カードローンが返済できない場合の救済措置 債務整理以外の方法は?
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カードローンやクレジットカードのキャッシングが返済できない場合、救済措置はあるのでしょうか?
結論から言うと、救済措置はあります。
代表的な方法は、返済を軽減するための債務整理です。
借金を帳消しにする自己破産も、債務整理のひとつです。
しかし、自己破産は借金がなくなる分デメリットも大きいので、可能であればほかの手段も検討することをおすすめします。
ここではくわしい説明はしませんが、借入れの踏み倒しや、逃げ切ることはほぼ不可能と思っておいた方が賢明です。
今回は、できるだけカンタンに債務整理について解説し、債務整理「以外」の方法もまとめました。
目次
すべての債務整理に共通するデメリット
債務整理には自己破産をはじめ、いくつかの種類があります。
このあと、それぞれのメリット・デメリットを見ていきますが、最初にすべての債務整理に共通するデメリットを知っておくことをおすすめします。
それは、「債務整理をした」という事故情報が信用情報機関に5~10年残るということです。
わかりやすく言うと、ブラックリスト入りするという意味です。
ブラック入りしたからと言って、家族や会社に通知がいくことはありませんが、5~10年は下記のデメリットがあります。
■ブラックリスト入りのデメリット
- 新しいローンが組めない
- クレジットカードが利用できない
- 保証人になれない
信用情報にキズがつくと、カードローンなどの新しいローンが組めないのはもちろん、クレジットカードも利用できなくなります。
クレジットカードは、当月利用したお金を翌月支払うという「信用」があるから利用できる決済方法です。
ブラックリスト入りして「返済能力がない」と認められてしまうと、しばらくはクレジットカードが利用できなくなる可能性が高いです。
また、身内の奨学金などの保証人になることもできなくなります。
これらのリスクは、つまり「もう借金ができなくなる」環境になるということです。
そういう意味では債務整理は、返済を抱えてしまった人のなかでも借金に対する危機感が薄れてしまった人が心を入れ替えるきっかけにもなる方法とも言えるかもしれません。
次に、債務整理の具体的な内容を見ていきます。
債務整理の種類
債務整理とは、法律のプロに依頼して借金の負担を軽減 or ゼロにする方法です。
おもな債務整理には、下記3つの方法があります。
■債務整理の種類
- 任意整理
- 民事再生(個人再生)
- 自己破産
下に行くほど借金が軽くなりますが、その分リスクも高くなります。
基本的には、一番リスクが少ない任意整理から検討して、それでもだめなら民事再生…と、上から順に検討するのが望ましいです。
では、順番に見ていきます。
任意整理-利用者がもっとも多い
▶なるべく低リスクで、返済を少しでも減らしたい人向け
■任意整理のメリット
- 手続きが比較的かんたん
- 裁判所(国)を通さない
- 複数から借入れている場合、任意整理する業者を選べる
司法書士が借入先と直接交渉をして返済負担を減らし、無理のない返済計画を立て直す方法です。
金融機関とわたし達の間に裁判所は挟まないので、手続きの負担が少ないです。
将来支払う利息を減らしたり、元本を減らしたりできないかなどを交渉し、少しでも返済しやすくなるようにします。
過払い金請求なども任意整理に当てはまります。
過払い金請求とは、カードローンなどで支払いすぎたお金を請求することです。
2008年12月までに借入れをしていた人は、過払い金請求でお金が戻ってくる可能性があります。
なぜなら、利息制限法という法律によって、当時から貸付金利の上限が下がっているからです。
たとえば、現在は元本10万円未満の年利上限は20%ですが、当時は29.2%でした。
この利息の差額が、過払い金です。
任意整理は裁判所=国を通さないので、手間が掛からない上に国の記録(官報)に名前が残りません。
また、複数の借入れをしている場合、すべて任意整理をするのか、一部の業者のみ任意整理をするのかを選べるなど、柔軟な対応も可能です。
たとえば、クレジットカードのキャッシングは自力で返済して、カードローンのみ任意整理…などもOKです。
一方、デメリットは下記2点です。
■任意整理のデメリット
- 任意整理を受けない貸金業者もある
- 返済負担の減り方は少ない
貸金業者(いわゆる消費者金融)のなかには、任意整理を一切受け付けない業者もあるので注意が必要です。
また、人によっては任意整理をしても返済があまり軽くならず、任意整理をしても返済できないケースがあります。
その場合、次に検討するのが民事再生(個人再生)です。
民事再生-任意整理と自己破産の間
▶自己破産はしたくないけど、返済は難しい人向け
■民事再生のメリット
- 返済額が5分の1に減らせる
- 家や自動車を手放さなくていい
- 職業に制限が掛からない
民事再生は、裁判所を通して借入金を減額してもらう方法です。
返済額が5分の1まで減らせる可能性があり、それを3~5年かけて返済していくのが基本です。
自己破産はしたくないけど、任意整理をしても返済できない…という場合に検討するケースが多いです。
また、くわしくは後述しますが、自己破産では手放す必要がある財産も持ち続けられる、職業の制限もない点もメリットです。
しかし、下記3点のデメリットもあります。
■民事再生のデメリット
- 手続きに約6ヶ月かかる
- 官報に名前が載る
- 収入が必要
まず、手続きに6ヶ月という長い時間がかかります。
裁判所に足を運ぶ必要もあるので、任意整理に比べると手続きが多いです。
また、官報に名前が載る=国のブラックリストに入ってしまいます。
一般人が官報を見ることは少ないですが、誰でも見ることができる公的文書に名前が載ってしまうことは任意整理との大きな違いです。
そして、民事再生の手続きを受理してもらうためには、返済できる収入が必要です。
返済能力がない、つまり無職の人は自己破産を選ばざるを得なくなるということです。
自己破産-借金が0になるが…
▶無職など、返済が難しい人の最終手段
■自己破産のメリット
- 返済がゼロになる
- 無職の人も手続きできる唯一の債務整理
自己破産は、裁判所を通して借金を帳消しにしてもらう手続きです。
負債の額と収入、財産などの状況を見て「支払不能」と正式にみなされた場合のみ利用できます。
また、無職=返済能力がない人が選べる唯一の債務整理、とも言えます。
収入がないと返済できない可能性が高いため、任意整理や民事再生の依頼はほぼ受けてもらえません。
返済から開放されるという大きなメリットを得ることができますが、その分デメリットも大きいです。
■自己破産のデメリット
- 財産の多くは手放すことになる
- 職業に制限あり
- 手続きに半年~1年かかる
- 官報に名前が載る
まず、自己破産の手続き時に持っている財産(家や生命保険など)は、お金に換えて借入先に渡さなければいけません。
裁判所の基準で手元に残せる資産もありますが、大きな資産は残せないと思っておいた方が良いです。
また、一部の公務員や金融業、警備員など、自己破産をすると就職できない仕事もあります。
当てはまる職業に就いている状態で自己破産をするとクビになる仕事もあるので要注意です。
公務員系以外にも、下記のような職業は就けなくなります。
■自己破産で就けなくなる職業(一部)
- 建築業
- 旅行会社
- 警備業
- 生命保険
- 会計士
- 税理士
- 弁護士
上記職業に就いている人は、なるべく任意整理か民事再生で検討する方が望ましいかと思います。
また、人によっては自己破産の手続きに1年かかる人もいます。
債務整理はどこに相談する?
債務整理の相談は、法律事務所や弁護士にするのが一般的です。
債務整理に強みを持つ専門家がいる事務所を探して、聞いてみるのも良いと思います。
もしくは、日本司法支援センター「法テラス」に相談するのもおすすめです。
中立的な立場で無料の法律相談をしてくれるので、どこに相談すればいいかわからない…という人も安心です。
状況によっては弁護士や司法書士の依頼費を立て替えしてくれる場合もあります。
債務整理「以外」の方法
上記の通り、債務整理は信用情報にキズがつくなどのデメリットが大きいです。
借金を「帳消し」にする方法は自己破産しかありませんが、借金を軽減する方法はほかにもいろいろあります。
債務整理以外の方法は、おもに下記3点です。
■返済の負担を減らす方法
- 親や身内に相談する
- おまとめローンで借金を一本化
- 節約する
親や身内に相談する
勇気がいることですが、親や身内に相談してみるのも一つの手です。
まれに、親に相談したら貯金や財産を切り崩して立て替えてくれた…という話も聞きます。
しかし、こう経験が「借金をしてもどうにかなった」という感覚になってしまうと危険です。
借金返済の痛みがないと、一度カードローンやキャッシングに慣れた人は、また借入れをしてしまうことがあります。
「これ以上借金をしない」という強い意志が必要です。
おまとめローンで借金を一本化
貸金業者や銀行のなかには、複数の借入れをしている人向けのおまとめローンを扱っている業者もあります。
複数の借入先より低い金利で借金を1本に借り換えることで、利息を減らすという方法です。
利息を減らせるだけでなく、返済先が1つに減るので精神的にも手間的にも楽になります。
しかし、大きな金額の融資になるので、新規の借り入れよりは審査が厳しくなります(→おまとめローンについて詳しく)。
節約する
根本的な借金問題を解決するためには、遅かれ早かれ節約をする必要があります。
まだ債務整理まで状況が悪化していないなら、節約を気をつけることで返済が可能になるかもしれません。
コンビニでの買物をやめて自炊をしたり、家賃が少ない家に引っ越したり(地方に引っ越す人もいます)、できることを洗い出してみましょう。
しかし、お金があるだけ使ってしまうという浪費家の人は、自動的にお金が貯まる仕組みをうまく使うことをおすすめします。
たとえば、自動貯金アプリ(しらたまなど)で返済用口座に自動的にお金を振り返る設定にすれば、お金を使う前に口座から資金移動ができます。
もしくは、数ヶ月単位の積立定期預金で毎月決まった額を定期預金にまわして、解約時期になったら繰上返済に回す、という手もありです。
ネット銀行なら、すべてネット完結で積立定期預金に申し込めます。
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