても、住宅ローン減税は多くの人が利用できるように設計されていると言えます。
必要書類は土地を持っているかによって異なる
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)を利用するには、下記の書類を添付して確定申告を行う必要があります。
確定申告をする時期は2月16日〜3月15日なので、この時期に郵送やネット(e-tax)から申込みます。
書面で確定申告をした場合は1ヶ月~1ヶ月半、e-taxなら3週間前後で還付金が振り込まれます。
サラリーマンなどの給与所得者は、2年目以降は年末調整によって自動的に控除を受けられるようになるので、確定申告をするのは最初の1年目だけでOKです。
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住民票の写し
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 家の取得年月日、取得額、床面積が証明できる書類(家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等)
- 源泉徴収票
上記書類に加えて、土地を持っていることを証明する書類なども必要になります。
- 土地を取得したこと、取得年月日や取得対価の額がわかる書類(敷地の登記事項証明書、売買契約書の写し等)
- 契約において一定期間内の建築条件が定められていることを明らかにする書類の写し(建築条件付で購入した敷地の場合に限る。敷地の分譲に係る契約書等)
さらに、「家を新築する2年以内に購入した土地」の場合は、追加で以下の書類も必要です。
- 家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類(家の登記事項証明書など)
説明を省略した部分もありますが、概ね上記の書類を用意すれば住宅ローン減税の申請ができます。
もしわからないことがあれば、住宅ローンを組んだ金融機関に相談するか、税務署に問い合わせれば教えてもらえます。
事前に詳しく調べておきたい人は、下記の政府系リンクもご参照ください。
■事前に調べておきたい人向け 公的機関リンク
- 国土交通省 公式サイト
- 住宅ローン控除の概要をまとめています。
- 国税庁 公式サイト
- 申込手順や必要書類を分類しています。
借換の場合はこちら:
借り換えをした場合の住宅ローン控除はどうなりますか?
最後に:繰上返済の方がお得な場合も
住宅ローン控除についての疑問で「なるべくたくさん控除を受けるためには、繰上返済はしないほうが良いの?」という声をよく耳にします。
確かに、住宅ローン減税は「申告時の住宅ローン残高」に対して1%が減税対象となるので、残高が多い年は減税率が高く、完済間近で残高が少ない年は減税率が低くなります。
しかし、金利が年1%を超の住宅ローンを利用している場合は、早めに繰上返済を行った方がお得になることもあります。
金利が1%を超える住宅ローンの場合は、住宅ローン減税の控除率(年1%)が金利より低いので、繰上返済で残高を早めに減らす方が最終支払金額が減ります。
逆に、住宅ローンの年1%より低金利な住宅ローンの場合は、住宅ローン減税「後」に一気に繰上返済をした方が利息を節約できます。
住宅ローン控除を受けられる10年間は、繰上返済やボーナス返済などで残高を減らさずに貯金をしておきます。
そして、10年後に一気に返済(可能なら完済)すれば、住宅ローン減税による控除をフル活用することをおすすめします。
あわせて読みたい:
繰り上げ返済手数料0円の銀行住宅ローンまとめ