GMOの証券コネクト口座と楽天のマネーブリッジ、どちらを選ぶ?金利などを比較
2018年にGMOあおぞらネット銀行がサービスを開始し、証券コネクト口座が便利だと評判です。
証券コネクト口座とは、GMOあおぞらネット銀行とGMOクリック証券の口座を連携することで、両口座の資金移動がスムーズになるサービスです。
さらに、普通預金の金利が業界トップクラスの高さになるので、投資などを行わない人も貯金用に口座開設するケースが多いです。
このような銀行口座と証券口座の連携サービスそのものは、今まで他の銀行でも扱っていました。
特に高金利なのは、楽天銀行と楽天証券のマネーブリッジというサービスです。
GMOあおぞらネット銀行が登場してからは、証券コネクト口座とマネーブリッジがこの手のサービスの二強となっています。
そこで、今回は証券コネクト口座とマネーブリッジを比較し、どちらがよりお得か調べてみました。
目次
証券コネクト口座とマネーブリッジの共通点
まず、証券コネクト口座とマネーブリッジで共通しているポイントをまとめます。
両者の共通点をすでに理解している方は、読み飛ばしてもOKです。
■証券コネクト口座とマネーブリッジの共通点
- 口座開設・口座管理手数料が無料
- 普通預金の金利が大幅アップ
- 信用取引の不足額を銀行口座から自動でカバー
- ペイオフの対象
完全無料で利用できる
まず、証券コネクト口座もマネーブリッジも手数料は一切かからず、完全無料で利用できます。
口座開設も、銀行口座と証券口座に同時に申し込むことができるので、それぞれ別に申し込む必要がありません。
もちろん、すでに銀行口座か証券口座を持っている場合も、もう一方に申し込んだ後に簡単に連携設定ができます。
普通預金の金利が大幅アップ
証券コネクト口座もマネーブリッジも、銀行口座と証券口座を連携するだけで普通預金の金利が定期預金レベルまで優遇されます。
特にこのメリットを活用する人が多く、貯蓄用口座として使う人が多い傾向があります。
今までは「銀行に貯金をする」というと定期預金がスタンダードでしたが、定期預金の代わりに証券コネクト口座やマネーブリッジを使うイメージです。
証券コネクト口座とマネーブリッジは、銀行口座としては普通預金の扱いになるなので、いつでも入金・出金ができるのが大きなメリットです。
中途解約しないかわりに高金利で運用する定期預金の、「途中で引き出せない」というデメリットを、証券コネクト口座とマネーブリッジはカバーしていると言えます。
※定期預金も中途解約自体は可能ですが、金利が大幅に下がってしまいます
信用取引の不足額を銀行口座から自動でカバー
(画像はGMOあおぞらネット銀行公式サイトより引用)
証券コネクト口座やマネーブリッジでは、株式などの信用取引で下記のような資金不足が発生した時、銀行口座の残高から自動的にカバーできます。
■証券コネクト口座・マネーブリッジ 銀行口座からカバーできる信用取引
- 信用保証金維持率
- 信用取引の保証金率(担保率)があらかじめ設定した水準を下回った時、銀行口座の残高からカバーして不足分を補います
- 追証(追加保証金)・不足金
- 保証金維持率が一定を下回った時に発生する追証や、決済時に預金に不足が出た時に銀行口座から自動的に振り替えます。
特に追加保証金、通称「追証(おいしょう)」は、すぐに支払う必要があるコストなので、銀行口座から自動振替ができると慌てずに済みます。
追証が発生しないに越したことはないですが、証券コネクト口座やマネーブリッジを利用していれば、いざという時に対処できる安心感があります。
ペイオフの対象
証券コネクト口座もマネーブリッジも、預け入れているお金はペイオフ(預金保険制度)の対象です。
ペイオフとは、銀行が破綻した時に1人につき、利息を含む預金1,000万円までを補償する制度です。
つまり、元金+利息の合計が1,000万円までのお金を預け入れている分には、そのお金がなくなってしまうことはありません。
特に、新しくできたばかりのネット銀行「GMOあおぞらネット銀行」に対しては不安を感じる人もいるようですが、預金自体は守られるので安心です。
貯金用に証券コネクト口座やマネーブリッジを使おうと思っているにとっては、通常の普通預金と同じようにペイオフ対象という安心感は大きいと思います。
まれに「証券口座はペイオフ対象外だから、預けたお金が補償されない」と思っている人がいますが、実際は証券口座も1,000万円まで補償されます。
証券口座の場合は、預金保険機構が運営するペイオフではなく、日本投資者保護基金という別組織による「投資者保護制度」で守られます。
※デリバティブ取引や一部の先物取引など、補償対象にならない取引もあります
サービスの違いを比較
GMOあおぞらネット銀行の証券口座、楽天銀行のマネーブリッジの共通点の次は、相違点も見ていきます。
今回は、
金利と使い勝手
金利が高いのは証券コネクト口座
普通預金としての金利で比較すると、GMOあおぞらネット銀行の方がわずかに高いです。
金利アップキャンペーンなどを行っていない時の金利差は年0.01%程度ですが、まとまったお金を預け入れる時は少しでも金利が高い方が望ましいです。
■GMOあおぞらネット銀行 普通預金金利
(更新日:2019/02/15)
種類 | 金利 |
---|---|
普通預金 | 0.001% |
証券コネクト口座(標準) | 0.001% |
証券コネクト口座(常設プログラム) | 0.110% |
証券コネクト口座(期間限定キャンペーン) | 0.500% |
■楽天銀行 普通預金金利
(更新日:2019/02/15)
種類 | 金利 |
---|---|
普通預金 | 0.02% |
マネーブリッジ | 0.10% |
円普通預金(楽天カード引落) | 0.04% |
楽天銀行はマネーブリッジを利用していない普通預金の金利もそこそこ高いですが、GMOあおぞらネット銀行は証券コネクト口座を使わないと利息はほとんど受け取れません。
GMOあおぞらネット銀行の通常の普通預金金利は、メガバンクやゆうちょ銀行などと同じ最低水準です。
GMOあおぞらネット銀行としても、証券コネクト口座を使うことを推奨しているのではないかと思います。
入出金しやすいのはマネーブリッジ
普段使いの預金口座として、預け入れや引き出しがしやすいのはマネーブリッジです。
マネーブリッジに預けたお金はATMからすぐに出金できる上に、株式などを買う時も銀行口座から証券口座に自動的に入金されるので、振替の手間が必要ありません。
よって、マネーブリッジは、銀行口座でもあり証券口座でもあるとイメージしても、差し支えないと思います。
マネーブリッジに申し込んでいると、証券口座に預け入れている資金は毎日夜の間に楽天銀行の口座に移動されているので、楽天銀行キャッシュカードを使ってATMからいつでも出金できます。
投資などで得た利益も銀行口座から出勤できるので、楽天銀行と楽天証券に預け入れているお金は同じように引き出せます。
そして株などを買う時は、銀行口座から自動で楽天証券の口座に入金されるので、銀行口座から証券口座に振込をする手間が必要ありません。
本来、銀行口座から証券口座に資金を移動するためには、そのたびに証券口座への振込をしなければなりません。
取引のためにATMから証券口座に入金している、という人もいます。
マネーブリッジは、この資金移動を自動振替できるので、銀行口座の残高が証券口座にも自動的に反映されて、銀行口座から直接買い付けをする感覚で利用できます。
買い時の株などを見つけたらスピーディーに買い付けられます。
一方、証券コネクト口座は銀行口座(普通預金口座)と証券口座の間をつなぐ口座、という位置づけです。
マネーブリッジが「普通預金として使う」というイメージが強いのに対して、証券コネクト口座は「つなぎ」として独立した口座のイメージです。
たとえば、証券コネクト口座に預けているお金を引き出す時は、証券コネクト口座からGMOあおぞらネット銀行の普通預金口座に「振替」をする必要があります。
ATMで出金をする前に振替をする必要があるので、マネーブリッジより1ステップ手間が増えます。
証券コネクト口座も振替作業はスマホアプリから簡単に行えるので手間は少ないですが、マネーブリッジに比べると手がかかると感じる人もいるかも知れません。
マネーブリッジのように、銀行口座と証券口座をスムーズに連携するサービスを「自動スイープサービス」と言います。
スイープサービスを提供する銀行は、楽天銀行以外にも大和ネクスト銀行などがあります。
しかし近年は、他社のスイープサービスの普通預金金利が低くなってきて、楽天銀行のマネーブリッジが突出した高金利をキープしています。
そのため、スイープサービスの中でも楽天銀行のマネーブリッジの人気が高まってきています。
貯まるポイントや獲得条件が違う
GMOあおぞらネット銀行も楽天銀行も、特定の取引をするとポイントが貯まるポイントサービスがあります。
GMOあおぞらネット銀行はGMOポイントかPontaポイントを選べて、楽天銀行は楽天スーパーポイントが貯まるので、自分にとって使い勝手が良いポイントかどうかも確認しておくと良いです。
■GMOポイントの主な使い道
- 現金に交換
- GMOポイントモール
- クーポンサイトくまぽん
- 募金
■Pontaポイントの主な使い道
- JALマイルに交換
- dポイントに交換
- ローソンなどの提携店で使う
- 特典商品に交換
■楽天スーパーポイントの主な使い道
- ANAマイルに交換
- 電子マネー楽天Edyに交換
- 楽天グループの支払いに使う
- マクドナルドやミスドなどの提携店で使う
提携店や利用できるサービスが多いのは、楽天スーパーポイントです。
どのポイントもあまり使わない予定なら、GMOあおぞらネット銀行から現金に交換できるGMOポイントもありだと思います。
もしくは、GMOあおぞらネット銀行も楽天銀行も、ためたポイントを振込手数料として使えるので、手数料をカバーする使い方も便利です。
ちなみに、ポイントが貯まる条件は、楽天銀行と楽天証券の方が圧倒的に多いです。
GMOあおぞらネット銀行でも振込などによってポイントが貯まりますが、GMOクリック証券の取引ではポイントが貯まりません。
証券口座をよく使う人にとっては、マネーブリッジの方がポイントが貯めやすいと言えます。
■GMOあおぞらネット銀行でポイントが貯まる取引
下記取引をすると、それぞれの1ポイントずつ貯まります。
- 振込
- 口座引き落としの利用
- 口座振替の登録
- 給与受取
■楽天銀行でのポイントが貯まる主な取引(一例)
下記取引をすると、取引内容に応じて1~3ポイントが貯まります。
- 振込
- 口座引き落としの利用
- 口座振替の登録
- 給与受取
- ATM取引
- 楽天バンク決済
- 海外送金
- 宝くじやJRAへの入金
■楽天証券でポイントが貯まる主な取引
下記取引をすると、取引内容に応じて1~4ポイントが貯まります。
- 国内外の株式
- 投資信託
- 個人向け国債
- 楽天FX
- 日経225先物取引
- カバードワラント
さらに、楽天銀行の預金残高が増えたり取引件数が増えると、楽天スーパーポイントの獲得率が2~3倍に増えます。
楽天銀行のハッピープログラムという、5段階のステージ制サービスです。
■楽天銀行 ハッピープログラムのステージ優遇内容
(楽天銀行公式サイトより引用)
取引条件を満たしてステージが上がると、楽天スーパーポイントの獲得倍率が増えるのに加えて、ATM手数料と他行あて振込手数料の無料回数が増えます。
最高ランクに到達すると、ATM手数料は月7回、振込手数料は月3回まで無料になり、楽天スーパーポイントは3倍の獲得率にアップします。
GMOあおぞらネット銀行も2019年1月から、「カスタマーステージ」というランク制優遇サービスを始めています。
しかし、ランクアップ条件は預金額・デビット支払額・年齢のみで、ステージアップのための取引はかなり限られます。
自分に合うサービスの選び方とポイント
ここまで証券コネクト口座とマネーブリッジを見た上で、それぞれどんな人向けのサービスかをまとめました。
どちらもメリット・デメリットがありますが、銀行口座も証券口座もより便利になるサービスには違いありません。
個人的には、貯金用口座には証券コネクト口座、普段使い用にはマネーブリッジがおすすめです。
■GMOあおぞらネット銀行「証券コネクト口座」がおすすめの人
- 貯蓄用の銀行口座として使いたい
- スマホでの振替作業が苦ではない
- ATMからの出金はあまりしない予定
■楽天銀行「マネーブリッジ」がおすすめの人
- 普段使いの銀行口座として、AMTなども使う予定
- 口座管理の手間はなるべくかけたくない
- スピーディーに証券口座で取引がしたい
普通預金の金利は証券コネクト口座の方がわずかに高いですが、もしマネーブリッジの方がメリットが多いと感じるのであればマネーブリッジを使っても問題ないくらいの差だと思います。
特に、銀行口座の入出金や証券口座での買い付けで手間をかけたくな人にとっては、マネーブリッジの自動スイープが便利です。
ネット銀行を普段使いする予定で、ATMもよく使いそうならマネーブリッジがおすすめです。
一方、証券コネクト口座は現金を出金する前に振替作業が必要になるので、キャッシュカードからすぐに引き出すことはできません(振替自体はスマホから簡単にできます)。
逆に、貯金用に証券コネクト口座を使うのであれば、すぐにキャッシュカードから引き出せない方が貯めやすいかもしれません。
定期預金がわりに証券コネクト口座を使うのも一つの手です。
GMOあおぞらネット銀行の詳細はこちら:
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