個人事業主の節税方法!意外と知られていない方法があります

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節税

自営業になると気になるのが税金の話です。

せっかく黒字経営ができていても、税金の支払いが大きくなると手元にお金が残らず、将来的な経営危機に備えることができません。特に、個人事業主は事業環境の変化も大きいです。

しかし、そのような大波が来た時に守ってくれる人は誰もいません。

将来に備えて手元に現金を残すため、適切な節税を行うことも事業を営む上では大きな意味を持ちます。

個人事業主でもできる節税方法まとめ

私自身、個人事業主を2年間経験する中で「支払う税金の多さ」を常に感じていました。

そのような中で、個人事業主でも可能な節税策をいくつか知っているので、まとめておきたいと思います。無駄な税金を支払う必要はないので、自営業の方でまだ実践していないものがあれば、前向きに導入を検討してみてください。

青色申告特別控除による65万円の節税

青色申告

個人事業には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
このうち、青色申告を選択すると「青色申告特別控除」という65万円の控除を受けることができるため、実質的に65万円の節税が実現できます。

青色申告は「複式簿記」という少し複雑な形式の帳簿を作成する必要があります。(といっても複式簿記もさほど難しくはありません)

青色申告では、確定申告の際に、作成した複式簿記の帳簿を元にして貸借対照表と損益計算書を添付しなくてはなりません。

複式簿記の帳簿の作成もそうですが、会計ソフト(青色申告ソフト)を使えば、貸借対照表や損益計算書は簡単に作れます。

最近は知識のない方でも簡単に会計ができる「クラウド会計ソフトのfreee」なども登場しているのでおすすめです。

帳簿の付け方には大きく2種類があります。

現金主義
現金が入金されたタイミングで売上を計上する記帳方法。

発生主義
売上が発生したタイミングで売上を計上する記帳方法。事業では大抵、注文が入ったタイミングと商品を納品して売上代金を受取るタイミングがズレます。

よって、発生主義では注文が入ったタイミングを「売上」とし、その売上を「売掛金」としておいて、実際に商品代金を受け取ったタイミングで「売掛金の回収をした」という記帳を行うことになり、より現実に即したお金の流れがわかります。

法人会計でもそうですが、一般的には「発生主義」で記帳されるのが普通です。

このうち、「現金主義」を選ぶと10万円の控除しか受けられないので、記帳は「発生主義」で行い、65万円の青色申告特別控除を受けることをおすすめします。

小規模企業共済に加入する

個人事業主

個人事業主の節税方法として代表的なものに「小規模企業共済」があります。

小規模企業共済を一言で説明すると「社長の退職金」に相当するものとなります。自営業者や会社経営者には退職金はありません。

しかし、将来的に年を取れば退職するというのは自営業や社長も同じですから、そういったタイミングで老後の資金がないと困ってしまいますよね。

そこで、小規模企業共済に加入し毎月一定の掛金を積み立てていくことによって、将来的に仕事を退職した時に、積み立てたお金を受け取れるという制度です。もちろん、小規模企業共済は一定の利率で運用されているので、数十年間の積み立てをしておけば、積立金よりも多くの金額が受け取れます。

そして、小規模企業共済のもう一つのメリットとして「掛金が小規模企業共済等掛金控除として全額経費に計上できる」というものがあります。

小規模企業共済は毎月1,000円~最大70,000円の掛金を設定することができます。毎月7万円をかけておくと、年間84万円の所得控除が可能です。

途中で掛金を減額することもできるので、年間の業績予想に合わせて調整すると良いと思います。

領収書はきちんともらう

領収書

仕事の打ち合わせでカフェでコーヒーを飲んだり、会食に行った際には必ず領収書をもらい経費として計上しましょう。

私も仕事で多くの個人事業主の方と出会う機会がありますが、意外とみんな領収書をもらっていないです。めんどくさいから、または領収書をもらうのは恥ずかしいと思っている風潮があるような感じでした。

しかし、所得税率にもよりますが、平均的に見ると領収書は15%オフの割引券と解釈すると、その大切さがわかります。

例えば、打ち合わせで食事をした時などに3,000円の接待交際費を使ったとします。この場合、領収書をもらわなければ一切経費にはなりませんが、3,000円の領収書をもらっておくと、その約15%に相当する450円、納める税金が減るというイメージです。

もちろん、経費となるのは直接事業に関係する内容のみなので、プライベートと仕事の区別はしっかりとする必要はありますが、自営業同士の会食であれば情報収集とも言えなくはないでしょう。

私はもともと、接待交際を積極的にする性格ではなかったので、私の個人事業主時代の接待交際費は所得(うろ覚えですが)の5%未満だったと思います。

国民年金基金や個人型確定拠出年金に加入する

国民年金

国民年金の支払いからさらに上乗せして年金を支払うことで、将来受取る年金を増やすことができる仕組みが「国民年金基金」です。

国民年金基金の掛金は最大68,000円となります。(1年分の掛金を前納することで0.1ヶ月分が割引となります)

また、個人事業主は個人型確定拠出年金(日本版401K)にも加入することができます。

個人型確定拠出年金も掛金の最大が68,000円なのですが、国民年金基金と合算してトータルで68,000円までしか掛けることができません。

つまり、どちらか一方を選択しても良いですし、都合に合わせて両方に加入するという選択もできます。

個人型確定拠出年金(日本版401K)は、様々な金融商品で資産を運用するので、将来受け取れるお金が運用結果によって増えることも減ることもあります。

国民年金基金と個人型確定拠出年金、この2つで年間最大816,000円の所得控除が受けられます。

個人型確定供出年金については姉妹サイトで詳しく解説しています。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のやさしい説明、主婦や公務員も対象に – 1億人の投資術

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者

夫や妻などの配偶者がいる場合に受けられるのが「配偶者控除」です。(ここでは妻がいるケースで想定します)

配偶者控除には適用条件があり、妻の年間合計所得が38万円以下である必要があります。妻が簡単な副業をしていいて年間にほとんど稼ぎがないという程度であれば、配偶者控除の条件にマッチします。

また、よく言われる「103万円の壁」というものがあります。仮に妻がアルバイトやパートをしていたとしても、年間の稼ぎ(収入)が103万円の場合だと、給与所得控除が65万円引かれるため、所得は「103 – 65 = 38万円」となり、この場合も配偶者控除の対象となります。

配偶者控除の条件に当てはまる場合、妻の控除額は38万円(70歳以上は48万円)となります。

仮に、妻の稼ぎが103万円を超えており、年間所得が38万円を超えているからといって、まったく控除が受けられないということはありません。

この場合でも「配偶者特別控除」といって最大38万円までの控除を受けることが可能です。

国保組合に加入する

組合

この方法は厳密には節税とは違いますが、コスト削減ができる内容です。

個人事業主は国民健康保険料を支払う必要があります。しかし、国民健康保険の代わりとして「国保組合」を選択することができます。

国保組合はいわゆる「業界の互助会」のようなもので、地域や業界ごとにさまざまな国保組合が存在します。

加入条件が設定されていることが多いので、自分の条件に見合う国保組合があれば、そちらに加入することで国民健康保険と比較して、保険料を減らすことができます。

個人事業税は支払わなくても良い可能性がある

ライター

個人事業主が支払う税金に「個人事業税」というものがあります。

業種によって3%~5%と税率が異なります。

個人事業税の計算方法は「(所得の額-290万円)× 税率」となっているので、所得290万円以下の場合は支払わなくても大丈夫です。(計算上、個人事業税の額が0円になるため)

また、個人事業税はすべての自営業者が支払わなければならないのではなく、一部の業種の場合は対象外となっています。代表的なところでは、文筆業を営んでいる方は個人事業税の支払い対象外となるため、所得に関わらず支払いの義務がありません。

文筆業といえば、ライターさんなどが該当します。
ちなみに、私もこうした記事を書くサイト運営の仕事をやっていて、文筆業と言えなくもないのですが、残念ながら私の仕事は文筆業には該当しませんでした。(個人事業主の時は個人事業税を支払っていました)

東京の例となりますが、個人事業税を支払うべき業種とそれぞれの税率です。
東京都主税局<税目別メニュー><個人事業税>

ただし、実態は文筆業ではないのに「文筆業」であると偽って個人事業税を逃れようとする方も多く、そういった方は税務調査の段階で痛いしっぺ返しを食らいます。本当に自分が個人事業税の支払い対象外なのかどうか、税務署に問い合わせをして確認を取ることが大切です。

まとめ

これらの所得控除や節税策を駆使すると、生活するのに十分な所得が得られるまではほぼ無税の状態で経営ができます。

もし、所得税率が高くなってきたら、法人成りをすることでも節税に繋がるので、一定のラインを超えてきた段階で法人化を検討してみてもよいでしょう。

今回、いくつかの節税策を紹介しましたが、もしかすると漏れがあるかもしれませんので、「こういった節税方法もあるよ」というのがあれば教えていただけると助かります。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
26歳の時に右も左もわからない状態で個人事業主になりました。2年後、株式会社クートンを設立し、現在10期目です。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「1億人の投資術」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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